Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

31 お風呂は修学旅行みたいです



宿屋への帰り道
バニラがまたジャックの肩に飛び乗って、話をしている。話が合うのかな??
でも仲良くしてくれるなら私も嬉しい。

上城さんを見ると、まだちょっと気まずそうにしているけど、まぁ私もなんか気まずいんだけど・・・

そもそも、上城さんと手を繋いだり、覚えてないけどバニラに熱い口づけをされたり、ジャックさんにお姫様抱っこされたり・・・思い出すだけでも恥ずかしい!!
現実世界では、こんなこと絶対なかったろうに・・・
そう思うと、こっちに来てまだ5日目なんだけど、なかなか濃い体験をしてるな。




ー宿屋ー

宿屋に到着するとテーブルの上には沢山の豪華な料理が並んでいて、マリアさんに出迎えられた。

「おかえり、夕飯までもう少し時間あるからお風呂でも行っておいで」

お風呂かぁいいかも。

ちょうど、二階から桜子さん達が降りてきてお風呂に行くようだ。

「ロミーさんも行くでしょ?」
「はい。お風呂に行ってきます」
「また後で」





ー女性風呂、脱衣所ー

「女子だけが全員揃うのって初めてじゃない??」
「本当だーいつもなんやかんやお風呂の時間もバラバラだったし、どこにいても誰かしら男共が混ざってたもんてねぇ」

服を脱ぎながら、ペチャクチャおしゃべり。
5人揃っての入浴は初めてだっけ。
まぁこんな時間に入ることも初めてだしね。

中に入り、みんな桶を持ち頭と体を洗う。

「異世界にはシャワーは無いのだろうか?」
「本当それー、魔法でシャワーっぽいのできないかなぁ」
「あー、シャワーなら魔法で出来ると思うよ」


一斉にみんなに見られ、ちょっと驚きつつ、私は魔法を使う事にした。

「要は水圧と温度を加減すれば良いだけだから、"jet Water"と"hot Water"を組み合わせて・・・ブツブツ」

「きゃっ!」
「ネコッチごめん!熱かった!?」
「あ、いえ驚いただけです!ちょうどいいお湯加減です!!」

成功したみたい。
お手製シャワーの完成です。

「ロミちゃん!こっち側には少し水圧強めのやつやって!」
「かしこまりましたぁーそれっ!」
「わー!最高!シャワー一でこんなにも幸せになれるなんてぇ♡」
「次私私!うぅ〜んサイコー!!」

みんなに喜んでもらえて何より!

なんかこんなに楽しくお風呂にワイワイ入るのって、修学旅行以来かなぁ???






ー男性風呂ー

「何やら女子風呂からキャピキャピした声が聞こえてきますなぁ。ぶくぶくぶく・・・」
「ソルト、変な想像すんなよ。でも楽しそうだなあっち」
「ふぅー少し熱めのお湯がしみるねぇ(にへらぁ)」



「ネコッチ胸大きいよね」
「キャ!触らないでくださいー」
「柔かーい!!キャハハ」


「俺耐えられないっす!」
「お主もまだまだ子供よのぉクックック」
「こんな会話聞いてみんな想像しないわけないよね!?」
「・・・」
「・・・」
「おじさん、若返ったみたいだよぉ」
「・・・(赤面)」
「輝!顔赤い!」
「えぇ!?違う!違うよ!お風呂が熱いから!」
「むっつりだな」
「だな。ロミーに手を出す程だからな」
「はぁ!?俺がいつロミーさんに手を出したんだよ!」
「たしかにロミーさんの手を繋いだり寝ているロミーさんのベットに潜り込んだり・・・」
「ちょ、手は繋ぎましたけど、ベットにまでは!!」
「輝!寝ている女子のベットに潜るとは!!!何て、ハレンチな!!!」
「手を繋ぐことは認めたか・・・ベッドに潜り込むなんて、やっぱりむっつりだな」
「むっつりだな」
「むっつりだ!」
「ちょ、ジャックさん!訂正してくださいよ!!」
「おじさん、学生時代を思い出すなぁ(ニコニコ)」









