作成中止

はうたゆしか

73 戦力負け


「あはは、びっくりしたでしょ??」

「口から火を…?」

そんなこと、できるわけがない。

「なんでもアリかよ、イェーガ…」

「ほらほら、集中しなきゃダメだよ!」

すかさず、スバルの口元から火が吹かれる。

ミヅキは素早く身をかがめてかわし、低い体勢のままスバルへ詰め寄る。

「ええーっ、来なくてもいいよ君から」

スバルはそう言うと、ミヅキに手をかざす。

「━━!」

強力な力でミヅキの体はスバルの手のひらに吸い付いた。

「だああぁ、この力のこと忘れてたぁ!!」

「あはは、馬鹿だね君」

スバルの目が光る。

「もう僕からは逃げられないよ」

「くっ……!」

スバルのもう片方の目が赤く光る。

もう終わりか━━━!

「ミヅキいいいぃぃっ」

トエムとサヤカが入ってきて、トエムがスバルに水を浴びせる。

「トムっ!ナイスタイミング…!!」

ミヅキの体がスバルの手から離れる。

「なんか増えちゃったよ…」

スバルが滴る水を拭い、再び手をかざす。

「あいつの手は、ものを吸寄せる」

「…石の力。黒い…なんの力なの」

「おおかた、“引力”的なものかと思われます」

マギが言う。

「あははっ、せいかーい」

トエムの体が吸い寄せられる。

「くそっ」

ミヅキはトエムの腕をつかみ、手から火を出す。

「むだだってば」

スバルは火の壁を作り、さらに引力を強めた。

ミヅキとトエムが吸いつけられる。

サヤカはその間にスバルの後ろにまわる。

スバルの足元に蹴りを入れようと距離を詰めた。

スバルはすかさず、口から火をサヤカに吹く。

「サヤカ!」

オルがサヤカを押し倒し、火が外れる。

「危なかった……」

トエムはその隙に手から水を出し、水圧でスバルから離れた。

「やつの目を潰すしかない…」

トエムはそう呟く。

戦況はよくなかった。

数では勝っているが、戦力で勝ててない。

その時。

残りのイェーガ4人が壁を破壊して入ってきた。

「作成中止」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く