Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

33 プレゼントを渡そう



「ただいまー。そうそう上城君、モタモタしてるとジャックに全部持っていかれるから。覚悟しておきなさい」
「な、なんの事だよ」
「そろそろプレゼント渡そうかしら」
「いや、ロミーさんとはそんなんじゃ無いから」

ピロン♪

「ロミちゃん達にもメッセージを送信したわ」
「三日月、話聞けよ・・・」



「やっとこっちにこれたわ!あれ、ロミーとジャックは?」
「すぐに来るわ、ナターシャちょっと合図するまで目を閉じててくれない???」
「なんです???」
「いいからいいから!」


ナターシャの目を閉じさせ、みんなカウンターにプレゼントを並べて置いた。

「あ、ロミーちゃん!ちょうどよかった!プレゼント並べたからロミーちゃんもケーキの準備急いで!!!」

ちょうど裏口から宿屋に入るとみんながカウンターに集まっていた。
他の招待客たちはなにが始まるのかと、ザワザワしている。

私の作ったケーキとプレゼントを並べて、準備が出来たとみんなに合図を送る。

ナターシャをカウンターの前まで連れてきて、私達が今か今かとウズウズしたいた。

「せーのっ、ナターシャ!!おめでとぉぉぉお!!!」

みんなの掛け声に驚きナターシャが目を開けると、カウンターに並んだ沢山のプレゼントと私の作ったケーキに釘付けになっている!!!

「こ、これわ!?」
「ぜーんぶナターシャへのプレゼントだよ!」

みんなが一つずつプレゼントの説明をしていく。



「これが私からのプレゼントよぉ!ナターシャに似合う洋服をいくつか作ったの!」
「手作りですか!?ありがとうございます!!」
「最後は私だねぇ、このケーキ」
「まさかこれもロミーの手作りですか!?」
「うん ️(と言っても魔法で作ったけど)」

感激しているナターシャの目にはすでに涙がいっぱいだった。
最後の私のプレゼントまで耐えていたけど、我慢できなくなって涙を流しながら喜びのハグをした。

「ナターシャの大好きな特産品のフルーツを贅沢に使ったタルト」
「この、宝石みたいなキラキラしたのもケーキ何ですか!?」
「そうだよぉ!食べるのがもったいないくらいでしょー?これ、全部食べられるんだよー。フルーツで色をつけたカラフルなゼリーをさらに透明なゼリーで包んだんだよー」

ナターシャの瞳が最高にキラキラと輝いている!!!
大成功だ!!

「それと、もう一つ私からのプレゼント。ナターシャによく似合うと思って、髪飾りだよ」
「ロミィぃぃ、みなさん、ありがとぉぉぉお!!一生大切にしますぅぅうう!!!」

ナターシャが喜んでくれたらそれだけで、準備した甲斐があった!
キース夫妻もとっても喜んでくれている。

私のケーキもとても評判で即無くなってしまった。


「みんな本当にナターシャの為にありがとう」
「こんなにもステキなプレゼントをいただけるなんて、ナターシャは幸せ者よ」

キースさんとマリアさんがナターシャを見つめ泣いて喜んでいる。

「キース、マリア!ありがとう!!!」
「ナターシャが初めて名前を呼んでくれたぁ・・・くうぅぅ」

枷が無くなり親子となった3人は泣きながら抱きあうそんな姿がまた微笑ましくって、ついもらい泣きをしてしまう。


ナターシャも本当に嬉しそうだなぁ
とても弾けてる!

「ロミー、本当にあなたのおかげで、ナターシャは変わりました。とても素直でいい子です、これからもどうかナターシャをよろしくお願いね」

なんかナターシャが嫁ぐみたいだなぁ





この後二時間くらいお礼を言われ続けた。









司祭様が私のケーキを食べて幸せそうな顔をしているのが見えた。
ヨッシャ!

喜んでもらえると作りがいがある!

ってかその隣でリオンが私にウィンクを何度もしてて、きっも・・・
うわ、今度は星が飛んできた・・・

私はその星を取り床に叩きつけ踏みつけた。

ダン!ダン!ダン!
このこのこの!!!

「くすっ、ロミー、落ち着いて」

はっ!ジャックに笑われた!みられてるの忘れてた!

「いいなぁロミーにばかりウィンクしてるよーエミリオン様」
「羨ましいぃ床に叩き捨てるなんて勿体ない!」
「いやいや、カナナンさんも白バラさんも、あんなチャラクソ野郎のどこがいいんですか!!」
「"チャラクソ野郎"・・・ロミーってそう言うキャラなのね。正直なのはいい事よ!」
「ロミちゃんは、あのチャラ男伯爵の被害者よ!エミリオン・シルザーズは乙女の大敵よ!」
「お、乙女の敵!それは許せませんね!ロミーさん、困った事があればいつでも私達に相談してくださいね!」



