Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

47 ケンタウロス



マップを確認すると、第5層に一つだけ人間の生命反応があった。
ここから少し離れてて今も動いてる。
多分これが上城さんに違いない。
私は剣を持ち、上城さんの元へ向かった。

モンスターが途中何体か出てきた。
一体ずつ相手にしている暇はない。

"Flash"〈閃光〉

敵の目を眩ませてどんどん奥へ



しばらく進むと、足元に血溜まりがありそこから奥へ引きずられた跡を見つけた。
上城さんは深手を負っている!?
早く見つけないと!

奥から聞き覚えのある咆哮が聞こえた。

チッ!ケンタウロスだ!
ケンタウロスがモンスターを呼び寄せ、
マップ上に無数のモンスターの反応が増えた

私は"acceleration"〈加速〉を使用した!


ケンタウロスがすぐ近くにいるのを私の天眼が教えてくれる!

"stealth circle"〈隠密効果〉

気付かれないようにそーっとケンタウロスのいる方へ曲がり角を曲がった。

そこにはケンタウロスと数匹のモンスターが確認できる。
ケンタウロスの左手には頭から血を流す上城さんが捕まっていた!!!

まさか!?

既に!?

うそ、うそ、うそうそうそうそうそうそだ!

ど、とうしよう!

部長が死んだ!?

だめ、だめだよ!



動かない上城さんを引きずり回すケンタウロスは興奮しているし、近づけない!!!

上城さん!

お願い!

生きてるって言って!!!






上城「がはっ!!ごほっごほっ、」

はっ!!!!!

い、生きてる!?

よし、まだ大丈夫。

落ち着け、落ち着け、

はぁ、はぁ、はぁ、

スーーハーーースーーハーーー

落ち着け、

私、

下手に出て行っても上城さんが危ないし、取り敢えず、ここは音を立てて、雑魚モンスターだけでも呼び寄せて、数を減らさないと!


通路の反対側に小石をいくつか投げて、岩のモンスター達の気をそらした。ケンタウロスの目を盗み、仕留める。

シュ!ザン!ドスっ!シュパッ!
ゴロゴロゴロ。

その場に転がった岩を避けケンタウロスのいる角を覗くと、ケンタウロスが居なくなっている!?

上城さんは?
居た!スライムが上城さんに寄生しようとしていた!!
私は走り出してスライムに飛びかかり、まとめて4匹始末した。

ロミ「上城さん!」

か細い声で何かを呟いている

上城「僕はなんてことを、、、失敗した、失敗した、失敗したんだ、、ゴホッ、ゴホッ、あぁ、ロミーさんの声が、、、幻聴が聞こえるなんて、もう死ぬんだね、ゴホッゴホッ」

ロミ「何言ってんですか!帰りますよ!」

"Gentle breeze  heal"〈癒しの風〉

そのまま気を失った上城さんを背負い、ケンタウロスが戻って来る前に居住区を目指した。

"stealth circle"〈隠密効果〉

今、他のモンスターを相手にしてケンタウロスが戻ってきたら不利だ
他のモンスターに気付かれないように進むしかない。

たまたま雑魚モンスターばかりだったから良かったけど、大型モンスターが他にいてもおかしくないフロアだし、上城さんを背負ったままじゃ戦えない。


ロミ「もう少しで居住区ですよ、かみじょ、、、!?」

すぐ真後ろで殺気を感じ振り返るとケンタウロスが前足をバタバタと大きくあげていた!!!
踏み潰される!?



ドゴォォォォォォォオンンン!!!!
回避した拍子に上城さんを離してしまい、数メートルほど、押し飛ばされてしまった。


ケンタウロスの攻撃で地面はひび割れ数十センチほど穴が空いている

私は剣を持ち戦闘態勢に入った。
剣を握る拳に力が入る

stealth circleを使っていたのにやはりハイランクモンスターには通用しなかったんだ。


私は素早くケンタウロスの左足を切りつけ、壁を使って、素早く後ろに回り込み間髪入れず次の攻撃を繰り出した、
上城さんに背を向けさせ、こちらに気をとらせないとっ!!!

