Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

27 宴会しましょう




「しかしお腹すいたぁ」
「町に戻って来たが、まだみんな神殿だ。どうする?」
「わ、私はお腹空いてません(グゥーーーーー)」

空いてないと言った直後にナターシのお腹の虫が元気よくなりナターシャの顔が真っ赤になっている。そんなナターシャも可愛い。

「わかった。ご飯食べに行こう。ってか、バニラまで人の姿にならなくてもいいじゃん。」
「あ?いいだろ!この犬が人の姿してるのに、俺だけ猫のままなのもしゃくにさわんだよ!」
「そうなの?とりあえず、バニラとわんわんの服買いに行こうか。二人ともちーっとばかしボロボロだし。んで、宿に帰ったら二人ともお風呂ね。」
「は!誰が風呂なんか!」
「(前のご主人様にはよく体洗ってもらったな・・・天使様は洗ってくれるかな)」

わんわんの心の声が私にはダダ漏れだった。

市場に行き、ナターシャの大好きなジュースを買ってあげて、相変わらずキラキラの瞳で私を見るナターシャに癒されながら、お買い物をしていると、授与式が終わってみんなが出てくるのが見えて、神殿の方に向かった。

「みーんなー」

みんなに手を振ると桜子さんが私に気づいて駆け寄って来てくれた。

「あ!ロミちゃーん!あれ?その人誰ー?」

わんわんは桜子さんを見つけた瞬間に走り寄っていき、桜子さんを抱きしめた!!!

「ヒューー♪」
「何々!?」

知らない男性に突然ハグされる桜子さんを見てみんなも驚いていた。

「え、え、え!?」
「天使様!会いたかった!」


そんな二人を見て私はニヤニヤが止まらない。

「何!?イケメンが私を抱きしめてるんですけど!?何!?ロミちゃん!!!説明して!!」
「でへへぇ、その子は昨日助けた狼みたいなモンスターだよ。桜子さんにお礼を言いたかったんだって」
「うっそ!本当に!?良かった!!元気になったのね!!」
「これからはずっとお前の側にいるから!いいよな!?」
「やだ何これ!イケメンにこんな事言われたら嬉しいんですけど!!!」



「さぁ、ハンター協会で今回の報告をしにきてくれ、その後は隣の赤い屋根のレストランを貸し切りにしてある!好きなだけ食べるといい!!」
「酒飲むぞ!」
「飲むわよー!」
「女の子はいないのかな」
「またそれ?」

支部長が最後に出てきて、みんなに声をかけると、みんな
私達はハンター協会へ向かって歩き出した。
桜子さんの隣にはぴったりわんわんがくっついて歩いている。
桜子さんも嬉しそうだ。

バニラがその姿を見てジリジリと私との距離を詰めて来ているのがわかった。
と言うかわかりやすい。
大胆なわんわんにヤキモチ???

「ロミー特産オレンジのジュース、本当に作るんですか?」
「うん、さっき沢山オレンジ買ったからいつでも作れると思うよ」

ナターシャの目がまたキラキラしている。

「おい、俺には?」
「もちろんいいよーバニラの分もナターシャの分もいくらでも作ってあげるー♡」
「私にも作ってもらえると嬉しいんだけど」
「ジャックには無いです!」

楽しそうに話し込む私達をみてジャックが会話に入って来たけど、ナターシャはすかさず、私との距離を詰めてジャックから遠ざけようとした。

「おい、俺が一番に作ってもらうからな」
「え!わたしが先!」
「じゃー私はその後でもいいからよろしく頼むよ」

スッと2人の間に入って私の肩に手を回すジャックを見てバニラとナターシャが起こり出した。

なんなんこれ?

「ちょっと、ジャックはあっちに行ってください!」
「ははは」

すぐにジャックさんは笑いながらみんなのいる方へ立ち去った。
うん、あの人わざとやってるな。
わざとナターシャやバニラにちょっかい出してるな。うん面白い人だ。
右側に美少女ナターシャ。左側に美少年バニラ。
チキショーなんなんだこのカオスは。
幸せすぎて鼻血でるわ!!!






ハンター協会に到着してまず最初に受付の2人におかえりなさい!と声をかけらた。
すぐに無事に帰還したことを報告した。

そして、報告時は専用の水晶に手をかざす。
印刷機のようなシステムになっていて、用紙にどんなモンスターを倒したのか情報が魔法により記されて、それに応じて報酬を受け取るのだ。
これらは全て魔法なのが不思議。
順番に報酬を受け取り、終わった者からお店に向かって行った。
手配書の巨大スライムを倒したので、プラス報酬と最初の約束通り、登録料が返金された。

巨大スライムはかなり昔から住み着いていたようで、いくつかに分裂する厄介なモンスターだったらしい。
懸賞金も20万Gと中々だ!
これをみんなで平等に割った。

そのほかにもみんなドロップアイテムなど、回収しているので今回みんなお財布が潤ったようだった。

ドロップアイテムの中には懸賞金がかけられたアイテムなどもあったようで、その報酬も折角なのでみんなと平等に分け合った。

そして、授与式は私は寝坊?したので、出ていないけど、第5層のポータルを復活させたとして、特別報酬50万Gももらった。
みんなは私達4人がやったからと、4人で分けるように言ってくれたけど、やっぱり、私達は仲間だから、こらも平等に分けることにした。

モンスターから個々でドロップしたお金やアイテムを除いて、1人10万G程の稼ぎだ。


最後に私も水晶に手を置いた。
ケンタウロスは倒せてないので、報酬は出ない。でも、左目と右の角を破壊した事により、部位破壊報酬が出ていた。
でもこれはバニラがやった事なので、バニラにあげる事にた。

