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はうたゆしか

66 王室でのマナー


「この巻物!これ怪しい!」

「中身読んだ?結構、王室の日記とかどうでもいいものが多いわよ」

ミヅキに、サヤカは手をとめずに言う。

「どうでもいいものとは何だサヤ姉!神秘的な王室の日記だぞ!」

「なによ、現王族の私がこう言ってるのよ」

「こういうときだけ王族じゃねえか…」

ごちゃごちゃ話しながら作業する3人に呆れながらも、オルは黙って作業する。

「つーかサヤカお前透視できんならこの本とか巻物の中身透視しろよ」

「やってるわよ。多すぎて一気に処理できないの。ミヅキ、そこの端から3冊怪しい」

膨大な量の書物やら資料からナタストーンのことが載っているものだけを選ぶ。

「おそらくですが、大量にあるとは思えません。秘密情報なら、ひとつにまとめられてるはずです」

「隠してあるなら見つからないぞ…」

トエムがそう呟きながら棚の1番奥に手を突っ込むと、表紙が見えないくらいホコリを被った書物がでてきた。

「それだ!!!!」

サヤカが大きい声で叫ぶ。

「っ、なんだよサヤ姉。これ?このホコリだらけの??」

「間違いない。それ、持ち帰るわよ」

「っしゃあ、じゃあ脱出し、」

ミヅキらが王室の扉の方を見ると、兵士が剣やら鉄砲を持って待ち構えていた。

「あらら」

トエムがホコリをふぅっと息で飛ばす。

「よしお前ら、出口で無事に会おう」

ミヅキはそう言ってニカッと笑い、王室の壁に燃える拳で穴をあけ、出ていく。

「ほんっと、勝手なんだから。みんな生きてまた会いましょう」

サヤカは王室の窓を拳で割り、常備しているのか腰にロープを巻き付けて降りていく。

「てめーらどんだけ王室でのマナーがないんだ!バチ当たっても知らねえからなっ」

トエムは水圧で兵士を飛ばしながら王室を出ていった。

1人王室に残されたオルはひたすら呆れるだけだった。

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