Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

34 シルバーズ伯爵の別邸はデカすぎます




開いた口が塞がらないよ、目が点だよ・・・
今から行く、リオンの用意してくれたお屋敷は、普段使っていないとは言ってもかなり大きいみたい。
お城みたいな部屋数の豪邸に本当に住んでいいのかな・・・

「見えてきました。あちらに見えるのがシルバーズ伯爵の所有する屋敷のお一つ。本日よりここがロミー様の御屋敷でございます」

ん???どこ???

門を潜って馬車は走り続けているのに家が見えませんけどぉぉぉぉおおお????

「屋敷はどこに?」
「あの林を抜けた奥に見えてまいります」

林を抜けるとライトアップされた、それはそれは、立派なお城のような豪邸が見えると、みんなが声を揃え驚いた。

「お、お城?」
「こんなの日本じゃみれないなー」
「こ、これが本当に私の家!?」




敷地に入ってから馬車を5分は走らせて、やっと、到着した。
入り口には立派なライオンのような像があったけど、リオンの趣味だろうか・・・

バニラがめっちゃライオン像見ているなぁ仲間意識???

ガチャンッッッツっと、扉の音が響き渡るほど、立派な屋敷の中に入ると、いつから待っていたのだろうか使用人達が両側に整列してる!!!

「おかえりなさいませっ」

と、声を揃えて出迎えてくれた。

「お初にお目にかかります。わたくし執事長のクラウドと申します。以後お見知り置きを・・・ロミー様とジャック様のお部屋へはわたくしがご案内いたします。こちらへ」
「ありがとうございます」
「3階は2室でございます。ロミー様のお部屋はそちらの特別ルームですので、三階のお部屋には専用テラスもございます。月明りが部屋まで届きますのでご安心ください」
「お後の皆様、二階にお部屋をご用意しております。扉を開けてございますので好きなお部屋をお選びくださいませ。どうぞご案内いたします」

豪華な装飾のエントランスだけでも驚きすぎて言葉にならなくて、私も含めみんな口があいている。

「ナターシャは今日は私の部屋で一緒に寝る?」
「はい!ロミーと一緒がいいです」

みんなと階段をのぼり、部屋に向かい、一度二階で3人と別れ、私とジャックは三階へ向かった。
3階は特別ルームで二部屋しかないと言うだけあって、通路も広い!!

「ん?私達の部屋は何故三階なんですか?」
「はい。主人よりロミー様とジャック様は、最重要人物の為手厚くおもてなしするよう申しつかっておりますので、ご安心ください。」
「はぁそうですか・・・」
「では、こちらでございます。向かって手前がロミー様のお部屋、奥がジャック様のお部屋でございます」
「じゃ私は自分の部屋を見てくるよ」
「はい!また後で」

ガチャガチャ、

「あれ?開かない??」
「シルバーズ様より鍵をお預かりになっていませんか?」

あ、あの鍵ね!
私は鍵を取り出し扉を開けた。



「わぁぁぁぁあ♡すっごぉぉい!!!」

ホテルでもこんな部屋泊まった事ないよ!映画とかでよく見る、貴族のお部屋は、ものすごーーーく広く、フカフカの絨毯で、ベットのサイズは軽く大人3〜4人は寝られるほどの大きさ!!
四隅に柱が付いており天井からレースをあしらったレースがまたお姫様気分!!

家具も庶民には絶対手の出ないような、お高そうな物ばかり。
全体的に白を基調とした家具はどれも埃一つなく掃除が行き届いており、キラキラしている。

「わぁー落ち着かないかも・・・寝れるかなぁ」
「私が一緒ですよ!」
「うん!一緒に寝よーねぇ」


私が部屋の隅々まで探索していると、ナターシャがベッドに乗りたそうでうずうずしているのに気がついた

「乗っていいよ」
「本当ですか!?(ギラギラ)」

バフっとベッドに飛び乗ると気持ちよさそうに大きなクッションに顔を埋めている。

「こんなフカフカのベットはじめてですぅぅう・・・スーー」

え?寝た?早っ!!
でも今日はいっぱい色んなことがあって疲れたんだろうなぁ。
うんうん、寝かせておいてあげよう。


コンコン、と、誰かがノックする音が聞こえ、扉を開けると、外にはジャックとクラウドさんがいた。

「ロミー様にもう一つお伝えしておくことがありました。三階のはシルバーズ様のご意向で、外からは鍵がないと開けられません。ですのでくれぐれも鍵を無くさないようお気をつけください。わたくし執事のクラウドとメイド長のメアリアが三階のお部屋を担当いたしますのでスペアを持っております。他の使用人は三階への立ち入りは基本的に許されておりません。もし、ご指名などございましたら、専属の使用人としてお側にお付け致しますのでなんなりとお申し付け下さい。」
「あ、はい」
「ロミー様とジャック様の身の回りの事は、わたくしクラウドがお世話させて頂きます。」