着替え終わり外に出ると、外のベンチに男性達が腰掛けていた。
ソルトが何となくネコッチの方を見ている気がした。
胸を意識しているような・・・


宿屋のキッチンの方から、お腹が空くいい香りが漂ってきていた。

「良いにおいー!」
「お腹空いてきたなぁ」
「今日はいつもに増して豪華な夕食が期待できるからね」

みんな夕飯に期待を膨らませている。
私は頭をタオルでわしゃわしゃしながら、みんなを眺めていると、ジャックさんが近づいて来た。

「ロミーさん、隣いい?」
「どぞ」
「タオル、ちょっと借りてもいいかな?」
「?」

タオルを取ると、私の髪をタオルで丁寧に拭いてくれた。

「毛先がちょっと傷んでるね、でも髪質は悪くないね」
「なんか美容師さんにやってもらってる気分」
「あれ?言ってなかったかな?美容師だよ」
「え?そうなんですか?どうりで、ジャックさんが私にいつも触れる時って優しくって繊細だなぁって思ってました。美容師さんかぁ納得です」
「!!?。。。(赤面)」

「あ!ジャックがロミを口説いてる!!」
「輝はむっつりだけど、ジャックは大胆だよな」
「ちょ、むっつりじゃない!」
「ジャックは美容師さんなんだよー!私の髪みてもらってたの!!!」
「17:50ね、そろそろ行かない?」
「そうだな。行こうか」


ジャックはみんなに表情が見えないように背を向け口を押さえ、赤面していた。

「みんな行ったわよ。あーあ、真っ赤じゃない!ジャックってわかりやすい人なのねぇ。うふふ。ロミーちゃんは鈍感だから苦労するわよー」

「・・・」









ー18:00宿屋一階レストランー

「おぉ、ヨダレがでるな」
「おおおぉぉぉ」

みんな感動している!そして私も豪華過ぎて感動している!!
量も物凄い!!!
私達は、いつも窓側のテーブルに座っている。

こちらの世界の言葉でかかれたプレートがいくつかの席に置かれている
エマが手伝いをしていたので聞いてみると、『Reserved seats』とか『Invitation seat』と書かれているみたいで、何人かもう座っている。
招待された人達がこれからぞくぞくとやって来るようだ。

ガランガラン、
扉が開きハンター協会の支部長と受付の二人がやってきた。
支部長は彩豊かな花束を持っていた。


「おぉ、ヘレナ達よく来てくれたな」
「本日は招待感謝する。これはささやかなプレゼントだ」
「まぁステキな花束をありがとうございます。どうぞ、こちらのお席へ」

支部長と受付の二人と目が合い軽く会釈で挨拶をした。
次に到着したのは、司祭様と、エミリオン・シルバーズさんだ。
同じように贈り物を渡し、席に案内されている。

「まさか、本当にシルバーズ伯爵に来ていただけるとわ思ってもみませんでした。ナターシャがシルバーズ様も是非と言ったときは本当に驚きました。」
「いや、何、私はフィオナ司祭の護衛として出席したまで、そう、気を揉まずともよい。招待は感謝する」
「司祭様もありがとうございます」
「いえ、お招き感謝いたします」
「こんな場所にお二人を招待するのは心苦しいですが、精一杯のおもてなしをさせてください」
「あぁ、気にするな。私は適当に楽しませてもらうよ」





「エミリオン伯爵ってそうとう偉いのねぇ」
「この街を治めているお方っすからね」
「あ」
「どうしたの?ロミーさん?」

エミリオン・シルバーズ!!!!!!!
昼間司祭様と逢引していた人!!!

