Re-start 異世界生活って結構自分に合っている件

ロミにゃん

8 もともと私カンストしてたんです






「おい!そこのガンナーのお前、お前に決まってるだろう!」
「ん??上城君何か言った?」

誰かの声がして、上城さんと桜子さんはキョロキョロしている。
辺りを見渡しても私達3人しかいない。

お腹の上に座る小さくなったキメラが動いているのがわかる。
もしかして?

「猫!?この猫が喋った!?」
「見えないけど、お腹の上に座るの猫なの?そして肉球最高。死ねる」
「そんなことよりガンナーのお前!早くそこのクリスタルを破壊しろ!また誰かに取り憑く前に!」
「え、わ、わかった!」

慌てて上城さんがクリスタルに銃を向け深呼吸をし狙いを定めて撃った。







「こんな攻撃じゃ破壊できないんじゃ?」
「今ので最後の一撃だ」

キメラ猫がそういうとピキピキと、クリスタルにヒビが入った!

カウントダウンは残り3秒のところで止まり激しく鐘の音がなった。


ゴォォォオオオオンッッッツ!!!!


するとみんなの視界に"quest clear"とウインドウが表示される。

「わっ!"quest clear"?って???」
「クエスト?」
「上城君、左下のログ画面に今回の経験値と報酬などがズラーーーっと表示されるから、ちゃんと読んでおいてね」
「わ、わかった」


私は目が痛くて開けられないのでとりあえず、持っていたネックウォーマーを顔に被せてもらって、少し楽になった。

「目を閉じた状態だと、見えないんだね、これ」

上城さんと桜子さんはログの確認に集中していて反応がない。

「おい、お前のその目、暴走してるぞ」
「え?」
「ちょっと待て」

そういうと、キメラ猫はネックウォーマーの上から私の目の当たりに顔を押し当てた。



なんか温かい・・・
さっきまで戦っていたモンスターとは思えない優しい温もりを感じる。
顔が緩む・・・



気づくと、すーーーっと痛みが消え起き上がった、その拍子にキメラ猫はギャッ!っと飛び降りて行った。

「これで、見えるようになったろ?」
「おぉお!!見える!見えるぞ!痛みも引いたし、何となく輪郭っぽい物が見える!」
「大袈裟な奴め」
「あーりーがーとぉぉおお♡」

ぎゅーーーっとキメラ猫を抱きしめ喜んでいると私の腕の中でバタバタと暴れだした!

私は気になってネックウォーマーをズラし目を開けてみた!

「わっ!まぶし!ダメだ開けてられないや」
「当たり前だ!俺がやったのは、お前の暴走した能力を少しばり抑えただけだからな。ありがたく思え!」
「え!?何々?ツンデレ???チョー可愛い♡」
「うっさい!人間のくせに!」
「でもこれつけとけば、目を開けられるし、いいか」



桜子さんが私の肩をポンポンとふれた。

「無事で良かったロミちゃん」
「うん!ありがとう!二人も無事で良かったー」
「ロミーさんも三日月もお疲れ様!でも・・・犠牲者もたくさんでたね」

上城さんの言葉はチクリとささった。




「おい!そいつ!さっきのモンスターなんだろ!殺せよ!」

生き残った冒険者の一人が近づいてきた。

「君は、昨夜、ランプを奪おうとした人だね」
「そんなこと今はどーだっていいだろ!そいつを殺せば、報酬がもらえるだろ!そいつを渡せ!あと、手に入れた報酬を出せ!山分けしろ!」

またか、また奪うの?
何もしてない奴が、私達が命がけで勝ち取った勝利なのに、こんな馬鹿みたいなこと言われて腹立たないわけがない。

イライラする!目がズキズキと疼く!

「悪いけど、私達あんたみたいな輩にはこの子も報酬もあげないわよ」
「平等に分け与えるべきだろ!」
「ごちゃごちゃ小せぇことを並べ立てる、人間だな、おい、ロミーこいつ食っていいか?」

そういうとキメラ猫がみるみる大きくなり、キメラの姿に戻った!

「なっ!ヒャァァァァ」

悲鳴をあげ風のように男は逃げていった。

ナイス!ざまぁ!!

