Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

58 知らない話



ー地下施設ー


"gravity circle"

ギィィ!グギィィ!

監視用のモンスターとして、この施設で手懐けられたモンスターだろうか。

さっきからチョコチョコでてくる。
でも監視用のモンスターだけあって、弱い。

「ロミー、頭に、倒したモンスターの羽がついているよ」

「え?どこですか???」

頭を触って羽を探すけど、どこかわからなくてジャックに取ってもらおうと頭を突き出した

「ははは、動かないで・・・、」

耳の後ろあたりについていたようで、くすぐったい

「とれたよ」

見せてもらった羽は黒くて光にかざすと虹色に光って見えてチョット可愛い。
詳細のウインドウを開いてみた

"黒鳥〈ブラックゴラーブ〉 虹色に輝く羽を持つ鳥。愛玩用としても人気が高く、その羽を利用したアクセサリーなどに加工される事を多い。女性にも人気が高い鳥"

「へぇ、女性にも人気なんだそうですよー、このモンスター・・・」

ジャックが羽を拾い集めている

「ん?あぁ、職業柄、ヘアアクセになりそうな物を集める癖があってね」

そう言えば、美容師さんだって言ってたしね。凄いなぁ
見ただけでアイデアとか浮かんじゃうんだろうなぁ
尊敬するわー


・・・そう言えば、あの声が言っていた、"思い出す"って言うのは何のことだろうか・・・

「"誰かの事を忘れている"ってこと???うーん・・・でも忘れているんだとしても、そもそも忘れてる自覚がないからなぁ・・・」
「・・・ロミー?」
「あ、また心の声漏れてました???すみません、何でもないです」

ジャックが何となく、寂しそうに見える?
なんだろう?
そういえば、ジャックと一緒にいると不思議な感覚がするんだよなぁ
もっと前から知っていたような、そんな感じ。
この世界に来て初めて会ったし、気のせいだと思うけど。
時々そう言う感じの人いるし、ソレかな?

ドサッ

あ、階段の上に仕掛けたトラップにまた誰かかかったみたいで、ジャックが眠る兵士の様子を見に言ってくれた。

「凄い、一度仕掛けたトラップに5人目だ!さすがロミーだね」

私の魔法効果抜群じゃん(o´罒`o)

「あ、あれ覚えているかい?ギルドオフ会やった時、私と君でペアになって、バトルした時、あの時も君が通路の端に今みたいにトラップを使って他のペアを出し抜いてたね。」

ん????????

「あ・・・」

今の何の話???
なんでジャック頭を抑えるの?

「今の話って、なんですか???」
「・・・すまない、私の思い違いだっ、忘れてくれ・・・」

そう言うとジャックは階段に座って黙り込んだ。

んん???
ギルドオフ会・・・たしかに何度か参加したはずなのに、あれ?思い出せない・・・?
頭を抱え、もう一度ジャックに聞いてみた



「ジャック、さっきの話なんですけど・・・」

質問しようとした時、床に魔法陣が現れ、上城さん達が帰ってきて、真っ先に上城さんが私のもとへ駆けつけてきた

「ロミーさん!」

「わっ」

腕を引っ張られ、強く抱きしめられた
数秒ほどで、上城さんは私を離したけど、お互い顔が赤い。

「あ、ごめん、無事な姿をみたら、つい」
「い、いえ、ご心配お掛けしました」
「私よりも先に、ロミーに飛びつくは中々やるな」

リオンがいた事すっかり忘れていた・・・
バニラはオブザーバーさん頭の上に乗っかってふわふわ浮いてる。
フィンはフィオナの所にいち早く駆け寄って行ったみたい。
ジャックはさっきから階段に座ったままだ。

『ロミー、準備は出来たよ。後は夕刻を待つだけだ』

オブザーバーさんが話しかけてきて、私は時計を見た。

朝早かったし、まだ10時過ぎたばかりだ・・・

「観測者様のおかげで、無事に騎士団を動かすことも出来ました。感謝いたします」

リオンがオブザーバーさんに跪いて感謝の言葉を述べていて、オブザーバーさんも笑顔で答え、更にそれをバニラが通訳している。
ややこしいな。

上城さんは座り込むジャックのもとへ行き話をしている。

通路の反対側で私は一人で立ってみんなを眺めていた。

人造魔神が本当に目覚めたとして、ジャックと二人でこの巨大水槽ごと、街の外へ転送させて、その先で待ち構えた冒険者達が迎え撃つ計画だけど、上手く行くのだろうか・・・
冒険者の数は多い方がいいよね。
桜子さん達にも・・・いや人の手で作られた兵器とは言え、魔神級モンスターだし、危険かな・・・

私が考え込んでいると、いつの間にか、みんなが、集まっていた。

「あ、すみません、考え込んでて気がつきませんでした・・・」

「ロミーさん、観測者さんが、シルバーシティにいる冒険者にも来てもらおって。だから三日月達にも声をかけに行こうって、話になったんだ」

そっか、みんなが言うのなら、その方がいいのかも。

 ジャックがGATEを開くと、直ぐに、オブザーバーさんは向こう側へ行った

「フィン、私はシルバーシティに行ってくる。フィオナを頼んだぞ。」

「僕はここに残ろうと思う。」

オブザーバーさん真っ先に行っちゃったしなぁ
どうしようかな、ってあれ?
ジャックは私達の返答を待たず先にGATEに入っていっちゃった?

「あれ?ジャック何か様子が変?」
「・・・僕もさっき話をした時に様子が変だって思ったんだけど・・・」
「そっとしておいた方がいいのかな?それとも声かけた方がいい、とか?」

悩んでいると、オブザーバーさんが、GATEから上半身だけ覗かせて私の腕を掴んだ

「わっ」
『おいでロミー、君が必要だよ』
「えぇ!?す、すみません、行ってきます!」

グイグイ引っ張られ、上城さんに慌てて挨拶をした

「えぇ!?う、うん!行ってらっしゃい!気をつけてね・・・アレ?バニラは行かなくて良かったのかい?」


「あぁ、お前のフォローを観測者に頼まれたからな」






慌ただしく抜けると私の姿を確認してジャックはGATEを閉じた。

「オブザーバーさん、いきなり腕引っ張るからびっくりしたじゃないですか!」

ニコニコ笑ったまま、ふわふわと行ってしまった。

「む、無視ですかっっ!!!」

もう!
こんな時いつもならジャックが側に来てあたまなでてくれるんだけど、やはり様子がおかしい。
代わりにリオンが来たし。

「この街のハンター協会へは私が行ってこよう。ジャックと二人で仲間達に会ってくるといい」

私は桜子さんにメッセージを送った。

『緊急クエスト発生です!みんな集まれますか!迎えに行きます!』
送信っと。

「ジャック、桜子さんにメッセージ送りました」
「あぁ、ありがとう」

やっぱり何となく素っ気ない態度だなぁ

「ジャック?大丈夫ですか?」
「・・・私の事は気にしなくていい」

うーん・・・?ピロン♪
あ、返事きた!

『なになにっ!?今ちょうど浜辺の洞窟からの帰りだよ!カニを狩り尽くしちゃって今日は全然ダメだったー。ハンター協会に向かってるとこーハンター協会で待ち合わせでもいいかしら?』

『絶滅しちゃうよ笑。狩場を新規開拓した方がいいのでは???とりあえずハンター協会の前で集合しましょー。あと、個人的な相談したいことがあるのでよろしくでーす』
送信っと。


とりあえず、ハンター協会へ向かった。





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