皇子様にスルーされたら、ヤンデレ騎士?に愛されました

ブラックベリィ

003★そんなに簡単に答えて良いんでしょうか?

 無視された私は、慌ててその後を付いて行くことにした。
 いや、こんな訳の判らない場所で放置されたら………怖いじゃないですか(涙)。

 まぁ…邪険についてくるなとも言われなかったし、排除されなかったので、その後を付いていけたのでほっとした。

 いや、何がどうなっているか、話しだけは聞きたいですからね。

 そんな私の後を、数人の騎士様達?と神官様達?と魔法使い様達?が付いて着ていたのを、途中で気が付いた私でした。
 たぶんそうなんじゃないかな?ラノベのイラストに描かれていた姿に似ているから………。
 流石に、ガン見する勇気が無いからさぁ~…だって、やっぱりスルーされたから、怖いんだもん。

 ついでに、状況把握の為に、少し先を歩く皇子様達(仮)の話しを聞くことに集中していたからです………はい、残念仕様な私です(爆)。
 そんな中、耳触りの良い声が聞こえてきます。

 「ここは、最高神アルーファ・ラー神の神殿です
  これから向かうのは、皇帝陛下のおわす皇宮です」

 声から察するところ、たぶん赤皇子様(仮)が喋っているようです。
 俺様感がそこはか…どころか、つんつんと漂っている口調です。
 が、流石は美少女、その圧迫感をスルーして、さらりと聞いてますよ。

 「貴方達は、皇子様なんですか?」
 
 声から判断すると、黒髪ロングの美少女ですね。
 デブス…げふんげふん…モブのほっちゃり子の私には、到底出来ないことですね。
 流石美少女様、お強いですね。

 黒髪ロングの美少女の質問に、俺はこころが広いぜアピールなんでしょうか?俺様感満載のまま赤皇子様(仮)が答えてます。

 「ああそうだ、私が第1皇子のアレクシスだ
  貴女の名前は?」

 赤皇子様(仮)の問いかけに、やはり美少女ゆえのスルー力を発揮して、さらりと何でもないコトのように自己紹介してますよ、黒髪ロングの美少女さんは。

 「私は、吉原 里奈(よしはら りな)です」

 ふむふむ、これであの赤皇子様(仮)と、黒髪ロングの美少女の名前がわかりました………けど、良いんですかね、そんなに簡単に名乗って?
 この流れなら、茶髪ロングの美少女をエスコートしている緑皇子様(仮)も名乗るのかなぁ?なんて思っていたら………。

 「私の名前は、カルスレイドです
  貴女のお名前は?」

 少し柔らかい口調で自己紹介………これは、ヤンデレ?腹黒?キチク?のどれかでしょうかねぇ………。
 いえ、私ってばオタクなんで、そういうコトがついつい浮かんでしまうんですよ。

 だってこの神殿内にいる人達を見ると、どこの乙女ゲームってぐらい、美形度が高いんですよぉ~………(泣)。
 デブスいやいやモブのぽっちゃり子には、きついですよこれって………なんかの罰ゲームって感じです。

 ゼッテー隣りには立ちたくないすっ。
 私の不細工っぷりが、明と暗、そう光と影、月とすっぽんって感じで、くっきりはっきりとしてしまうからぁ~(号泣)。
 なんて泣いていても事態は進んで行き、茶髪の美少女がさらりと名乗り返しています。

 「私の名前は、柏木 絵里(かしわぎ えり)っていいます」

 緑皇子様(仮)と、茶髪美少女の名前はわかったけど………良いの?そんなに簡単に名乗り返しちゃって………。
 ラノベのテンプレパターンの中に名のり合ったら、それで合意で結婚なんてモノも………古代の日本ってそうだった気が………(脂汗)。
 じゃなくって、残りの皇子様(?)は何も言わなかったから、どんな名前なのかわからなかったわねぇ………困ったわ。

 髪の色で仮名でも勝手に付けようかしら………って、いや、どうでもいいわ。
 どうせ、私をスルーした人達だもの、これからも関わり合うことなんてないでしょうし………いや、美形度が高い人とは関わらないのが一番でしょ(苦笑)。
 だって、かならず比較されるもの(号泣)。






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