「本気で食べる感じだった?」
「俺は人間は食わん」

キメラ猫の言葉を聞いて、ちょっとホッとした・・・
シュルルルルル・・・と直ぐに猫サイズに戻って、私の頭の上に乗った。
何となく、痛みを吸い取ってくれている様な感覚だ。

私もログを確認しないと。

メニューを開くと、名前、レベル、HPとMP全てが虹色に光っていた

他にも"???"と伏せられていたスキル、魔法が全て解放されていた

私は急いで、クリア報酬のログを確認した



-----以下ログ-----

quest clearした

0経験値を獲得した
既にレベルMAXに到達している為これ以上レベルは上がらない
全てのステータスはこれ以上上昇しない

天眼をマスターした
天眼のスキルが常に発動されるようになった

アイテム 悪魔の塊の指輪を手に入れた
アイテム 悪魔のネックレスを手に入れた
アイテム 悪魔の髪飾りを手に入れた
アイテム 悪魔の仮面
アイテム 魔石を手に入れた
アイテム 魔石を手に入れた
アイテム 魔石を手に入れた
アイテム 魔石を手に入れた
.
.
.
アイテム 高濃度の魔石を手に入れた
アイテム 高濃度の魔石を手に入れた
アイテム 高濃度の魔石を手に入れた
アイテム 高濃度の魔石を手に入れた
アイテム 高濃度の魔石を手に入れた
アイテム 高濃度の魔石を手に入れた
アイテム 高濃度の魔石を手に入れた
.
.
.
アイテム クリスタルを手に入れた
アイテム クリスタルを手に入れた
アイテム クリスタルを手に入れた
アイテム クリスタルを手に入れた
アイテム・・・

アイテムはもういい!スクロール!!!!

称号 オーバーキルを習得した
称号 魔力供給マスターを習得した
称号 ヒールマスターを習得した
称号 キメラキラーを習得した
称号 みえる者を習得した
称号 聞こえる者を習得した
称号 駄目押しマスターを習得した
称号 大型モンスターキラーを習得した
称号 全てを壊す者を習得した

もう!称号とかいらんし!
称号なんて使い物にならないもんいらん!
スクロール!!!

"一番多くのダメージを与えた者への報酬として、キメラを使役する権利を手に入れた"
"召喚師"の資格を取得した 
『この世界への招待者の中でも最も強きプレイヤーに与えられる"祝福"を授かった』

"全てを壊す者"
"スベテヲコワセ"
"見える者"
"暴走する者"
"聞こえる者"
"悪魔の代行者"
"選ばれし者" 


これらのスキルが常に発動し、"祝福"の効果により詠唱など一切必要とせず、絶えず作られる魔力により最強のパフォーマンスで戦闘に突入可能。
ただし、状態異常が常に付与されるため、呪いと変わらない。

ーログ終了ー


なに?これ、祝福って言葉にしては、こう、もっと悪い印象なんだけど・・・私は呪われてるの?

私の状態異常の項目はどこ!
取得ログが多すぎて今も習得情報が流れて続けているせいでメニューをひらけないよぉ!!

「全く、世話の焼ける人間どもだな。いいか、簡単に言うと、お前の身体は常に消費しきれないほどの魔力が溢れ出す状態にある。器の容量を超えた場合身体はどうなる?」
「溢れ出る?パンクする???」
「そう。ロミーお前questが開始される前にスキルを使わなかったか」
「あ、そういえばー・・・"天眼"使おうとしたけどうまく発動しなかったや」
「正確には発動していたんだよ。でも"何らかの条件が満たされておらず、使いきれなかった"が正しい。天眼のスキルが発動したまま精神状態が不安定になり、過剰の魔力がお前のその目に集中してしまった。それが原因だな。過剰な魔力、過剰な能力は普通の人間に耐えられる事じゃない、このまま放置していたら確実にお前は3日で死ぬぞ」

「!?」
「まさか!ロミーさんが!?」
「猫ちゃん!悪い冗談はよして!」

「この俺が嘘をついて何になる。これから毎日、俺様がお前の魔力を食ってやる。そうすればお前は死なない」

「!?」
「じゃあ!ロミちゃんの使い魔になるってこと!?」
「使い魔!?ペット!?やだ!嬉しいんだけど!ペット!しかも猫!ねこ!ネコ!」
「あーーーもー!うるさい!俺の気が変わらないうちに契約しろ!」

照れるキメラ猫も可愛い(o´罒`o)


「どうすればいいの?」
「俺に名前をつけろ、名前を呼び、人差し指を出せ」

可愛い見た目に反して乱暴な物言い〜!ツンデレすぎて萌え死にそうだわ!!!

「名前何にしよう?」
「使い魔になるとこれから先ずっと一緒にいるの?」
「悪いかっ」
「いや、そんな事ないけど・・・僕は邪魔みたいだから、あっちで待ってるよ」
「私も上城君といるわね。猫ちゃん、ロミちゃんをよろしくねー」
「言われんでも面倒見てやると言ってるのに」


うーん
ここはパパッと決めたいところ・・・

「よし!決めた!名前は『バニラ』!」
「迷いがないんだな。まぁいい、後悔しても遅いからな」
「後悔か、いやこの世界悪くないよ!元いた世界より全然楽しいし」
「変な人間だな、お前」

キメラ猫あらため、バニラは私の人差し指にカプリと噛み付いた。



すると私達を囲むように優しい風が吹いて暖かい光に包まれた。


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