皇子様にスルーされたら、ヤンデレ騎士?に愛されました

ブラックベリィ

019★★魔法使いのクチュリエ達がドレスを作るようです


 レディーメイドという既製服なんて、この世界に存在しているとは思わない。
 値段とクオリティーに差はあっても、オーダーメイドが基本の世界でしょう?

 まして、アラン様の階級だったら、オートクチュール…クチュリエがデザインして作るドレスが当たり前なんでしょう?

 ドレス1枚で、最新のエコカー1台より絶対に高いと思うわ。
 どんなモノが用意されているか?聞いても良いよね?
 というコトで私は、アラン様に聞いてみますよ。

 「アラン様、私のドレスって
  どんな人達が作るんですか?」

 「静香に似合うドレスを作るのは

  依頼者にぴったりのドレスを
  デザインするデザイナーと

  そのデザインを元に
  裁断魔法を使って
  布を切る者

  それを、一瞬で縫い上げる
  縫製魔法のスペシャリストと

  図案を元に、十数色の糸を
  刺繍魔法で操り見事な刺繍を
  施すクチュリエ達ですよ

  デザインによっては
  レースを編む、編み物魔法を
  使う者達も呼びますからね

  どちらにしろクチュリエ達は
  急ぎの仕事だと言えば

  3時間ほどで1枚のドレスを
  作り上げますよ

  ですから、静香は
  ゆったりと湯浴みをして

  軽く食事をとって
  待っていれば良いんです」

 日常的に魔法使いのクチュリエ達を使っているアラン様は、私のドレスを作るコトを簡単だって説明してくれました。

 でも、その説明って、私の耳を甘咬みしたり…口付けしたりしながらする必要は、無いと思います。
 でも、最新エコカー1台分のお金を払う能力の無い私は……アラン様にたかるコトにしました。

 ほとんど何も持たずに、異世界召喚された私にとって、ドレス代は意地をはれる(自分で払える)金額じゃありませんから………。
 ここは、ありがたく作ってもらおうと思います。 

 だから、アラン様にお礼を言います。

 「そうですか………
  ありがとうございます
  アラン様

  ドレスやその他のコトも
  宜しくお願いします

  それと、皇帝陛下と
  謁見するときのマナーを
  教えて欲しいんですけど………」

 何がどうなっているか、全然わかりませんから、ましてこっちのマナーどころか、常識も違うんですし……と、思ったら………。

 「静香は、何も心配する
  必要はありませんよ

  私は、これでも皇族ですから
  多少の我がままは効きます

  陛下とは謁見の間ではなく
  プライベートな紅珊瑚の間で

  私と静香だけで会えるように
  手配します

  だから、静香は、私の宮で
  時間がくるまでゆったりと
  過ごせば良いんですよ」

 私の要望にアラン様は、皇位継承権を持つ皇族としての権利?権力?を使って、まさかの荒業に出てくれると言いました。

 ここは、素直に喜びます。
 私ってば、滅茶苦茶ラッキーじゃん。
 あの2人の美少女達と一緒じゃなくても良いですよ。

 だって、正式な謁見だと、色々な立場の人間達(絶対に貴族)に見られながら、マナーを守って、皇帝陛下に挨拶する必要があるんですもの。
 そんなの絶対にイヤです。

 だって、あの美少女達と絶対に容姿で比べられて、嫌な視線にさらされるってわかっているから………。
 アラン様と私だけで、皇帝陛下に会うんだったら、何か失敗してもアラン様がカバーしてくれるもん。






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