水魔法は最弱!?いえ使うのは液体魔法です
6話 8歳の日常
5歳児にして、水で出来た魔法の小ドラゴンを創り出し、破壊力抜群の笑顔を父上に放って「ズキューン!」と言わせてから、約3年の月日が経ち、俺は8歳になった。
この3年間、いつも通り母さんとノワールの指導を受けて、順調に魔力操作が上達し、魔力量の限界値も少し上がった。
そう.......魔力量は少ししか上がらなかったのだ。
前世で読んでいたライトノベルでは、魔力がカラカラになるまで使い続け、それを何年も継続させていれば圧倒的な魔力量を身に付けて無双する主人公の物語が沢山あったが、現実ではそんな都合の良いことなどなかった。
魔力量の限界値を増やすには大気中の魔素を取り込まなければならないらしい。
しかも、取り込む度に激痛が伴うという、おまけ付きである。
うん、リアル異世界にはご都合主義というものが無いみたいだねっ!もっと楽して強くなりたかったぜ!
『はぁ.......そんな簡単に強くなれたら、もっと世界は混沌に満ちておるぞ』
『でも.......俺が思ってた異世界と違う!俺が憧れてた異世界の主人公ってのは.......そう!もっとモテモテな筈なんだよ!』
なのに、なぜ俺の周りには女の子が一人もいないのだ!普通は可愛い幼馴染とかいるだろ!俺の密かな夢だったんだぞ!
俺は心の中で地団駄を踏む。
『世界で一番美しい神に仕えているのだから、それで十分であろう』
『まぁ、魔神の使徒らしいことなんて、一回もしてないけどな』
『.......よし、今から魔王でも何でもいいから、強いやつを倒せ。そして、余に貢献するのだ』
『初めての命令が無茶ぶり過ぎだろ!てか、あんたの信者じゃん!』
我が主からの初めての命令が魔王討伐とか.......8歳児に言うことか?
やっぱり、ノワールはアホなのかもしれん。
「ヒロトー!剣術の訓練を始めるぞー!」
「はーい!」
おっと、父さんから訓練の呼び出しだ。
最近、それなりに剣を振ることが出来るようになってきた。
やっぱり、剣を扱える人が近くにいると、その姿を見て憧れを抱くものだ。
俺は一度だけ、父さんが本気で剣を振ったのを見たことがある。
まぁ、早すぎて薄らとしか見えなかったのだが.......特殊な目を持っていたおかげで、少しは視界に収めることが出来た。
「よしっ!今日は俺に全力で剣を振れ!模擬戦だ」
急いで家の庭に出たら、いきなり模擬戦を申し込まれた。
いつもより気合いが入ってるなと思ったら、そういう事か.......8歳になったばかりの子供と、大の大人が模擬戦とか頭イってんじゃねぇの?
「えっと.......反撃は?」
「ふっ.......もちろんするさ!」
このクソ親父め!
「.......先手必勝!」
俺は初めの合図を待たずに、全力で父さんに接近して不意打ちした。
しかし.......
「父親に対して全く躊躇わずに急所を狙ってくる攻撃、相手が話している間に容赦ない不意打ち.......さすが俺の息子だ!」
なんか、褒められてる気がしないけど、最大限のお礼をしようじゃねぇか!
「えへへぇ.......ありがとう!父さん!」
「ズキューン!!」
ふっ.......これが、父さんに対して一番効く攻撃である。
この天使と見紛う程の笑顔を向けると、父さんは必ず顔を真っ赤にして、両手で胸を抑えながら「ズキューン!」と言うのだ。
その隙に、父さんの後ろへ回り込み、ケツの穴に木刀をぶち込んでやるぜ!
そして、俺は後ろに回り込んで、ケツの穴に向かって突きを放ったのだが.......
「あっれぇ?」
なんか、木刀が細切れになっとるんだけど?なんでぇ?
「ハッハッハ!父さんの勝ちだな!」
そのドヤ顔ムカつくな.......よしっ!ここは俺の必殺技を使うしかないようだ。
「ぐすっ.......ぐすっ.......僕の木刀が壊れたよぉぉぉ!!」
「よくもヒロトちゃんを泣かせたわね!」
その名も、『奥義 お母様召喚』である。
この技はピンチに陥った時、大声で嘘泣きをして、母さんを召喚する最強の技である。
「うぉっ!?ち、違う!誤解だ!」
「ア"ア"?何が誤解だ、だよゴラァ!ヒロトちゃんを泣かせた罪は重いぞ!」
そして、母さんは太陽と見間違えそうなほど、大きくて熱い光り輝く炎を空中で創り出し、父さんを風魔法を吹き飛ばした後、容赦なく放つ。
「ギィヤァァァァァァ!!」
そして、父さんが吹き飛ばされた方向から、叫び声が聞こえてきた。
.......父さん死んじゃったかな?
「ふぅ.......ヒロトちゃん!悪者はママが退治したわよ!」
母さんはニカッ!と良い笑顔を浮かべながら、サムズアップする。
ここで言うべき言葉は.......
