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はうたゆしか

62 罠突破


「おいどうする!このままじゃ見つかる!」

ミヅキが片足を上げたまま言う。

王宮2階で行き詰まりチームは、身動きがとれないでいた。

「騒がないでよ、今考えてるっ!」

「燃やしたらだめか!」

「ううーん…燃やしてみよっか…だめだったら、トムが消火すればいっか…」

「おいサヤ姉!俺は消防車じゃねえぞ!」

「それを言ったら俺はマッチでもライターでもないぞ!」

「あーもうっ、早く!」

軽口を叩き合っている3人をオルは苦笑して見ていた。

「ん…待てよ、サヤ姉さんよ。サヤ姉さんの真似をして歩けばいいんじゃないか?」

「たしかに。階段までならそれでいけそうね…」

サヤカは少し考えて、頷く。

「みんな、私の真似をして後ろをついてきて!」

1列で歩く。

かがんだり、いきなり大股になったり、飛び越えたり。

見えないものをかわすのは大変だ。

「階段には何も罠はない。行こう!」

階段を駆け上がり、3階へ。

「王室と情報庫は繋がってます。こっちです」

3階についてからは、オルが道案内する。

「なあオル、命のナタストーンが存在するかどうかってのは王様しか知らないのか?」

ミヅキがオルに聞く。

「はい、恐らく。もし、存在するならばカタートニー王はシキに存在を知られるのを恐れた可能性があります」

「争いの原因になったものかもしれない」

サヤカが呟く。

なぜ、父・シキはカタートニーから王の座を奪う必要があったのか。

それは、自分の欲のためだけか。

「王室へ急ごう」

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