「(何故だろう、ロミーの他にも私を睨んでいるような・・・?)」




司祭様が移動して、リオンの周りに女性達が集まりだした。
リオンは女性達に向けても投げキッスをしている。
ハートが飛んでるのが見えた。
私の方にも投げキッスを飛ばしてきたので、私はまたそのハートを片っ端からキャッチし炎魔法で焼き尽くしてやった。

さすがのリオンもちょっと苦笑いしている。


バニラとわんわんは人型になり、ひたすら、食べている。
食い意地張ってる感じが可愛い♡

キースさんのお抱えの一座が演奏を始めた。
踊り子の衣装に着替えて来たナターシャとエマが登場して、リズムに合わせて踊り出しみんなで手拍子をしながら盛り上がった。
ナターシャが桜子さんの手を引き踊りに誘いにきて、くるくるとその場を回った姿はまるで天使!ふわふわとスカートがかわいい!

音楽と踊りに、お酒と料理を心から楽しんだ。









ー?????ー


「おい、聞いたか?今年の忘年会朽田係長の一声で無しになったらしいぞ」
「あぁらしいな。自分が親睦深めれないからって俺たちまで巻き込むなって感じだよな」

男性社員たちが話している声が聞こえた。

「でも"・・・さん"も良くやるわよねぇ」

"・・・さん"?名前の部分だけ聞こえない???思い出せない???

「なんで、係長なんかと仲良くしてるのかしら」
「でも最近、"・・・さん"係長に嫌われたんじゃないかって、噂聞いちゃったんだけどー」
「うっそー!!やだー谷口君の次は"・・・さん"がターゲットになるんじゃなーい???」
「先月辞めた、谷口くんって係長の餌食になったって本当なのかなぁ???」
「私も係長がお持ち帰りしたって聞いたよー?」
「やだー!キモいー。」
「若い子に手出してんのぉ?自分の年齢考えろっ、つーの」
「酔った谷口くんをお持ち帰りしてるのを、受付の子が見たらしいよー」
「やだーーーきゃははは」



あくまでも噂の範疇。
谷口くんが本当に係長とどうこうなったかはわからないけど、
"・・・さん"
名前が思い出せない・・・


「ロミー、仕事辞めようと思うんだ」

「"・・・"あの噂本当なの?係長にパワハラ受けてるって」

「私もうダメかもストレスの限界なんだよね」

「上城部長に相談してみたら!?」

「ここよりも"楽しい世界"を見つけたの。こことは"異なる世界"だよ。私そこに第二の人生を謳歌しようと思ってるんだ」

???何を言っているの???

「だからねぇロミー、私の事は忘れて?でも頭の片隅には私がいたって覚えていてね?」

????????何を言っているの???

"・・・"!!!

名前が、名前が思い出せない!!!







「・・・!!ロミー!!ロミー!!こんなところで寝たら風邪ひきますよー」
「むにゃ、」

今夢を見たような・・・

「ふぁぁぁぁぁあ」

時間を見ると22時過ぎだった

司祭様や街の人たちは殆ど帰ったみたいだけど、キースキャラバンのみんなが宴会中だった。

 
「どうする?シルバーズさんが提供した家に行ってみるかい?」
「一度、場所だけ見に行こうかな。」
「ロミーちゃん、後で場所だけ教えてー!今日はここに泊まるから!まだまだ飲み足りないしー白バラー!これ、美味しいよー!」

桜子さん達はみんなココにもう一泊していくらしい。
うーん桜子さん、お酒が無ければ天使なのになぁ。


話をしていると、リオンの部下がどこからか突然現れた。

「シルバーズ様からロミー様をご案内するように申しつかっております。フィンと申します。いつでも声をおかけください」

「アカギとネコッチが行くって」
「ジャック、僕も行きます」
「じゃー、私とジャックと上城さんとアカギとネコッチの5人ですね」
「ロミー行っちゃうんですかー???」

帰ろうとしている私達を見て寂しそうな声でナターシャが言った。

「うん、お家をリオンに提供してもらったから、これからはそこに住むことになりそうだよ」
「やだやだずっとここにいてください!!」

泣きそうだなナターシャ。
でも可愛い♡

「ありがとう、でもナターシャいつでも遊びに来てね」
「ならなら、わ、私、私(もじもじ)」

足枷を外した瞬間から子供のようにはしゃいで、たくさんわがままを言うナターシャ。
我慢してたもんね。

「今夜はナターシャの為のパーティーだよ?最後までいた方がいいんじゃない??」

泣きそうになりながら、精一杯の抵抗をするナターシャ。

「行かないでくださいぃぃい!」
「ロミー、今夜はナターシャを連れて行ってやってくれないか?明日の朝、ちゃんと帰ってくるんだぞ?」
「キース!!」
「キースさんがそう言うなら大丈夫だよ。うちに泊まりにおいで」
「やったー!!!キース大好き!!」

ナターシャがキースさんに抱きついて喜んだ。
そんなキースさんは照れながら見送ってくれた。


宿の外にでると、フィンが待っていて私達は、馬車に乗り込みフィンの案内でリオンの用意してくれたお屋敷に向かった。



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