Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

ジャック 出逢い編3




「私は近所のスーパーで品出しのバイトやってますよー」
「私もRommieと同じスーパーでレジやっるよー、ジャックは?」
「自営業だよ。人の髪を切るお仕事」
「え?そうなんですか?どうりで、ジャックさんがさっき頭なでてくれた時、優しくって繊細だなぁって思ったんですよー!。美容師さんかぁ納得です」

!?

ドキッとしてしまった。こんな若い子に褒められると思ってなかったからな・・・

「・・・そ、そう?(照れる)」

俺は隣に座るRommieの頭をもう一度なでた。

「Rommieのチョー嬉しそうな顔!あははは」
「へへ、私、両親以外の人に頭なでてもらうの初めてかもー」

Rommieが言うと、みんながRommieの頭をなでだした。

「わーわーわー!みんなして!や、やめてよー!」
「あははーRommie顔真っ赤ー!で、誰のなで方が一番良かった???」
「はぁ!?そもそもみんなザツだし!!!ジャックさんが一番優しいし!!」
「わー負けたーわははは」
「・・・(赤面)」

俺は手で顔を隠した。



若い子に混じって話をするのがこんなに楽しかったのかと、少し考えていると、隣に座っていたRommieが机に突っ伏している。

「Rommie、大丈夫かい?」
「あーはい、さっき、自分のコーラと思って飲んだのが、コークハイだったみたいで、今、眠いです」
「どれくらい飲んだの?」
「2、3口ですけど、私、お酒弱いんですよー」
「みたいだね」

俺はまたRommieの頭をなでた。
なんだろうか、この子を見ていると、構いたくなると言うのか・・・
こんなおじさんが、歳の離れている子にこんなに触ってたらセクハラで訴えられるかもしれないしやめておくか・・・

手を離すと、ガシッとRommieが私の腕を掴み、頭に手を押し付けた。
なでろ。と催促しているようだ・・・

「あーあーあー、Rommie、また私のコークハイ呑んだの!?ジャック、すみません、この子、お酒飲むとデレデレになっいゃうんですよー、ホラ、Rommie、ジャックが迷惑してるから!」
「うーーーーん、でへへへぇ」
「いや、構わないよ。頭をなでるくらい」

周りの皆んなが、俺を茶化している。

「ジャック、優しい〜大人の余裕ってやつだねぇ」





しばらくRommieは酔いつぶれてたので、他のみんなとゲームの話で盛り上がった。
色々と知らないことを教えてもらい、早く帰って実践したくてうずうずしていると、
酔いつぶれていたRommieが起きた。

「来週から月曜日授業無いんで、ひさびさに髪切ろうと思ってたんれふよー、」
「お、くすくす、うん」
「でも月曜日ってどこも休みのとこが多いじゃないれふかぁ」
「うん、うん」
「アレなんでれふかねぇ?結構不便なんでふよねぇー。営業してるとこもあるけど、家から遠いし。メンドーだし。高いし。安いとこ無いし。高いし。高いし。高い!」
「お、落ち着いつこうかRommie」

頭をなでるとRommieは大人しくなってなんか、可愛い。

「ジャックのお店教えてください。明日行くんで」
「うんうん、いいよ。お昼頃でよければ、お店にいるからおいで。住所はメッセージ送っておくよ」
「わーい!くかぁーーー」
「あれ?寝た?あははは」

ヤバイ、可愛い・・・若い子はいいな、元気で。




21時になり、そろそろお開きの時間がやってきた。
店の前で酔っ払った大人達が、二件目の話をしている。
未成年は、ここでお別れで、大学生達も大半は帰っていった。

「二件目はカラオケでーす!行く人ー!駅前の青い看板のカラオケ屋に集合でーす」

俺はタクシーを拾って帰ることにした。

「誰かーRommieお願いできないかなー?私、二次会行きたいんだけど〜」

アンジェラが、酔いつぶれたRommieを誰かに押し付けようとしていて、変な男に持ち帰られるんじゃ無いかと、心配になって、真っ先に手を挙げた

「じゃー、一緒に帰ろうかRommie。タクシー呼ぶトコだったから、アンジェラ、二次会楽しんでおいで」
「ありがとー!ジャックなら大丈夫そうね!よろしくお願いしまーす」

一瞬であれだけの人数が去っていき、静かになった。

「Rommie、君は少し酔いを覚ました方がいいね、少し夜風に当たりながら散歩でもしようか」
「ふぁーーい」

フラフラしながら歩くRommieが危なっかしくて、腕をつかもうと手を伸ばした瞬間にRommieの方から手を繋いできて、俺は驚いてしまった。
20歳の子とこんなおじさんが手を繋いで良いのだろうか・・・

まぁ、少し酔いを覚ますまでだし、大丈夫だろう。
若い子に手を出すほど節操の無い大人では無い。至って真面目な大人であるつもりだから、このままRommieの酔いが覚めるまで、散歩するだけ。そう、散歩するだけ。
落ち着ついている。そう、俺は落ち着ついている・・・はず。


「ってか、コークハイ2、3口呑んだにしては、酔いすぎじゃないかい?」
「ん?コークハイの前に、アンジェラにZIMA一口飲まされました。その前にも、芋焼酎一口と、ビール一口とウォッカと日本酒・・・」
「はい!?」
「舐める程度でしたが、流石に、もう二度とお酒は飲みたくありませんねぇ。ふへへへ」

例え一口でもそんなにいろんなお酒を飲んだら、すぐに酔うに決まってる!!
なんて、不器用な子なんだか・・・

散歩していると、大きな公園が見えてそこに寄ることにした。

鼻歌を歌いながらRommieが噴水の周りを歩いている。酔い冷ましには丁度いいのかもしれない。
3周程歩いた後も噴水のヘリに寝転がって星を眺めながら鼻歌を歌い続けている

しばらく、近くに座って待つことにした。






30分程経った頃、

「わー、星がちょこっと見えるやー。もっとたくさんの星みたいなぁ」
「気持ち良さそうだね」
「あ、すみません」

恥ずかしそうに起き上がったRommieが、頭を抱えている

「さっき、お水買っといたから飲むといいよ」
「す、すみません、ありがとうございます」

・・・会話が無い。
でもなんでかわからないが、苦ではない。
不思議な感じだ。

「ジャック、本読んで待っててくれたんですか?」
「あぁ、うん(ニコニコ)」
「私の事、置いて帰ってよかったのに!」
「女の子を見捨てて帰るなんて、男のする事じゃないよ」

顔を真っ赤にしているRommieが可愛くて思えて、頭をなでると、なでられている最中は、とても嬉しそうな顔を見せてくれる。
なんか、コレ、クセになりそうだ。


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