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はうたゆしか

75 引力を破れ


「ほんと、こりないよね」

ミヅキの体はやはりスバルの手に引きつけられ、スバルはミヅキの頬を殴る。

「ってぇ…」

「ミヅキっ」

殴り飛ばされたミヅキのすぐ横にアレンがいた。

「ミヅキ、これ」

アレンはミヅキにブレスレットを手渡す。

「ん…?磁力のナタストーン?」

「引力…つまり、重力に逆らえるのは磁力だ。磁力は引力より強い…お前が、これでヤツを倒せ」

アレンは肩で息をしながらもライマから目を離さない。

「光は雷の扱い慣れてる俺がやる…、だから、引力のほうはお前に任せた」

「…任せろ!!」

ミヅキはブレスレットを手首につけ、全神経を集中する。

「ミヅキ」

「アレンの磁力の石だ。これで、スバルの引力を抑える」

ミヅキがサヤカとトエムに言う。

「なるほどっ、さすが隊長だ。なら、すぐにやろう」

「でもよ、でけえ問題があるんだ」

ミヅキが深刻な表情で言う。

サヤカやトエムも唾を飲む。

「なにをどーすればいいんだ??」

ひゅううっと冷たい風が吹き抜けた。

「……ま、まあサヤ姉。あれだよな、磁力と引力の関係で…」

「そ、そうよミヅキ!あんたバカねえ…あはははは…」

トエムとサヤカは口元だけ笑み浮かべ、2人ともミヅキの肩に手を乗せる。

「「ごめん、わからない」」

「てめぇらあ、馬鹿にもほどがあるぞ!」

「あんたにだけは言われたくないわミヅキ」

サヤカが突き刺すように言う。

「適当にやってみよう。どうせ、上手く扱えやしねぇんだしさ」

トエムがそう言い、ミヅキも頷く。

「もーう、なに3人でごちゃごちゃ話してんの」

スバルが再び手を構える。

「僕きも聞かせてよ」

「くるっ…!ミヅキ!」

サヤカがミヅキに声をかける。

「はぁぁーっ」

ミヅキはスバルの手のひらと自分たちの身体の磁極を同じにして、反発させた。

「「「わあああああ!!」」」

スバルも、ミヅキたちも同時に反発し合って反対方向に吹っ飛んだ。

「うう、引力は阻止できたものの……」

「これじゃ、戦えないわね…」

ミヅキは頭をかく。

「難しいな…アレンよく扱ってたなこれ」

「俺たちにもできるはずだ。やるしかない」

トエムが立ち上がる。

「そうね、やるわよ!!」

「見てやがれ、スバル!」

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