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はうたゆしか

7 ナミザ王国で


「さて。宿に泊まりたいが、お前ら手持ちはあるか」

ナミザ王国は1面水に覆われていて、基本移動は船やボート。

水上都市で、店が並ぶ通路にはコンクリートの道がある。

「私はこの前シキ軍の下っぱから盗ったのがあるわ」

「盗ったぁ?お前犯罪者じゃねえか!」

ミヅキが小さいボートの上で立つ。

「うるっさいわね、シキを倒しにいく時点で世界的には犯罪者よ」

「こらこら、ミヅキ暴れるな。街ではあまり目立ちたくない。で、サヤカのほうはいいとして、お前は?」

「大丈夫だ、あと7万ジェルくらいある」
※1ジェル=1円

「んま、なんとかなるかな。お前さっき、サヤカを盗人扱いしたが、基本悪人どもから盗んで俺はここまで来てる」

「シキを倒そうとする旅人の基本よ」

「む……」

ミヅキが無知を思い知らされ、くちをつぐむ。

「1週間、ナミザ王国に滞在する」

「はあ?!明日には出ようぜ、俺は先を急いでる」

ミヅキがアレンに言う。

「まあそう言うな。情報集めも必要だろ。行動は制限しない。各自好きにやれ」

ボートを道につけ、3人とも陸にあがる。

「宿はここにしよう。そんじゃあな、あんまめだつなよガキども」

「あーっ、待てよアレン」

アレンは手を振りながら歩いて行った。

「なんかなあ、アレンは謎が多いよなあ。あんま自分のこと話さねぇーし」

「よく一緒にいるわね、強そうだから別にいいけど。アレンさんもシキを?」

「さあなぁ。俺とは仲間じゃねぇっつうし。シキは俺に1人でやれって言うし」

「ふーん。私でも人の心は透視できない。まあ、こんなご時世だし。過去に何かあっても不思議じゃないわね」

ミヅキとサヤカは街を歩き出す。

「で、あんたはなんで着いてくるのよっ」

「だーって、俺は別に集めたい情報もねぇからよ。サヤカに着いてけばなんかわかるかなって」

「私はショッピングするの!旅に必要なものも揃えなきゃ。ってことでばいばーい、お猿さん。よい一日を〜」

「だーれがお猿さんだこのオトコンナめ…」

ミヅキはサヤカの背中にそう言い捨て、反対方向に歩き出す。



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