ケンタウロスは左手に持っていたハンマーを私にぶん投げてきた!!!!


ロミ「ぐっ、あぁぁぁぁぁあ!」


ガード姿勢に入っていたけど、距離が近すぎてシールドが間に合わず左腕に直撃してしまった!!!!

体制を整え、左肩を確認した。

肩の骨は砕け、腕は裂け、骨が見えていて皮一枚で腕がぶら下がっている状態だ。
大量に血が流れ出した。


ロミ「ぐ、ぁぁぁぁぁあ!!!はぁ、はぁ、はぁはぁ、」

ぼたぼたぼたっと地面に血が落ちる音、
ケンタウロスの荒い息、
自分の心拍音がうるさくて仕方ない。

ケンタウロス「ブォォォォオオオオオン!!!」

ケンタウロスの咆哮の後の攻撃を交わす為すぐさまケンタウロスの足元へ飛び込み連続で切り込んだ!!!

ザンザンザンザン!!!!

壁を足場にし、ジャンプして、様々な角度から連続で斬り込んだ。


でも、左手を庇いながらでうまく立ち回れない!!!
もう少しこちらにケンタウロスを引き寄せれたら!!
上城さんから距離を取れるのに!!!
このまま押し切るしかない!!!

"acceleration"〈加速〉

その場に高く飛び10連撃仕掛ける!

シュ!シュン!タンッ!シュ!シュシュン!

攻撃は効いているようだ!ケンタウロスが怯んだ隙に更に、攻撃を続けた!!!

"爆炎連撃"
激しい炎と共に斬った箇所に爆発を起こす魔法剣の技だ

ケンタウロス「ブォォォォオオオオオン!!!」


どっ!グチャ!

何回か爆発の後ケンタウロスの左腕が落ちた

ロミ「はぁ、はぁ、はぁ、
"Gentle breeze  heal"〈癒しの風〉」

自分の左腕に回復魔法を使っても取り敢えずの痛み止め程度にしか今はならなかった

ドックン、ドックン、と
ケンタウロスの左腕の傷口が脈打ちながら血を吹き出している

目が赤く光りかなり怒ってるのがわかる。

さて、次はどうしたものか、魔法を使う余裕はあるけど、後ろにいる上城さんに当たる可能性があるので使えないし、
私の剣じゃ敵が大き過ぎて、大技を使わないと、ケンタウロスのHPはなかなか削れない

私の今の状態では大技は後一回が限界。
左腕がちぎれ落ちてしまう。


ケンタウロスは痛みにもがき苦しんでいる、その隙になんとかトドメを刺したい。
これに失敗したら全滅かな。。。


はぁ、はぁ、はぁ!

私も血が止まらない!!!

早いとこ終わらせないと!

はぁ、はぁ、ふぅ、よし

何とか呼吸を整え、魔法を使った

"Flash"〈閃光〉
"acceleration"〈加速〉
"10連撃"

ケンタウロス「ブォォォォオオオオオン!!!」

右、左!後ろ!上、下、下!右、右、後ろ、
壁をうまく利用して、繰り返し同じ場所に切り込んでいく。
痛みに苦しむケンタウロスに一気に畳み掛ける

ロミ「消えろ!!!」

ケンタウロスの右手が私に振り下ろされた瞬間高くジャンプし天井に足を付き、勢いよくケンタウロスの頭に剣を一気に押し込んだ!!!

ロミ「爆炎斬りっっっっ!!!!!」

爆発の衝撃で私は飛ばされて地面に叩きつけられた。

耳がキーンとしている。

ケンタウロス「ブォォォォオオオオオン!!!」

くそ!トドメ刺し損ねた!?
アレで死なないとかどんだけ、タフなモンスターなんだよ!!!
でももうムリ、、
血を流しすぎて意識がもう、保たない。
ごめん、助けに来たのに助けられなかった。。。


ドサッ・・・








上城「"heal shot"!!!」

ダン、ダン、ダン、!

上城「"shotgun"!!!」

ケンタウロス「ブォォォォオオオオオン!!!






薄れゆく意識の中、上城さんの声が聞こえたような気がした









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