Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

16 月の神殿と最高司祭様は綺麗でした


司祭様は顔をレースで覆っていて、顔ははっきり見えないけど、とても綺麗な人なんだろうな。
神殿の中はステンドグラスの色とりどりの美しい色が床に反射してとても綺麗だった
あれ?私見えてる?
ネックウォーマーで覆ってても色まではっきりと見える!

「皆様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
「司祭様、付き添いでみんなも神殿に入れてくださりありがとうございます」
「いえ、必要だと感じたのでそうしたまでですのでお気になさらないで下さい。」

神殿の応接室の様な場所に案内されて、私達は席に着くと、神官が飲み物を出してくれた。

「ロミちゃんどうなってるの?」
「ジャックさんが教えてくれて急いで来たけど、いきなり神殿に入っちゃったね」
「それに、チームでもない私まで着いてきてよかったのでしょうか・・・」
「みんな、すみません、私が何にも考えないでツッパしちゃって、」

「お待たせしました。飲み物は行届きましたね。どうぞ、皆様おかけください。本日の最後の接見ですので、時間は気になさらずにごゆっくりお過ごしください。では、ロミー様、失礼いたします・・・」
「は、はい」

最高司祭様が私の顔に当てていたネックウォーマーをスルリと首元に下された。

「ぷはぁ」
「目を開けてみてください」

私が恐る恐る目を開けると、やはり司祭様はとても綺麗な人だと再確認した。私の顔を細く綺麗な両手で優しく包み、何か呪文を唱えはじめた。
魔法陣が私の顔の前に現れた。


「こんな術式見たことがありません・・・この呪いはどこで?」
「祭壇に繋がれたキメラを倒したらなんか、見たことない称号とかいろいろ貰って、えーっとぉ」

司祭「・・・長くなっても構いませんので、最初からお教え願いますか。みなさんが他の世界から来たことはわかっていますので」

え!?

「他の世界から来た事を知っているのなら、元の世界に戻る方法を知っていますか!?」
司祭「申し訳ありません。その方法は私にもわかりかねます・・・」

そう簡単では無かったか・・・私達が、この世界で目を覚ました所から話を始めた。







私達の知っている情報を全て聞いてもらった。ジャックさんの表情は中々固い。

「・・・ここまでとても苦労なされたのですね。」

「あ、いえ・・・」

「つまり、ロミー様が授かった"全てを壊す者"、"スベテヲコワセ"、"暴走する者"、"聞こえる者"、"悪魔の代行者"、"選ばれし者"、"見える者"、これらの効果、総称して『悪魔の祝福』を、これから先、魔神級モンスターを召喚してしまう可能性のあるこの力を封印したい。ということですね」

「やっぱり昼間のアレ、私が呼び寄せてしまったんですかね・・・す、すみませんでした」
「いえ、少なくとも最近魔神の出現情報は増えておりました故、ロミー様の所為とは限りません・・・ただ、こんな呪い、私も初めてです。誰がが意図的にロミー様にこの呪いをつけたのではないでしょうか?」

?なんで?

「初めからキメラを倒すのはロミー様だとわかっていたのではないでしょうか」

「な」
「どうしてっ」
「あの戦いで始めからロミーさんが勝つって誰が!?」
「我々をこの世界に呼んだ人物とかだろうか?」

私個人が呼ばれたってこと!?

「混乱を招いて申し訳ありません、ですが、あくまで"その可能性もある"とお考えになった方がいいのでは?という話しですので、まだ決まったわけでは・・・」

「なんで私が?もう何がどうなってるのかわからないよぉ私は誰かの恨みをかったとか??だからこの世界に連れてこられた?んで呪われた?なんで?だって毎日仕事して寝て、また仕事して、仕事しかしてないのに、誰かに恨まれるような事した覚えないよ?あれ?これはパワハラの延長とか?またあのババアが私に嫌がらせしてるとか?ん?は?あ?なになになになになに?」

みんなが私を取り囲んでるのは、なんで?なに?みんな私のこと厄介なお荷物とか思ってるのかな。だって、私が居なかったら、命狙われることもなかったろうに。しかもこっちの世界に私に巻き込まれる形で飛ばされたとか?

「ロミちゃん?」
「混乱している様ですね、呼びかけに応じない・・・精神が不安定になっている様です」

最高司祭様が立ち上がりを魔法を唱えると私の顔の前に魔法陣が現れ癒しの輝きを放つと、すーーーっと力が抜け、身体がフワッとした。上城さんの腕の中で私の意識が戻った。

「はっ」
「ロミーさん大丈夫!?」
「ロミー様、このまま術式をかけますので、動かないでください」

最高司祭様が杖を三回床に突きつけるとあたりに魔法陣が広がった。
足元以外にもあちこちに無数の魔法陣が現れ、暖かい光と無数の魔法陣はまるで、星の様に見えた。
私達は最高司祭様の魔法に魅了された。こんなにも、美しい魔法は初めて見る!まるで歌っているようにも見えた。

