作成中止

はうたゆしか

2 1人目の仲間

半日歩き、ミヅキはトト王国と隣国ナミザ王国を目指していた。

「出てきたのはいいんだけどなあ…シキがいるオリビア王国まで遠いな…」

道の途中の宿場町で夕食にありつく。
ミヅキは手当り次第、オリビア王国について聞いてみる。

「オリビア王国ぅ?やめときな、あんちゃん。そりゃシキがいるとこだ」

「だからよ、そのシキを倒しに俺は行くんだよ」

「むーりむり。まだそんなこと言うやつがいたとは驚きだ」

店主も客も笑うばかりだった。

「…やっぱ1人で歩いてくしかないか…」

店を出て空を見上げる。

「きゃああああ!助けて!!」

その時、店の路地裏で叫び声がした。

「なんだ?!」

ミヅキが駆けつけると、シキ軍の証の龍の入れ墨の男10人ほどが女の人を取り囲んでいる。

「やめろ!!」

ミヅキは取り囲む男を1人殴り、輪の中にはいる。

「なんだてめえ!国王に歯向かうのか?」

「なにしてるんだってきいてるだろ」

ミヅキは男どもを睨みつけた。

「その女、ナタストーンをもってやがる。ただそれをちょっと見せて欲しいと頼んでたとこだ」

「頼む?そうは見えないけど」

ミヅキは女の方に目をやる。

手には青い石が握られていた。

「あなたたちに渡せる物はないわ!」

「じゃ、ずらかってもらいますか。ちょうど、試したかったし」

ミヅキは首からさげたナタストーンを握る。

「ここを動かないで、お姉さん!!」

ぼうっ。

ミヅキがはなった拳は炎に包まれていた。

「てめ…石をもってるな?!」

「わちち…、想像したのより強い炎になっちった…」

ミヅキは苦笑し、大きく息を吸い込む。

「くらえ!!」

口から火を吹いた。

「あっち!あちちちち!!」

男たちは体についた火を払おうとのたうち回り、近くの川に飛び込んでいった。

「初陣ながら上出来だ、うん」

ミヅキは1人満足そうに頷く。

「あの…ありがとうございます」

「おうよ!それよかひとつききたいんだけど」

ミヅキがしゃがみ、女の人に手を差し伸べようとしたとき。

「うっ……」

がくっと女の人が全身の力を抜かし、倒れた。

「え?!」

首に針が刺さっていた。

「誰だ!!」

ミヅキが叫ぶと、屋根から人が飛び降りてきた。

「お前!なんでこんなこと!シキ軍か!?」

飛び降りてきた男は右目を黒い布でおおい、青紫の髪をしていた。
歳は25,6だろう。

「いーや、俺はシキ軍じゃない。見ろ、女の腕」

青紫男に言われ、女の腕を見ると龍の入れ墨がしてある。

「え?!どういう…」

「シキ軍の盗賊だよ」

青紫男の話によると、襲われてるのを助けると、助けた女に金品を取られるらしい。
ミヅキは悲しい目で女を見た。

「安心しろ、殺してないよ」

青紫男は首の針をぬく。

「で、お前。オリビア王国目指してんだっけ?」

「おうよ!……って、なんでそれを?」

「店でお前が聞き回ってるの見ててな」

「何か知ってるのか!」

ミヅキは食い気味で青紫男に食いつく。

「まあまあ落ち着け。俺もわけあってオリビア王国を目指しててな」

青紫男は相当強いとミヅキは感じ取る。

「俺はガリョウテンセイ・シキをぶっ倒しにいく。トト王国に、この世界に平和を取り戻す」

「ははは、でかい夢だ!でもそれくらいでかくなきゃな!俺はアレン。よろしくな」

「俺はトト王国ナタ村出身のミヅキ!うおー!これでオリビア王国に行けるぞ!さあ行くぞアレン!!」

「気の早いやつ…出発は明日な。それにオリビア王国は遠い。すぐは着かん」

飛び跳ねるミヅキに呆れるアレンだった。

コメント

  • はうたゆしか

    gujuさん
    今気づきました!笑
    ありがとうございます!!!

    0
  • guju

    2じゃない? 前回1……

    1
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