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世界を救ってみませんか？〜異世界だなんて聞いてない！〜

まいたおる

ミッション1-3 〜陽人VSイノシシ〜

「いた！イノシシさんだ〜！」
陽人の目線の先にはイノシシが一頭。距離は10メートルほど離れている。
「フシュー！」
イノシシがこっちに気づき、突進してくる。ものすごいスピードで陽人とイノシシとの距離が縮まる。
「フシュー！！」
「くっ…」
ついに陽人とイノシシが激突し、陽人は5ｍほど後ろへと吹っ飛ばされる。
「あいたたたた…」
「フシュー！！」
相変わらず興奮したままのイノシシが、もう一度突進しようと向きを変え陽人を目指す。立ち上がった陽人は近づいてくるイノシシへと顔を近づけると、にわかに真面目な顔になった。

「だめだよ、そんなことしちゃ」

陽人が諭すようにそう言った瞬間。

イノシシが急に動きを止めた。荒ぶれた雰囲気が消え、その顔には理性が戻っている。

「よしよし、えらいよ」

陽人がイノシシの頭を優しく撫でる。するとイノシシは「ブフォ！」と嬉しそうな声を上げ、山の奥へと去っていった。

陽人はしばらく何かを考えているようにその場に突っ立っていたが、やがていつもの調子で鼻歌を歌いながら楽しげに歩いていった。

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