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はうたゆしか

27 新たな仲間


「どういうことだ…?」

「お前たちが知る必要はない」

男はサヤカの方へ向かう。

サヤカは透視の力でナタストーンが埋めてある男の目を見る。

「てめえ、サヤカに手ぇだすな」

「無駄に人を傷つけるわけではない」

男はさっとサヤカのナタストーンの指輪を獲る。

「暴れるやつはただじゃおかないからな」

男はそう言い残し、出ていく。

廊下には騒ぎをきいた宿の人だかりができていた。

「っ、あの男っ!!」

サヤカはすぐ立ち上がり、追いかけようとする。

「やめろ、待てサヤカ!」

「なんでよ!早くしないと見失って、私たちのナタストーンが!」

「あいつは本当に黙ってりゃ襲ってこねぇ。実際サヤカに害は加えてねぇ」

「……なんなのよ…何者…」

サヤカは止まり、ミヅキの隣へ行く。

「なんの騒ぎだね?!君、大丈夫か?!」

宿の従業員が入ってくる。

「まずい、目立つわね…。ミヅキ、とりあえず病院に行くわよ!」

サヤカはそう言い、従業員にライターを頼む。

「痛てー、あちー」

「もうちょっと、我慢して」

サヤカは刺さっている根元を溶かす。

「すみません、同室に泊まってる“アレン”というものが帰ったら、私たちが病院いにいると伝えてくれませんか」

サヤカは従業員にそう言い、ミヅキと宿を出た。


「ミヅキ、サヤカ!大丈夫か、なにがあった」

それから半日、次の日の朝アレンが病院を訪れた。

「アレンさん!!」

ミヅキが刺された氷柱の成分に毒があった。

ミヅキは病院への道中に意識を失い、先程目を覚ましたばかりだった。

「なるほど…」

「アレン、とりあえず色々置いとけないけど置いといて……」

ミヅキはベッドの上で、視線をアレンから水色頭の男に移す。

「だれそいつ?」

「……っと。紹介してなかったな。こいつは基地で知り合った犯罪者・シオンだ」

「犯罪者って……それはあんたらも…」

アレンは面白おかしそうに笑い、紹介した。

「なーんかネクラそうなやつだな〜」

「ちょーっと、失礼でしょミヅキ」

でもたしかにそうかも、と密かに思うサヤカ。

「俺の名前はミヅキ!シキをぶっ倒す男だ!よろしくな、シオン」

ミヅキはにかっと笑う。

「私はサヤカ。よろしく」

「なぁ、アレンが連れてきたってことはこいつ仲間になったってことだよな?」

「仲間……?」

シオンがぽつりと呟いた。

「そうだな、そういうことだ」

アレンはそう言い笑う。

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