皇子様にスルーされたら、ヤンデレ騎士?に愛されました
006★こちらの世界は、髪型で未婚と既婚を見分けるようです
しかしラノベでは、そんな設定なんて出てきませんでしたから………。
作戦変更をするしかありませんね、これは。
極力、目立ちたくありませんからねぇ………はぁ~(困)。
そして、ここで脱出するのは無謀だと思い直しましたよ。
だからとりあえず、絶対に皇宮まで行く必要があるってコトは、思いっきり実感しました。
だって、ひと目でおかしいって、私の今の姿じゃ思われてしまうってコトが今の会話でわかりましたから………はぁ~どうしよう(困)。
常識が全然違うみたいだから、まずはそのここでの一般的な常識を手に入れないと………。
じゃないと、へんな姿をした他国者で済めば良いけど、そうじゃなかったら………あうぅぅぅ……怖いです。
もしも、こちらの世界に奴隷制度があったら、確実に奴隷落ちしそうだわ。
最悪なパターンは、物好き相手の娼婦にさせられそう………。
流石に、それはカンベンして欲しいわ。
なんて、私は暗いコトを考えているのに………うぅぅぅ~(涙)。
ちやほやされた経験しか持ってないと思われる美少女2人は、おしゃれについてしか考えていない………。
良いなぁ……容姿が優れているって………日本と同じようにお花畑でいられるもの。
私がそんなコトを考えていると、2人の言葉に対して、緑皇子(仮)のカルスレイド様は淡々と言う。
その声にはしっかりとした侮蔑が含まれていた。
「逆に、未婚か既婚かわからないような
髪形をしている異世界の方が
私には不思議でしょうが無いが………」
私にでも判るんだから、当然その声に含まれるモノに気付いているようですね。
遠目でも判ります、目が全然笑ってませんよ、絵里さん………美少女が怒ると迫力ありますね。
ただ、皇子様達(仮)には気づいて貰えていないようですが………。
そう思う私の視線の先で、絵里さんが声に不満を滲ませて、元居た世界の常識を説明する。
「簡単に見分けられますよ
だって、結婚している人達は
左手の薬指に指輪をしていますから」
当然、絵里さん同様に、怒りをにじませた里奈さんの声が、その補足説明をする。
うん、怒ってますね。
ただ俺様の皇子様達(仮)には、全然通用していないようですが………やっぱり、男尊女卑の世界のようですねぇ………ああ、ガクブルです(泣)。
「結婚しているかどうか?
なんて、付き合う時に
確認するものですよ」
私達の世界では当然のコトですけど………男尊女卑の上で、皇子様(仮)な地位にいる人達には、その常識は通用しないようですね。
だって、不平不満と怒りのこもった美少女2人の説明に、緑皇子(仮)のカルスレイド様は、かなぁ~り微妙な顔でをしていますもの。
いかにも見下している相手に、一応本人はそれを悟らせないつもりで話しているらしい緑皇子(仮)のカルスレイド様って、空気を読まないんですね。
自分の常識が 正しいという認識しかないんでしょうねぇ………私には、2人みたいなコトはできませんけどね、怖いから。
緑皇子(仮)のカルスレイド様は嘆息して、こちらの常識はこうなんだが………という感じて、さも呆れたように言う。
「男としては、あやふやなしるしより
はっきり未婚がわかる方が良いですね」
まぁ確かに、髪型なら一発でフリーの人を見分けられて、ナンパしやすいですね。
その発言からすると、無駄玉無しって感じですね。
でも流石に、その態度はムカつくんですけど。
私はスルーされた身ですからね、安全とって何も言いませんよ。
でも、それだとロコツに判るから、売れ残りにはイタイ世界ですよね。
そんな勝ち組、負け組がくっきりと判ってしまうんでは、適齢期になったら、何が何でも結婚するってプレッシャーがかかりますよ。
そう思ってから、私はハッとする。
あれ?男の方はどうなんでしょうか?
とっても気になります。
私がそう思って首を傾げていると………。
同じ疑問を持ったらしい絵里さんが、赤皇子(仮)のアレクシス様に向かって、堂々と質問しています。
「女性は、ひと目でわかるって言うけど
男性はどうなんですか?」
声に不公平じゃありませんか?と含む絵里さんの質問に、アレクシス様がどこか馬鹿にした感じて答えます。
「私達の髪型を良く見てくれればわかりますよ」
なんか、ほんとぉーに俺様で、私が直接応答しているわけでもないのに、頬がヒキヒキと引き攣りそうです。
ただその言葉の真偽を確認する為に、私は周りをそっと見回してみました。
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