あー納得。あの声。そうだそうだ。聞き覚えのあるセクシーな声だ。
でもまぁ社長と秘書が不倫している感じかなー笑

でも、鉱山であった時と喋り方も立ち振る舞いも全てがちがーう!
やっぱ偉い人なんだなぁ。その場その場で使い分けてる感じ???
あの後司祭様とどうしたんだろう・・・

昼間のエミリオン・シルバーズと司祭様の熱い口付けしたいたトコを思い出して、私は耳まで真っ赤になってしまった。

カウンターの奥から、素敵なドレスを着たナターシャが姿を現した。
みんながざわざわしている!!

すごく綺麗!!!

「今日は私達家族の事で集まっていただき感謝いたします」

「うちにナターシャがきて9年の月日が経ちました。とてもとても、長く苦しくもあり、とてもとても幸せな9年ももありました。そして、今日ようやく私達夫婦の子供としてナターシャを迎える事ができました。そして、ナターシャの奴隷の足枷を外す事ができた事を報告いたします。」

「これがその足枷です」

コトン、とカウンターに置かれた奴隷の足枷をみんなが、見ている。
本当に外せたのか半信半疑の人もいるみたいで、会場はざわざわしていた。

奴隷の足枷を外すのは事実上、不可能と司祭様が教えてくれた。
外し方については沢山の噂があって、どれも怪しい物ばかりなんだとか。

外し方をみんな知りたがって、身を乗り出しキース夫妻やナターシャに迫っている
外し方がわかれば、金儲けの為にみんな利用したくてウズウズしているからだ。
中には純粋な人もいるかもしれないけど、それは少なくだろうね。

私が外したって事言われるとこっちにみんなが迫ってきそうで怖いなぁ。


キース夫妻に迫る街の人達で、カウンターが見えない。
ちょっと収集がつかなくなりだした時
司祭様が立ち上がると隣にいたエミリオン・シルバーズや他の人達も立ち上がった。
レディーファースト的なやつ???
それか単に司祭様が偉いからかな??



「皆さま、キース夫妻はこの9年間毎日、雨の日も嵐の日も、かかさず、神殿に足を運び祈りを捧げてまえりました。その強い思いが、神に届けられたのでわないでしょうか」
「うん、私もそう思うよ。神への祈りがキース夫妻とナターシャを本当の親子になる事をお許しになられたのだよきっと。」

キース夫妻の元に群がっていた街の人達が、司祭様とエミリオン・シルバーズの言葉に納得して、席に戻っていく。
さすが、司祭様とエミリオン・シルバーズ!!!

キース夫妻とナターシャが司祭様とエミリオン・シルバーズの方にお辞儀をしている。

それでも納得できずに何人かは、帰っていった。

「信じられないかもしれないが、司祭様の仰る通りだ!」
「門出をいっしょに祝ってもらえますか?」

会場から拍手がおこった。

「次はシルバーズ様よりお言葉を・・・」
「あぁ、ナターシャありがとう。本当に君が普通の女の子に戻れて良かったよ。とても長かったね。でもこれから君には素敵な事が沢山待っているだろう。おめでとう」

キース夫妻が泣いている。

「ありがとうございます。」

「それと、今日この宴にはもう一つ意味がある。それは、あちらにいる冒険者達に私の命を救って貰った事だ。あのダンジョンの第5層まで行き、無事に帰還できたのは彼らのおかげだ。しかもポータルまで解放するとは、素晴らしい。改めて、お礼を言わせてもらいたい。ありがとう・・・」

私達への拍手喝采。

「あの者達がシルバーズ様をお救いになった者達か!」
「第5層まで行き帰還するとはかなりの実力を持っているようだ」
「中にはカッパーもいたと言うのに、帰還するなんて信じられない」


私達はお辞儀をするので精一杯だ。

「では、みんなじゃんじゃん食べてくれ!」
「今夜は朝までお祝いよ!!」

みんなグラスを持ち乾杯して宴は始まった。







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