リトルシスターズ!

四宮カイト

第13話 「さてさてさ〜て、面白くなってきたな」

 『モヒカン』の立候補に教室中がどよめく。
 『モヒカン』は不良の中の不良で、俺に負けず劣らずの悪評が囁かれてる。


 ちなみに『冬香親衛隊』がここで手を上げている理由、それは俺が他の女子と仲良くなるのを阻止するためだ。


 『冬香親衛隊』は発足当初は冬香の兄であることに対する嫉妬から始まったが、半年近く経過した今は女子と良好な関係を築いていないかを監視している。
 もちろん冬香も例外ではない。


 「さてさてさ〜て、面白くなってきたな」


 スグルの言うとおりだ。
 『デコ』や『ハゲ』はまだしも、学年トップの不良『モヒカン』まで出張ってきた。
 マユちゃんは、さっきまで無反応だった男子から決定直前になって突如3人の立候補者が出てきて困惑した。


 「ええと、ええと、波江さん的にはどうですか……?」


 どうしていいか分からず話を美奈ちゃんに振った。


 「……」

 「あの……波江さん?」

 「……!?は、はい。やっぱりここは多
数決でどうでしょうか?」


 心なしか美奈ちゃんは肩を落としているように見えた。


 (少し惜しい気もするけど、これで学級委員をやらされなくてすむ!)
 

 それから投票形式で多数決が行われた。
 クラスメイト40人が立候補者(プラス俺)の中からイイな、と思った人の名前を用紙に書き投票する。

 匿名投票なので立候補者が自身に入れることもできるが、俺は、昨年美奈ちゃんと学級委員を務めていた『デコ』の名前を書いて箱に入れた。

 女子15人の票は予想がつかないが、25人の男子は絶対に俺に入れないことを考えると選ばれる確率はほとんど0に近いだろう。
 最後の一人が投票箱に紙を入れ終わると、マユちゃんは集計を開始した。
 5分ほどかかり、集計結果が黒板に書き出される。


 『デコ』、10票。

 『ハゲ』、10票。

 『モヒカン』、4票。
 
 
 俺、小鳥遊歩、驚愕の16票。
 

 「集計の結果、小鳥遊歩君に決まりました」


 予想外の結果に俺も含めて、男どもは何も言えなかった。

 
 
 
 
 

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