Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

44 月光蟹ばかり狩ってます



ーロミ達が出発の日、上城サイドー


ロミーさん達を見送った後、みんなで、また浜辺の洞窟に行くことにした。
早めに出かけて、潮が満ちるギリギリまで月光蟹をたくさん倒してレベルを上げる予定だ。

桜子「上城くん、ロミーちゃんが言っちゃって寂しいんでしょう?」

上城「まぁそうだけど、でも帰ってくるまでに、今よりも強くなって、絶対にロミーさんの役に立ちたいんだ。」

この世界では俺がロミーさんを守ると決めた以上、何が何でも強くならなければ!!



午前中はナターシャも一緒に同行してくれるとの事で、心強い。
浜辺の洞窟の入り口の石盤にそれぞれマーカーを立て洞窟へはいった。



桜子「今日からはロミちゃんとジャックの支援が無くなったから、みんな気を引き締めて行きましょう!」

この中では三日月が一番"キング"と言うゲームに慣れているため、みんなを引っ張ってくれている。

俺は会社の友人に勧められて始めたけど、そんなに興味もなくて、友人に言われた時に一緒にプレイする程度だったから、未だに慣れない。
もともと、ファンタジーの世界に興味がなくて、魔法や超能力といった物が出てくる、本や映画は殆ど見た事がない。

だから、俺は魔法が溢れるこの世界とどう接して良いのかわからなくて、今も三日月達が使う魔法を見ると落ち着かない。
魔法とか科学で説明出来ないものはどうも落ち着かない。

こういうモンスターの居る洞窟の事を、ジャックやロミーさんはダンジョンって呼んでたけど、その辺の名前の違いもよくわからないし。

初心者にはわからない事だらけだ。


アカギ「前回来た時、ここで、大量に狩をしたな」
カナナン「さすがに狩すぎて、あんまりいないわねー」


カサ、カササ、

ん?

ネコッチ「あ、あ、アカギくんあまり先に進まない方がぁ!」

カサ、カササ、カチ、カチ、カチ、

上城「ねぇ!みんな!さっきからなんか音がしない?」

カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、

桜子「カチカチ言ってるわね」

暗くてよく見えないけど、蟹が何匹か見える、俺は蟹をひっくり返すため足を狙って一発撃った。

ドンッとキィン!コテッ。
ひっくり返った蟹にトドメを刺そうと近づいた時、上からゴトゴトと数体の月光蟹が降ってきた。

上城「わっ」

カチ、カチ、カチ、
と揃えてハサミを鳴らしている

桜子「もしかして、これ、仲間を呼んでるんじゃないかしら」

ナターシャ「上!たくさん出てきました!!!」

天井に空いた無数の穴から、蟹がどんどん溢れ出してきた!!!

桜子「みんな!落ち着いて!倒せないモンスターじゃないわ!」

犬「俺が手伝う!」

三日月の犬が溢れ出てくる穴の一つに顔を突っ込み、炎の魔法を放って、一時的に数を減らしてくれた。

アカギ「みんな!桜のいう通りだ!落ち着いていこう!」

みんなで声をかけあい、士気を高めあっている。

ドンッドンッドン!

ネコッチ「え、えっと、"Squall"〈突風〉」

洞窟内に物凄い勢いの風が吹き抜け、蟹たちがひっくり返り、一斉に畳み掛けた!!







ドンッドンッドン!ドドン!
ふぅ、

ちょっとびっくりしたけど、何とかなっだたいだ。

アカギ「よし、こんなもんか、やったな!2人がいなくても俺達だけでもできたぞ!」

桜子「バンザーイ!」

前回より沢山倒せた事でとても達成感を感じられた。

ログを確認すると、『堅甲羅』の他にも『蟹味噌』を沢山ドロップしたようだ。

上城「『蟹味噌』って。。。このフォルムで言われても食欲わかないし」

赤い月「それなっ!エイリアンみたいな見た目、なんとかならんのか!気持ち悪い」

レベルも上がってる。
"スキル解放"?

上城「三日月、なんか、"スキル解放"って出てるんだけど、何これ」

桜子「それは、レベルが上がったりした時に新たな技を覚えたりするの、選択してみて、何か覚えると思うわ」


選択してみると、いくつかの名前が出てきた、"どれを習得しますか?"って。

上城「よくわからないから、三日月、適当に選んでくれないか」

三日月にスマフォを渡して、選んでもらうことにした。

桜子「うそ、上城君、こっちに来てから一度も解放してないじゃなーい!何やってんのー!とりあえず、使える魔法は全部、解放しておくから!」

上城「お、おう、よろしく」

ガンナーの魔弾にはそれぞれ、弾に付属効果を乗せて使うため、ノーマルの弾を使うより、付属効果の弾を使った方が効率が良く敵を倒せる。
派生させた付属効果を組み合わせた弾の方がより攻撃力も上がると言うわけだ。

