作成中止
36 もう1人の黒装束
「こっちか…?」
ミヅキら3人は洞窟を進んでいた。
「リタ様ぁぁ!どこですかぁぁ!ひと月ぶりですが、覚えておられますかぁぁ!」
「大きい声だすなーっ、敵がまだ他にもいたら、」
「侵入者か!!」
「!!?」
一方通行の通路の前から、黒装束の男が1人歩いてきた。
「あっれ~。ムクロ先輩が侵入者は俺が止めるとか言ってたケド?な~に?お前らムクロ先輩倒しちゃったの??」
ムクロ先輩とは、アレンが戦っている男のことであろう。
「ちょうどいい、リタ様のところに案内しろ!」
「あーっお前、村の生き残りじゃ~ん」
シキ軍に壊滅に追いやられたナパ村の生き残り。
「サヤカ、トム。俺が相手する」
ミヅキは戦う体勢をつくる。
「……わかった!後で会いましょう」
「おう!そんじゃお前、そこを一旦あけてもらおうか!」
ミヅキは手を地面に叩きつける。
すると、敵の足元が溶けて固まる。
「んおっ、あっれお前ムクロ先輩にナタストーン盗られたんじゃねーのかよ〜」
「へっへっへ。サヤカ、トム行け!」
「あとでな、ミヅキ!!」
トエムが少し振り返って言うと、ミヅキが頷いた。
「いいのか~?敵はまだいるかも知れね~ぜ??」
「あいつらも弱くねぇーよ」
ミヅキは走って男に突っ込む。
「ふん!!」
男は馬鹿力でマグマが冷えた溶岩から足をとる。
「すげぇ力…」
「ど〜よ?珍しい珍しい、“筋力”のナタストーンだぜぇ〜?俺を倒せるかな?」
「るせえなっ!」
ミヅキは拳をマグマで覆い、大きくふりかぶる。
「いくらマグマを使っても、俺の体術にはかなわなねーよ〜?」
男はさっと首だけ動かし拳を避け、ミヅキの腕を掴むと、そのまま上へ蹴り上げる。
「うぐっ……!」
洞窟の天井に打ちつけられる。
ミヅキは天井から落下しながら、両手から男に向けてマグマを出す。
「っちちち!危ねぇな〜あ」
少し触れたが、男はすぐかわした。
「ムクロ先輩な〜にしてんだよ。マグマって結構珍しい石じゃねえの。盗っとけよ〜」
「ごちゃごちゃうるせえな!」
ミヅキは近距離戦を避け、男と距離をとる。
「さっと片付けますかぁ~」
男は詰め寄ってくる。
ミヅキは溶岩の壁を自分と男の間にすぐさまつくる。
どかぁぁぁんッ!!
「そいつぁいけね〜なぁ。俺の腕力には勝てない」
男は溶岩の壁ごとミヅキを殴り飛ばした。
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