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はうたゆしか

22 侵入


(警備は手薄だな。そりゃそうか、反逆者はずいぶん減ったからなあ)

アレンは次の日の昼下がり、シキ軍の基地を張っていた。

あたりは森に囲まれ、人気がない。

建物の外部の見張りは少ない。

(中の様子はわからんが…)

木陰に身を隠し、基地を睨む。

窓も少なく小さい。

入るなら正門を正面突破するしかなさそうだった。

日が暮れるのを周辺の木に登って待つ。

(サヤカにはミヅキもついてるし…。もしシキ軍があいつらの方に向かうとしても、この基地から出ていくから分かるしな)

シキ軍に特に動きはない。

ミヅキにやられた兵たちは、戻ってきているのか…。

(…………仲間ねぇ)

やはり、今回の旅で出会った仲間2人は今までの仲間とは違う━。

(ん?)

基地の門が開き、兵士が10人ほど出てくる。

「っち、サヤカを追うのか」

アレンは兵士らが基地から遠ざかっていくのについて行く。

しばらくは森の中を歩かなくては街に着かない。

(ここら辺だな)

アレンは10人の兵士の前に立つ。

「誰だ?こんな森の中で何してる」

「いやー道に迷ってね。街に帰りたいんだが帰れなくって」

アレンは笑って頭をかく。

「ならば反対方向だ。我々が今から行く方と同じだ」

(やっぱり、街に向かうのか)

「あー……」

アレンは素早く1番前の兵士の首元に触れる。

バタッ……。

兵士が倒れた。

「貴様!!何者!石を持ってるな?!」

「あはは〜バレた?」

「シキ軍に手を出すなんて、命あると思うなよ……!!」

兵士は剣を抜いて襲いかかってくる。

「民にむけるもんじゃねぇよな、本当は」

アレンはひょいひょいっとかわす。

そして、倒れた兵士の剣を持つ。

「さーあ、9人抜きといきますか」

シャキン、キキィィィィィ。

9人の剣をさばき、みねうちをくらわす。

「少し眠っていてもらおうか」

全員の首元に電気を少し流す。

スタンガンみたいなものだ、アレンの手先は。

再び基地へ帰ると、日が暮れてきた。

「さて…行きますか」

アレンは門の前に立った。

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