初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

第39.5話 私は勇者になってしまったようです・・・(中)の話

「ようこそ!勇者殿!貴方達を待っていた!」


勇者?何のことだろうか?
私には唐突の事で混乱した。
周りの皆も騒めく中で、我慢できなかったのか板野がおじさんに向って突っ込もうとした。
すると、周りの騎士らしい人達が板野に向けて剣を突き出した。
騎士たちは言う。


「無礼者!!国王様に歯向かうつもりかっ!」


国王、たしかに騎士たちはそう言ったのだ。
国王というより、元帥っぽい服装なんだけど・・・。
突っ込むべきか、突っ込まないべきか・・・。


すると、国王らしきおじさんは手を上げて言う


「良いのだ、剣を納めよ」


国王は更に前に出る、


「そうだな、何も言わないで失礼した、私の名はヨハン=ザムジード、ここはフィルネル王国だ、そして私はこの国の王をしる者だ」


本当に国王だった、フィルネル王国?何処だろうか?
そう考えていると、国王はこちらへ向かって歩いてくる。
そして、そのまま私達に頭を下げたのだ。
その姿を見た、騎士の一人が言う。


「こ、国王様!?貴方様のような方が簡単に頭を下げては、、、、」


まぁ、本当に国王なら普通の人間には頭を下げたら駄目だよなぁ。
尊厳に関わるし・・・。


「黙れい!お主らが剣を向ける方が悪いだろう!ましては勇者殿向かって!お主らの方が無礼者だ!!」


国王は騎士達に向って怒鳴った。
凄まじい迫力だ・・・、あんな強面な顔で怒られたら私なら立ち直れないや・・・。
すると、国王は先ほどの表情からすぐに切り替えて困り顔で話す。


「私の騎士たちが申し訳ないことをした。
しかし、勇者殿・・・話だけでも聞いていただけないであろうか?」


ヨハンと名乗る国王は再び頭を下げる。
ここまで頭下げられるとなんだか気が引けるなぁ・・・。
取り合えず話だけでも聞いてみよう。
私は前に出て、どんな状況なのか聞くことにした。


「頭を上げてください。どんな状況か教えていただけないでしょうか?」


すると、国王は頭を上げて、嬉しそうな顔で言う。


「おぉ、、、ありがとうございます勇者殿!
この世界で今、何が起こっているのかを語ろうとしよう。」


国王は自分の王座に戻って、この世界の現状で何が起きているのかを話してくれた。
魔王に魔獣か・・・。
ん?今更だけど、まさか?
私達、異世界転移してる!?
あまりにも、唐突なことで忘れてたが。
国王ならまだわかるが、魔王と魔獣がいる世界に来たのですか!?


御剣はこの非日常的な出来事に困惑していた、現実は直面した私は"トキメキ"を感じた、この状況で不謹慎だと思うが。
なんせ夢まで見た"異世界"なのだから、私は必死ににやける口を押させるように無表情をつき通した。


「いきなりの事で、困惑するがお願いできないであろうか?」


「しかし、僕達はただの一般人であって、能力を何もないですよ?」


これは本当だ、私達はただの人間で何も武器すら持っていないのだから。
そんな国王は私の目を真っすぐ見る。


「そこは大丈夫だ。」


国王は手を叩き、何処からともなく人が現れた。
これがリアル忍者か・・・。
国王は再び口を動かし言った。


「召喚された者は必ず、能力を持つことになっている。
それを確認する為に、こちらで用意した軌光石を使うが良い」


ほう、能力が付くのか・・・!
それは楽しみだ、国王が言うには召喚された時に職業を持つことになるらしいが。
私は手に持った軌光石を持って「ステータス」念じた。
どんな職業になるかな?
剣士?魔法使い?どうせなら女の子らしいものが良いな。
例えば神官とか、そういうのが良いなぁ。


私は表示された、ステータスを見る。
そこには驚くべき事が起こったのだ。


【御剣 正義】
職業 勇者
LV1
攻撃 1200
防御 900
魔力 1500
精神 1010
素早さ 600
器用さ 700
運  50


スキル
・天命剣「リミテッド・ソード」
・スラッシュ
・限突「オーバー・クロック」
・ブレイジング・ダンス


パッシブ
・勇者の加護
・精霊の加護
・剣の加護


(は・・・?勇者?)