部屋でのちょっとした食事をしたい時も24時間シェフがいるから作ってくれるようで、高待遇だわぁ・・・
本当にこんなに凄いお屋敷に住んで良いのかなぁ。
なんだか申し訳ない・・・

「それではわたくしは失礼いたします。いつでもお呼びください」

そう言うと執事長のクラウドさんは部屋を後にした。

「どうする?二階のみんなの部屋も見てみるかい?」
「見たい見たい!」

寝ているナターシャを残しジャックと二階に降りると、長ーい通路の向こうの方にアカギとネコッチと上城さんが見えた。


「どーしたの?」
「どの部屋も凄すぎて選べなくて・・・」

どの部屋も家具や絨毯、カーテンなど色が違う。
二階も全然高級家具揃いだ!
全部一人部屋らしいけど、ベッドの大きさも一人では余るくらいの大きさだし、どれもこれも選べない!!!
部屋の広さも全然凄い!
私が暮らしていたワンルームのアパートよりもぜーんぜん広いし、実家よりも!!!
三階がスイートルームとするなら、ジュニアスイートかエグゼクティブルームくらいのランクかな???
まぁ旅行に行ってホテルに泊まるとき、部屋のランクなんていつも一番下だったから、実物見たことないんだけどね。

「わ、私このお部屋にしようかな」
「俺はこのワインレッドの絨毯の部屋にする」
「じゃー俺は・・・この部屋」
「何かあったらいつでも呼べ。隣の部屋だから。」
「う、うんありがとう」

アカギとネコッチは部屋に入って行った。

「ロミーさん達はどうするの?」
「ベットに入れば直ぐに寝れるだろうけど、テラスで月光浴しながら何か飲み物でも飲もうかなぁ」
「それ、僕もついていってもいい?」
「では私もご一緒してもいいかな?」
「うんうん、ウェルカムですよー」


さっそく、三階の私の部屋からテラスにでると、広いスペースの中央にデッキチェアとローテーブル、ベンチがあった。

「二階の部屋も驚いたけど、三階はもっと凄いねぇ」
「おや?私の部屋からテラス繋がってるね」
「おぉ本当だー」
「ナターシャ気持ちよさそうに寝てたね。寝顔のぞいちゃって申し訳なかったな。帰りはジャックの部屋から外にでていいです?」
「あぁ、そうするといい」
「ここ、海見えるんだぁいいなぁなんとなーく潮風を感じるぅ」
「気持ちいいねぇ。星も綺麗だし」






月光浴に付き合ってもらい、私はウトウトしていると、ジャックが毛布を私にかけてくれた。

「まだ部屋で寝るには足りないだろう?」
「むにゃ、はい、もう少しここに居ますー」
「・・・」

私も眠いけど上城さんも疲れてるもんなぁ眠そう。

これから、どうなるのかなぁ・・・
こんな豪邸まで貰っちゃって本当にいいのかなぁー?

それにケンタウロスもちゃんと倒しておきたいし、そう言えば、王都に行く話もどうなってるのかな・・・

「輝、輝、寝ちゃったね、ちょっと私の部屋に寝かせてくるよ」

そういうとヒョイっと上城さんを抱きかかえ自分の部屋に入っていった。
写真とれば良かったぁぁあ!!
スマートなジャックが上城さんを軽く持ち上がるなんて!!!
し か も、お姫様抱っこ!!!萌える!!!

一人キャッキャしていると、バニラがやって来てお腹の上に乗った

「ごふっ。」

いつも、急に飛び乗ってくるからびっくりするんだよね・・・
よすよす、頭をなでてあげると無言のままバニラは目を閉じた。

明日もきっとバタバタするんだろうなぁー。




月明かりとほんの少し冷たい空気が気持ちいい。
スーッと落ちるように意識が持っていかれそうになる。


寝る直前ってなんだか意識がフワフワしている。


"ロミー、もしも私が死んだら私の代わりに、あの女を殺してよ・・・"




いつかどこかで誰かに言われたようなセリフ・・・思い出せない記憶なのか、夢なのか・・・
私は大切な何かを忘れてしまっている気がした。








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