皇子様にスルーされたら、ヤンデレ騎士?に愛されました

ブラックベリィ

007★気が付いたら、イケメン騎士様が………

 すると、いぃーつのまぁーにか…私の周りにも、騎士様達が居るではないですか………えっと、何時の間に?

 周りが見えなくなっていたんでしょうか?
 それとも、後から騎士様達が付いて来たのでしょうか?

 どちらにしろ、6人の皇子様(仮)に侍る、側近や騎士達以外の騎士様達は、私のことも逃がす気が無いってわかりました。
 ある意味で、ほっとします。
 私は見えて無い(身体の無い魂だけの存在)わけじゃないって判って………やっぱり、完全スルーはちょっと切なかったですしね。

 今まで皇子達(仮)が話す内容に意識を集中していたセイで、私を認識してくれた他の騎士様達に気付かず済みませんでした………こころの中で謝っておきますね。

 だって、騎士様達のハイスペックイケメンばかりなんですもの………美青年からシブイまで居ますよ。
 いや、美中年と呼べるような方はいませんでしたけどね。

 これだけの美形達が揃っているというコトは、この騎士様達は近衛騎士団なんでしょうか?
 6人も皇子様達(仮)がいるんですから、身辺護衛についている騎士様達は、確実に近衛騎士団の騎士様でしょうね。

 日本にだって、国賓を迎える時に儀仗兵が、儀仗銃を持って歓迎します。
 ちなみに、この儀仗兵は、二十数万人いる自衛隊員の中から、百名しか選ばれない容姿端麗でまるでモデルのような自衛官達なんですよ。
 身長170~185㎝、体重60~75㎏だったかなぁ~身体つきも滅茶苦茶良いんですよ。
 О脚やX脚なんて問題外で、すらっとした足が基本なんですよ。

 ユーチューブかテレビで見たんですけどね。
 基本は、細マッチョな感じです。
 整列するときは、テープを張ってそれに沿って一列に並ぶとか………。

 足を開いているときは、三角になったおもりみたいなものに棒がついているもので、角度と幅を毎回確認されます。
 握っている儀仗銃を構えたときも、角度と高さを確認されるっていう訓令をしていましたよ。

 実際に海外からの国賓を迎えるシーンも、とぉーっても格好良かったです………アレは感動しますよ。
 一斉に動いて、一糸乱れずっていう言葉そのものっていう感じでしたよ………ミリオタじゃないですけど、うっとりしました。

 でも、今、私の周りに居る騎士様達の顔面偏差値は、自衛官達を超えていますね。
 中世の騎士達みたいな感じじゃ無くて、乙女ゲームの騎士様っていう感じの甲冑とマントを身に着けています。

 こんな状況じゃなかったら、スマホでガンガン撮りたいって思います………実際は、記憶に保存するだけですけどね………はぁ~残念です。
 そんな色々なコトを考えていたオタクで腐女子な私は、視線を感じて。
回りをそっと見回します。

 視線を辿ると、信じられない光景を見てしまいました。 
 だって、視線を感じた先にいた騎士様達を思わずチラ見して、首を傾げている私に、その中でもひときわキラキラした騎士様が、にっこり笑って隣りに寄ってきたんですから………はぁ~………恐れ多いんですけど(嬉困)。

 いやだって、あのキラキラ皇子様達(仮)6人よりも数段格上のイケルンですよ………メッチャカッコイイですよぉ~(嬉)。
 スマホもカメラもありませんから、この腐った脳裏に焼き付けますよ。
 こんな極上のイケメン騎士様、いるんですねぇ~………たまりません。

 まじかで微笑まれて、ドキッとしましたよ………だって、物凄いイケメンなんですもの。
 そんなイケメン騎士様(青い髪に翡翠の瞳)の視線に、頬が熱くなってしまいます………身の程知らずだとは思っても、うっとりしてしまいます。

 それなのに、まるで私にトドメをさすように、イケメン騎士様は、優しい口調で話しかけてきます(嬉)。
 デブス…もとい、モブのぽっちゃり子の私にまで、微笑んでくれるイケメン騎士様………グッジョブっです、たまりません(喜)。

 「姫、私は、帝都騎士団の団長を務めている
  ランドールと申します
  貴女のお名前を、聞いてもよろしいですか?」

 うっわぁ~なんてイケボ(いけてる声)の持ち主なんですか………クラクラしますよぉ(嬉)。
 アニオタでもある私は、その美声っぷりにクラクラします………ヤバイよマズイよ、この声に誘導尋問されちゃうそう(惑)。

 でも、ここは根性で耐えますよ………安全第一です。
 ここは異世界、常識が違う世界とこころの中で唱えて………ガンバレ、私。
 だから、私は、さっき一生懸命、もしもで考えた偽名を、何とか口にしました。

 「綾瀬 紫音(あやせ しおん)です」

 なんとかつっかえるコトもなく答えた私、偉い………自分を褒めてあげたいですよ。
 なんせ、ちょーが付くイケボのイケメン騎士様です。
 そのお顔を長く見ていたら、魂を盗られちゃいそうですよ。

 いや、本当にナイスドストライクってヤツですよ。
 身の程知らずにも、恋い焦がれちゃうそうなぐらいのチョー絶イケメン騎士様にクラクラです。
 私の名を聞いたランドール様は、とぉーっても爽やかに笑ってから、私の耳元にそのかたちの良い唇を寄せて、そっと囁きます。
 
 「良い名前ですね
  周りに人がいなくなったら
  本当の名前を教えて欲しいものです

  その時は、私も、フルネームを
  名のりましょう
  よろしいですね? 姫」

 うっひゃー…偽名って、ばれてるぅぅぅぅぅ~………(怖)。
 今、一瞬だけ真っ黒な何かが降臨してました?
 ここで叫ばなかった私を、自分で褒めたいと思いましたよ………だって、チビるかと思ったもん(涙)。

 ふえぇぇぇぇ~ん…なんでぇぇ~…どぉ~して………私の偽名がばれるのぉ?
 もしかして、ランドール様って、心が読めるの?
 異世界人って怖い。

 嘘を見破られた衝撃と恐怖に怯え立ち止まった私を、ランドール様はひょいっと抱き上げてくれました。
 恐れていたお姫様抱っこではなく、子供を抱っこする(立て抱き)要領で………。
 いや、デブス…いやいや、モブなぽっちゃり子の私に、お姫様抱っこはハードルが高過ぎますから(苦)。

 お姫様抱っこだったら、乙女ごころからの羞恥心でのたうったでしょうが………。
 立て抱きは、お子様扱いされた屈辱からの羞恥心でのたうちました………これはこれで恥ずかしいんですよ(恥)。
 お陰で、私は口をぱくぱくするだけで何も言えなくなりました。
 
 「………」







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