作成中止
18 ミヅキとサヤカ
「ごめんなさい、アレンさん。腕…」
サヤカの過去を聞いたあと、屋上から宿に戻った。
サヤカはアレンの腕に包帯を巻く。
「ん、気にするな。これくらい慣れている」
「え?」
「……俺もオリビア王国を目指してると言ったな」
アレンはサヤカとミヅキにそう言う。
「なんでってきいても、教えてくれないじゃーん」
ミヅキが口を尖らせる。
「いつかは全部話す…」
アレンはそう呟いて、本当に?と心の中で自問した。
「でもま、アレン俺とサヤカを助けにきてくれたからなあ!仲間だよな?な?!」
ミヅキがそう言い、アレンの肩にくっつき肩に手を置く。
「っ、くっつくなよ暑苦しい。まー元から俺たちの目標は同じだからな。これからもよろしくな、ミヅキ。サヤカ」
その時のアレンの笑顔は素が出ていた感じがした。
「よおっしゃあ!ってことでみんなでシキをぶっ潰すぞおおおお!!」
「はいはい、ここは宿だから静かにね」
「はぁー、これだからバカは」
アレンとサヤカはあきれながらも笑う。
「っていうか思ったぞサヤカ!お前お嬢様のくせに女らしくすらないなんて!シキはそういう主義なのかっ!」
「うるっさい!私を王族として見ないでくれる?!あんったこそ先祖は猿だわ!」
サヤカがぎゃーっと騒ぐ。
「人の祖先はみんな猿だぞ…いや、お前はゴリラかもしれないケド」
ミヅキがイタズラな笑顔で言う。
「ハア!?もーう、アレンさんも何か言ってよ!!」
サヤカが横になって休んでいたアレンにふった。
「おやすみ〜」
「あっ!ちょっと!!アレンさん!」
「冗談、冗談!」
にしし、とミヅキは笑う。
「アレン、本当に寝てやがる」
ミヅキがアレンの顔を覗き込む。
片目はいつもどおり、黒い布で巻いて隠されている。
「あんた、アレンさんのことどこまで信じてるの?」
突然、サヤカがそうきいた。
「どこまでって……骨の髄まで?」
「何言ってんのよ…」
サヤカが苦笑する。
言いたいことはわかったが。
「ミヅキは単純で嘘もつけないしバカだから警戒したことはないけど。アレンさんがいくら私たちを信用してても、アレンには謎が多すぎる」
サヤカはアレンに疑いの眼差しをむける。
「細かいことはいいんだって。アレンは悪いやつじゃねえぞ?これは俺が保証するって!」
ミヅキはアレンに信頼ある眼差しをむけた。
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