無数に広がっていた魔法陣が、目の前に集結し一つの光となり光はスーッと私の身体の中へ吸い込まれ、気を失った。


「司祭様!ロミーさんは!?」
「大丈夫です。私の持つ総ての知識を使用しました。ロミー様にかけられた呪いを一時的にですが、封印致しました。」
「よかった!ありがとうございます」
「ですが、瞳に組み込まれた複雑な術式は解くことができませんでした。今も昼間は眩しくて目を開けることすらできていないと思います、これは私にはどうする事もできません。力不足で申し訳ありません。日中は目を覆う必要があります。ロミー様のこの瞳は魔力を放出し続けています。何か魔力を吸い上げる方法をいくつか用意しておいた方がいいかと思われます」
「バニ子が魔力を食べてくれるって」
「使い魔ですね。その使い魔にこのアイテムをつけさせてください。主人と離れていても直ぐに呼び出しに応じて召喚されます。そして、常に過剰な魔力を使い魔が吸収してくれます。それと、あなた方3人の分もお渡ししておきます。」

桜子は司祭様から4つのアミュレットを受け取った。

「あなた方がロミー様を支えてあげてください。封印は一時的なものに過ぎません。ロミー様は急激な感情の変化や精神が不安定になる様な事を避けなければなりません、"悪魔の祝福は"そう言った負の感情を餌にします。ロミー様が暴走する危険は常に隣り合わせだと認識してください」

「そんな・・・」

「司祭様、ロミーさんは昼間露店で、魔力を吸収するアイテムを購入してました」
「このアイマスクですね・・・たしかにこのマスクなら日中、魔力を吸い上げる事ができます。私からの加護を付与致します。"月の光が照らす時濁った魔力は浄化"されるでしょう」

アイマスクに最高司祭様直々の加護を授けてくださった。

アミュレットをつけていれば、私の身体から溢れ出る魔力を利用して魔法を使う事ができるため、自らの体力を減らす事なくガンガン魔法を使えて戦闘が有利になるようだ。



月の神殿を出た時には外は暗くなっていた
私はジャックさんの背中に背負われていた

「困ったことがあればいつでも私を訪ねてくださいね」
「ありがとうございました」



「本当に私がいてよかったのでしょうか・・・」
ロミ「ふわぁぁぁぁあ。全然居てくれて大丈夫ですよぉむにゃむにゃ。ってなんで、おんぶ!!!(赤面)」

私は下ろしてもらうと桜子さんにハグされた。

「もうロミちゅわーーーーーん!!!私絶対ロミちゃんから離れないからねぇぇえぇ!!!!」
「なになに嬉しいんだけどぉ結婚してくれるのぉ?」
「いいよ!結婚してあげるぅぅだから絶対無理しないって約束してぇぇぇぇえ」
「僕からもお願いだよ、ロミさん、無理はしないと約束して」

何が何だか。。。

「なんかよくわかんないけど、わかったよ約束するよー。桜子さんくーるーしーいー」

神殿をでると、夜の市場の風景が見に入った。
一つ一つ違う色のテントが灯りに照らされさらに幻想的な雰囲気が広がっていて、昼間ちゃんと見れなかったけど、夜ははっきり見える!!

ロミ「わぁーーーすごく綺麗!!!」

しかも、夜の市場はお腹が空く匂い!!!!

「お宿に戻りましょ!夕飯が待ってるわよー」
「ってか、おんぶされてた理由教えてよー」
「ロミー!」
「あ、ナターシャ」

ナターシャが駆け寄り私に飛びついた!?

「心配しました!ずっと待ってたんですよ!」
「あ、あ、うんごめんね」

ギュュュュュュウ!!!!と10秒くらい強く抱きしめられた。


「さぁみなさん!夕食の準備が出来てますので、宿に戻りましょう!!!」

あ、さっき私の事呼び捨てだった?気を許してくれた証拠かな?



宿屋に到着すると、キースさんとマリアさんが外で待っていた。

「よぉ姉ちゃん達!待ってたぞ。マルスから聞いたぞ!最高司祭様に会ってたんだってなぁさすがだよ」
「さぁさぁ疲れただろう!いっぱい食べなさぁい」

私達は席に着くとナターシャがずっと後ろに立っている。

「ナターシャ!ここ座って!」
「な、私は大丈夫だから、早く食べてください」
「ナターシャ、お前もしっかり食べろよ」
「あ、はい」

キースに言われるとナターシャすぐに着席した

「「いただきまーす」」

マリアさんの料理は昨日キャンプで食べた料理も美味しかったけど、更に美味しくどれもこれも当たり!
異世界って食事に困りそうなイメージがあったけど、これなら全然余裕!
バニラが私の背中に飛び乗った。

「遅かったな・・・お前、"月の加護"を受けたのか。良かったな」
「もぐもぐ、ただいまぁバニラぁ♡」

お留守番してくれていたバニラを目一杯愛でる♡

「ジャックさん、お酒はどうです?」
「ありがとう一杯もらおうかな」
「上城君、私にもぉ」
「お前、ペース早いんだよ!!」
「?あれアキラはロミーの連れ合いかと思ってたけど、他の女性にも手を出すのね」
「ん?私の連れ合い?なんで?」
「あぁそれなら、私もみたよ、ロミーさんと手を繋いでいたから、それでだね(ニコニコ)」

!?

