皇子様にスルーされたら、ヤンデレ騎士?に愛されました

ブラックベリィ

022★アラン様は逃がしてくれる気は無いようです



 私の質問に、アラン様は苦笑したけど。
 丁寧に答えてくれました。
 それは、とっても嫌な内容だったけど………。

 確かに、皇族や上位貴族の子供を生める存在。
 花嫁として召喚されたけど。
 見事に、キラキラした皇子様(仮)集団にスルーされたから、私が花嫁になる必要は無いって思っていたんだよねぇ~………。

 でも、受ける教育内容は、もしかしなくても皇子妃教育なんですね。
 そう思った瞬間、私はつい余計なコトを言ってしまう。

 「うっわぁ~…
  もしかして…

  皇族としての
  権力に対する

  義務と責任も
  習うんですか?

  そう言えば
  天皇陛下って

  祭司で国民の
  贄でもあったわ

  ここの皇帝陛下は
  どうなのかしら?

  でも、国民の血税で
  暮らすなら

  義務と責任は
  発生しますよね?

  私は、一般のそう……
  平民出身なので………」

 そう、無意識で平民を入れての予防線を張ったのですが………。
 私の言葉はアラン様に、途中でばっさり切られました。

 「くすくす……
  静香、貴女は

  1番大切な
  義務と責任を
  わかっています

  だからこそ
  皇子妃になど

  なりたくないと
  言おうとしましたね?

  はっきり言えば
  地位に責任と義務が

  ついてくることを
  わからない者は

  正式には
  皇族に嫁げません

  側妃というよりは
  妾妃という立場になります

  それだとて
  子供を得れば

  その地位を
  与えるという
  ぐあいですね

  でも、静香は
  今の発言で

  皇族に嫁ぐ
  為の資格を

  既に、持って
  いるコトを
  証明しました

  だからこそ
  皇子妃教育を
  受けてもらいます

  諦めて頑張って
  くださいね

  静香が習う
  内容に合わせた

  教師は
  私が責任もって
  用意しますから」

 どうあっても、アラン様は私に皇子妃教育を受けさせる気なんですね。
 やりたくも無い勉強をして、成りたくない皇子妃にさせられるなら………。

 自由はありませんね。
 籠の鳥に決定のようです。

 それに、召喚した異世界人の私達を皇子妃にさせる予定なら、この国で私みたいな人間が働いて生きていけるか?なんて絶対に教えてくれないってわかったわ。

 だからこそ、逃げようと思うなら、ある程度の教育を黙って受けて、この国の常識とドレス(地味で庶民が着てもおかしくないような安っぽいモノ)と、お金または簡単に換金できる安い宝石や金細工のアクセサリーを手に入れるしかないと、思いました。

 その時には気付きませんでしたが、アラン様は私が腕の中でおとなしくなった段階で、障壁を消していたと、あとから教えられました。
 ようするに、皇子妃になる資格の発言を、騎士達に聞かれていたんです。
 そんなコトを知らなかった私は………。

 はたして、手に入れられるかしらって…不安しか無いわ……。
 侍女とかをつけてもらえたら、信頼関係を築いて何とか出来るかな?って程度の見通ししか立たないわね。

 はぁぁ~こういう状態を前途多難って言うのねって思う。
 そうじゃ無かったら、皇子妃教育という苦労に対する対価に、アラン様の花嫁になりたいなぁ~マジで………。

 がっつりお妃教育を受けても、あのキラキラ皇子様(仮)は、絶対に私を選ばないってわかりきっているもの。
 あんなに、明確にスルーしてくれたんですから………。
 完全無視で居ない者扱いだったんですよ。

 だったら、最初に優しい声を掛けてくれたアラン様が良いなぁ~………。




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