知らなかった。。。

桜子「ジャックと同じ武器なんだし、ジャックにちゃんと聞いとかなきゃダメじゃない」

ジャックかぁ。
確かに、聞いておくべきだったなぁ。。。

上城「帰ってきたら、色々修行つけてもらおうかな」

桜子「そうしなさーい。はい、終わったわよ。これで、ステータスもかなり上がってるから、さっきよりも楽に蟹が倒せるようになってるはず!」

上城「ありがとう」

ナターシャ「そろそろ時間です」


時計を見ると11:30だ。

白バラ「わー本当ね、帰りましょう!」




ハンター協会で『堅甲羅』と『蟹味噌』の納品クエストは常に出ている為、一度、納品しに行いって、その後は、キースさんに教えてもらった鍛冶屋に残りの素材を加工してもらう為、みんなで、鍛冶屋に向かった。


鍛冶屋に入ると、炉の熱が離れていても感じられる。

ソルト「うぉーゲームでよく見る感じの店だー。」

ピューレ「いらっしゃい」

若い女性の鍛冶職人だ

ソルト「!!!とてもいい店ですね」

ソルトが食いついている。

ピューレ「ありがとう、私はピューレよ。今日はどんなご用かしら」

桜子「月光蟹の"堅甲羅"が沢山あって、何かできないかと思って」

ピューレ「何人分、作るのかしら?それによって必要な材料の数も変わってくるわ。もし今材料があるなら、このBOXに入れてもらえる?」

みんなが今持っている"堅甲羅"を全て鍛冶屋のBOXにだした。

ピューレ「えぇ!!!??状態の良いものだけでも152個!?しかも欠片は300個以上!?あなたたち、いったい、どれだけの月光蟹を狩ったの!?」

アカギ「把握しきれてないけど、前回のとあわせた1300体くらいは狩ったよな」

白バラ「そうねそれくらいはいってそうね」

ピューレが驚いている?
普通そんなに行かない感じなのか?

ピューレ「あなた達相当場数を踏んでいるのね」

桜子「浜辺の洞窟に大量発生してて、まとめて雷で動けなくして地味ーに一体ずつ潰していったんです」

ピューレ「凄いわね、月光蟹が堅いのは有名なのよ、でもいいわ、これだけあれば、良いものができそうよ。プロテクター辺りが欲しいのかしら?」

白バラ「私は腕周りの装備が欲しいわ」
アカギ「俺も盾を持たない分腕をガードしたいな」

ピューレ「防具類ね」

赤い月「俺、ハンマーがだいぶ傷んでて、どうにかならないかな?」
ソルト「あ!そらならおれの斧も!月光蟹が堅すぎて刃こぼれおこしてんだー」

ピューレ「ハンマーと斧なら新しいく堅甲羅で作れるわ。後は残りの素材で、あなた達に使えそうな物を作っておくわ、明日の朝店によって。お金もその時でいいわ」

桜子「よろしくお願いします」






ー屋敷ー

クラウド「おかえりなさいませ。昼食の準備は如何いたしますか?」

上城「お願いします。」

クラウド「では、30分後に食堂へお越しください。その間にご入浴をどうぞ」



各々、入浴を済ませ食堂に集まって昼食をとりながら、明日の予定を話し合った。


桜子「明日も浜辺の洞窟でいいかしら?」

みんな賛成している。

上城「明日こそ俺も目指せ月光蟹を100体!」

クラウド「お話中恐れ入りす。今夜からまた雨が振りますので明日は早めに切り上げた方がよろしいかと、、、」

桜子「そうなの?でも、鍛冶屋に頼んである物を取りに行って、赤い月とソルトは直ぐに試したいでしょ?」

赤い月「そうだな、新しい武器を少し試したいな」
ソルト「俺はピューレちゃんに会えればなんでもいいよー♡」

カナナン「あんたは本当に女性に目がないのね。。。」

食事の時間は笑いが絶えないから好きだ。
戦闘中は常に緊張していて、気が抜けなくて毎回ものすごく疲れて夜はぐっすり眠れる。

仕事してた時は、最近は会社と家の往復がちょっとだけ苦しく感じていた。
自分の部署内で次々と部下が辞めていくのは、さすがにいい気分では無くて、
これ以上被害を増やしたくなくて、部下達に辞めてもらいたくなくて、毎日必死だった。
ロミーさんが、パワハラの対象だとわかった時、どうしても助けたいと思った。
だからこの世界に来たあの日、眠るロミーさんを見て、何があってもロミーさんを守ると決めた。

向こうでは何もできなかった分、この世界では絶対に俺が彼女を。。。


なんて思ってたのに、すぐに現実は甘くないと知った。
守るとか思った俺は、ロミーさんに守られてる現実に心がまだ追いついて居ない。
正直、挫折を味わったのは初めてだ。
強くなりたくて今は必死。
最近、ジャックと仲良いみたいだし、正直、ジャックが少し羨ましい。
ロミーさんと話も合うみたいだし、、、





ナターシャが午後からは仕事で、宿屋に戻るというので、俺は途中までナターシャを送っていくことにした。

ナターシャ「輝、ここでいいですよ?」

上城「いや、ついでに街を散歩しようと思ってね」

ナターシャ「輝、ちゃんと寝てます???」

え?

ナターシャ「目の下のクマ、疲れてる証拠ですよ」

ちゃんと寝てるんだけどなぁ???確かに疲れはあまり取れてない気はするけど、、、

上城「それよりさ、ナターシャ、君にお願いがあるんだ」



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