「母さんありがとう!大好き!」
満面の笑顔でお礼を言って、大好き!という言葉も付け足し、さらにメロメロにした。
ふっ.......これで怖いもの無しだぜ!
この3年間、いつも通り母さんとノワールの指導を受けて、順調に魔力操作が上達し、魔力量の限界値も少し上がった。
そう.......魔力量は少ししか上がらなかったのだ。
前世で読んでいたライトノベルでは、魔力がカラカラになるまで使い続け、それを何年も継続させていれば圧倒的な魔力量を身に付けて無双する主人公の物語が沢山あったが、現実ではそんな都合の良いことなどなかった。
魔力量の限界値を増やすには大気中の魔素を取り込まなければならないらしい。
しかも、取り込む度に激痛が伴うという、おまけ付きである。
うん、リアル異世界にはご都合主義というものが無いみたいだねっ!もっと楽して強くなりたかったぜ!
『はぁ.......そんな簡単に強くなれたら、もっと世界は混沌に満ちておるぞ』
『でも.......俺が思ってた異世界と違う!俺が憧れてた異世界の主人公ってのは.......そう!もっとモテモテな筈なんだよ!』
なのに、なぜ俺の周りには女の子が一人もいないのだ!普通は可愛い幼馴染とかいるだろ!俺の密かな夢だったんだぞ!
俺は心の中で地団駄を踏む。
『世界で一番美しい神に仕えているのだから、それで十分であろう』
『まぁ、魔神の使徒らしいことなんて、一回もしてないけどな』
『.......よし、今から魔王でも何でもいいから、強いやつを倒せ。そして、余に貢献するのだ』
『初めての命令が無茶ぶり過ぎだろ!てか、あんたの信者じゃん!』
我が主からの初めての命令が魔王討伐とか.......8歳児に言うことか?
やっぱり、ノワールはアホなのかもしれん。
「ヒロトー!剣術の訓練を始めるぞー!」
「はーい!」
おっと、父さんから訓練の呼び出しだ。
最近、それなりに剣を振ることが出来るようになってきた。
やっぱり、剣を扱える人が近くにいると、その姿を見て憧れを抱くものだ。
俺は一度だけ、父さんが本気で剣を振ったのを見たことがある。
まぁ、早すぎて薄らとしか見えなかったのだが.......特殊な目を持っていたおかげで、少しは視界に収めることが出来た。
「よしっ!今日は俺に全力で剣を振れ!模擬戦だ」
急いで家の庭に出たら、いきなり模擬戦を申し込まれた。
いつもより気合いが入ってるなと思ったら、そういう事か.......8歳になったばかりの子供と、大の大人が模擬戦とか頭イってんじゃねぇの?
「えっと.......反撃は?」
「ふっ.......もちろんするさ!」
このクソ親父め!
「.......先手必勝!」
俺は初めの合図を待たずに、全力で父さんに接近して不意打ちした。
しかし.......
「父親に対して全く躊躇わずに急所を狙ってくる攻撃、相手が話している間に容赦ない不意打ち.......さすが俺の息子だ!」
なんか、褒められてる気がしないけど、最大限のお礼をしようじゃねぇか!
「えへへぇ.......ありがとう!父さん!」
「ズキューン!!」
ふっ.......これが、父さんに対して一番効く攻撃である。
この天使と見紛う程の笑顔を向けると、父さんは必ず顔を真っ赤にして、両手で胸を抑えながら「ズキューン!」と言うのだ。
その隙に、父さんの後ろへ回り込み、ケツの穴に木刀をぶち込んでやるぜ!
そして、俺は後ろに回り込んで、ケツの穴に向かって突きを放ったのだが.......
「あっれぇ?」
なんか、木刀が細切れになっとるんだけど?なんでぇ?
「ハッハッハ!父さんの勝ちだな!」
そのドヤ顔ムカつくな.......よしっ!ここは俺の必殺技を使うしかないようだ。
「ぐすっ.......ぐすっ.......僕の木刀が壊れたよぉぉぉ!!」
「よくもヒロトちゃんを泣かせたわね!」
その名も、『奥義 お母様召喚』である。
この技はピンチに陥った時、大声で嘘泣きをして、母さんを召喚する最強の技である。
「うぉっ!?ち、違う!誤解だ!」
「ア"ア"?何が誤解だ、だよゴラァ!ヒロトちゃんを泣かせた罪は重いぞ!」
そして、母さんは太陽と見間違えそうなほど、大きくて熱い光り輝く炎を空中で創り出し、父さんを風魔法を吹き飛ばした後、容赦なく放つ。
「ギィヤァァァァァァ!!」
そして、父さんが吹き飛ばされた方向から、叫び声が聞こえてきた。
.......父さん死んじゃったかな?
「ふぅ.......ヒロトちゃん!悪者はママが退治したわよ!」
母さんはニカッ!と良い笑顔を浮かべながら、サムズアップする。
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