「ロミー!私は報酬を受け取る資格ないので受け取れません」
「何言ってんの、ナターシャが居無かったらもっと死者が出ていたかもしれないんだから。そこは胸張っていいんだよ」
「ですがっ、」
「ナターシャお給料だと思って受けとっていいんだよ。働いたんだから当然だろう」

「うんうんそうそう、ジャックの言うとおり、みんな頑張って働いたから平等にお給料が出るわけだよ!受け取って!さぁさぁ!お腹すいたーご飯食べに行こう!(ニコニコ)」
「・・・あ、ありがとうございます!!」


私達がレストランに着くと、テーブルの上にはそれはそれは豪華な料理やフルーツが沢山並んでいた!!!
ブュッフェ形式になっていて好きな分だけお皿にとって食べらる!!
素敵だぁ!!!
みんな食べずに待っていてくれていた。
レストランのカウンターにマリアさんが居るのが見えた。その隣によく似た男性も居た。

マリアさんが、みんなのドリンクの注文をとりに来てくれて、順に答えていくと、ナターシャがとびきり笑顔で楽しそうに私達と話している姿を見てナターシャの変わりっぷりにマリアさんの嬉しそうな表情ををしていた。

「今日はナターシャも私達と同じ一、冒険者として、遠慮しないで飲んで食べようね!何飲む?」
「え?本当にいいんですか?でも・・・」
「遠慮しない!飲め飲めー!」
「じゃ、じゃー、私、特産オレンジ・・・」


以前なら何を言っても絶対に飲まなかったナターシャが遠慮しがちでも、自分から飲むと言う姿にマリアさんは感動したようでちょっと目を潤ませている。
私もナターシャが変わっていくのがすごく嬉しい。


「さぁみんな、遠慮しないでやってくれ。誰が乾杯の挨拶をする者は?」

支部長がが挨拶する者を探し、みんながお互いの顔を見る。

「じゃー、今回は私がいいかな?」

桜子さんが立ち上がり、ドリンクの入った容器を握ると、みんなも容器を手に持った。
何度か深呼吸をしてから桜子さんは話し始めた。

「ふぅー、・・・今回私達はロミーちゃんや、他の冒険者の警告を無視して甘い考えで炭鉱の奥へと進んでしまい、結果仲間の命が失われたわ。・・・もうこの様な失敗を繰り返さない為に、上城君が言った様に絆を深め、強くなりましょう!強くならなきゃ!コ・・・ヨーコさんと獣使いの冒険者に」

「ヨーコさんと獣使いの冒険者に!乾杯!!!」

その瞬間わんわんが桜子さんにギュッと抱きついた。
桜子さんが頭をなでなでしている。

「天使様、ありがとうっ(ぐすん)」

色々とあった事を思い出しながらみんなと楽しく会話で盛り上がった。
時間を忘れお酒を飲み、おしゃべりをしたいると、仕事を終えたキースさん達と
ハンター協会の受付の2人も合流して昼過ぎから夜遅くまで宴は続いた。

「カッパーの冒険者を連れて、しかも5層まで降りて、手配モンスターまで倒した帰還するなんて、前代未聞だバカヤロー!!!お前ら良くやった!!」
「支部長!飲み過ぎです!」

支部長は酒癖が悪い?それを受付の二人が静止しようとしている。

「なんだなんだぁ!お前らもう飲めねぇのかぁガッハッハ」

キースさんもみんなの席を周り声をかけていた。
わいわいがやがや、
そんな楽しそうな光景をレストランの隅に座って眺めていた。

ナターシャはマリアさん達の料理の手伝い
をしに行っちゃったのか。
本当に働き者だなぁ。
今回のでだいぶ距離は縮めれたかなぁ?

桜子さん達女性陣は昨日のエミリオン・シルバーズ伯爵についての話題で持ちきりだ。
でも他の男の話をする桜子さんにやきもちを焼いているのか、少し複雑そうにわんわんがぴったり横についている。

ジャックもだいぶみんなと打ち解けた様で若干上城さんをディスりつつみんなと楽しくやっている。
ジャックさん本当はSなんじゃないかなぁなんて、あはは。

「どうしたさっきから」
「いやーね、仲間とならこんなに楽しいんだなぁって。」
「ふーん、俺と2人ならどーだぁ?」

バニラが身を乗り出し顔を近づけてくるのを手のひらで阻止しつつ、頭をなでなでした。
なでなでしてる間はバニラは目を細め気持ちよさそうに笑う。
「可愛いやつよのぉ」
「2人で抜け出さないか。月でも眺めに」
「あはは、そうだねそろそろお月様タイムだね」

私はバニラに言われ思い出した。
昨日の夜も月光浴出来なかったから、身体が結構重い。

二人で店の外に出てテラス席に座って月を眺めた。
優しい風に当たりながらアイマスクを外し深呼吸した。


身体の中のモヤモヤした感覚がすーーーっと消えていく。


「口説いてくれて(月光浴の時間を教えてくれて)ありがとうバニラ」

気がつくとバニラは猫の姿をしており目の前のテーブルに座っていた。
私はバニラの頭を優しくなでた。

「バニラぁ無理して人の姿してるから!!疲れてうごけないんでしょー!おいで、私の魔力吸っていいよ」

私がバニラを抱きかかえるとボフッと人の姿にもどり、私に覆いかぶさってきた!!

「ちょっ!重いよバニラ!」

へたぁとしばらく動かないバニラ。
私は仕方ないと諦めそのまま頭を撫でてあげた。

「お前なぁ誰にでも頭なでてんじゃねぇよ」
「なんで?」
「あのおっさんとナターシャだよ!」

あー、たしかに頭なでたなぁ。
やきもち妬いてらっしゃるわねぇこの子!可愛い!!!







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