「私が居ながら純粋無垢なロミーちゃんにまで手を出すなんて!このチャラ男」
「ちょ、三日月!誤解されるだろう!ってかもう酔ってるのか!やめろ!」
「ジャックさん、私、上城部長に弄ばれてるんです」
「ちょ、ロミーさんまで!?」
「これは、ちょっと風紀が乱れているね、今のままじゃ上城君のハーレムだからねぇ。私が目を光らせないとな」
「ジャックさんまでぇぇぇえええ!?」

わははは



一頻り食事も終わり片付けた。ジャックさんが私達のテーブルに居ることを気にしているようだ。

「ジャックさん、私達といるの嫌でした?」
「いや、とんでもないよ、むしろ逆でこんなおじさんがいたら嫌じゃないかな?って」
「ロミちゃんは、おじさん好きだから大丈夫ですよ」
「ちょっと!ただのおじさんが好きなんじゃない!"初老の紳士"が好きなの!」
「初老の・・・くすくす」

!!!!!????

私は自分で暴露してしまい恥ずかしくて顔を隠した!桜子さんは酔っているから、爆笑している
ナターシャもクスクス笑っている。上城さんもニコニコしてるし、ジャックさんはちょっと照れてる!?

「ジャックさん、年の事は気にしないでください。僕たちはもう仲間ですし」
「ありがとう」



キースさんがドーーーンと扉を開けて入って来て、みんなの注目を集めた。

「待たせたなぁ!お待ちかねの装備品の販売の時間ダァ。だが、まだ座ったままだ!兄ちゃん達説明を頼む!並べておくよ」



上城さんと桜子さんがこれまでのコトを簡単にみんなに説明を始めた。

「それでは、簡単にわかっているコトを・・・皆さんはココへ来る前、『Fantasy Kingdom -online-』をプレイしていませんでしたか?」

ザワザワし始めた。

「あの村で初めて武器を手にした時、プレイ画面の様な物が視界に現れたと思います」
.
.
.

「そしてキングのプレイデータがそのままこっちの世界に反映されている事は間違い無いと思います」
「ゲーム内で使い慣れている武器を実際に使った方が、最初は戦闘もスムーズになるかと思います。」

桜子さんと上城さんが説明をしている間、冒険者達は真剣に話を聞いているみたい
スマホをチャージできることも教えてる。
みんなスマホを取り出して実践してる。

「ロミーさんって、"Rommie"っていうプレイヤーネームなんでしょう?」
「はい。簡易な名前つけちゃいましたよぉ」
「ギルドって『Andromeda』だったりしない?」
「え!?そうですけど・・・」
「Rommieと言えば有名だったからね」
「あのギルドLv200超えてないと入れなかったからジャックさんLv今いくつですか???」
ジャック「キメラ戦で役に立てなかったから、大きな声じゃ言えないけどLv385だよ」


素晴らしい!あれ、でもそんなにレベル高いのにキメラ戦の時に気がつかなかったんだろう?

「恥ずかしいんだけど、あの騒ぎの時に武器を落としてキメラに壊されてね」
「以上がこれまでの私達がわかっていることになるわ。何か質問とかあればどうぞ」

「町で暮らすにも冒険者として旅に出るつっても結局、モンスターを狩って報酬を手に入れなければ生活費も稼げないよな?」
「ゲーム内ではソロでやってたけど、やっぱりパーティ作ってある程度、協力していかないと今のままじゃ、生活どころじゃない」

「そこで、提案なんですが、ある程度慣れるまで、引き続きみんなで、協力しませんか?」
「どうだ?話はキリがついたか」

気がつくとテーブルに様々な武器、防具などが並べられていた。

「よし次はお待ちかねの装備品販売会だな!」

みんな、最初にとりあえずの武器を手にしているけど、キースさんがそれぞれにあった武器を選んでくれるそうだ。

「代金はすでに貰いすぎな程受け取ってるから気にせず選んでくれ」
「桜!私達に教えてぇ」
「えぇ!いいわよ!」
「輝!いっしょにこいよ!」
「あぁ!」

ナターシャに選ぶように促され私はジャックさんと二人で見に行く事にした。



私はとりあえず、ジャージをなんとかしたい。
ジャージ姿は本当に恥ずかしかったんだから!
上城さんとジャックさんは2人とも会社帰りでスーツだしー
まぁ個人的にはスーツにメガネとか大好きすぎるからずっとこのままでいてくださってもいいんですがねぇ・・・笑



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