ちょっと待て、私は勇者?
少なくとも私はそう言うのに向いていないぞ!?
もうちょっと、後衛的なものを・・・


「な、なんとこれは!?」


私の後ろから、国王の声が聞こえた、
後ろ振り向けばすぐそこにいたのだ、"気配"もなく。
ちょ、ちかい!?てか顔怖い!
私は国王の顔を見て、震える。
いや、だって本当に怖いんだもん!?
涙目になりそうだったが、私は堪えて無表情になる。
国王の驚いた声に反応したのか、クラスメイトが集まってくる。


「あわわ・・・」


私は凄い勢いで人が集まるから変な声が出てしまった。
その中に黒杉くんも見ていた。
やばい、聞こえたかな?聞かれてないことを願うしかなかった。
私は顔を赤くした。


「流石、御剣君!」
「キャー!みっちゃーん!」
「ミッツルギー!!結婚してくれー!」


なんか、後半はなんか変なもの聞こえたが気にしないでおこう。


「おやぁ?楊一くんのステータスは低すぎはありませんか?」


板野の声だ、その声はすごくわざとらしく、大きな声で馬鹿にしてる感じにしか聞こえなかった。
その板野のやり方に少しイラっと来る。
私も黒杉くんの方に歩いて近づく、すると黒杉くんの表示されたステータスが見えた。
どんな職業だろうか?見た目は剣士っぽいし、剣士かな?


【黒杉 陽一】
職業 村人
LV1
攻撃 10
防御 10
魔力 10
精神 10
素早さ 20
器用さ 10
運  15


スキル
石投げ、
パッシブ
成長・Ⅰ
■■の加護


え?
いくらなんでも、低すぎないですか!?
ていうか、村人ってなんですか!!?
驚きを隠せなかった、だって"あの"黒杉くんが村人だなんて・・・。
私は小学校の2年の頃の黒杉くんを思い出す。
あの時の黒杉君は大人相手でも"圧倒"して、私を救ってたんだから。
もっと特別な職業課と思ってたんだけど・・・。


国王は黒杉くんを見て話した。


「村人はもっとも多くて最弱職業でなんだ」


たしかにそう言ったのだった。
この世界は危険がいっぱいだと聞いた。
村人ではどうすることもできないだろう、なら・・・。
私は思った。


(今度は私が黒杉くんを守る番だ)


そんな中で、黒杉くんのステータスを見て笑う騎士がいた。


「なんだよ、村人か」


「おいおい、あんなのに任せるのか?笑っちまうぜ」


私は見過ごさなかった。私はその騎士二人に向けて。
"殺気"を放つ、すると騎士はビクリとこちらを見て、その場から逃げ出した。
まったく、本当に騎士なら騎士らしい振る舞い方をしてほしい。


どうやら、黒杉くんは騎士たちの言葉は聞こえてなかったようだ。
それなら良かった。


そして、私達は部屋に案内された。
どうやら、私は勇者だから一人部屋に案内された。
豪邸だ・・・、いやまぁ、私の元の世界と同じぐらいの部屋の大きさなんだけどね。
私はベットにそのままダイブする、フカフカで気持ちが良い・・・。
このまま、寝っ転がってしまうと寝てしまうからすぐに起き上がる。


「取り合えず、シャワーして寝るか・・・」


私は服を脱いで、シャワー室に駆け込んだ。
今日は変な汗ばっかり掻いて、気持ち悪かった。
私は鼻歌まじりでシャワーをする、やはりお風呂は気持ちが良い。
ふと自分の胸をみる。


「もうちょっと大きくならないかなぁ・・・」


私は小さな胸を揉んで、ため息をする。
ここまで、断崖絶壁だと私は上半身脱いでも男だとバレないんじゃないかって思うよ。
女としてもうちょっと合ってもいいじゃないか!!
私はそう思いながら、シャワーして就寝した。


――――朝


(今日から訓練だ・・・眠い・・・。)


私は朝が弱いのだ。
起き上がると、服が用意されていた。
私はそれを着て、鏡を見るとそこには男性用制服を着た私が写っていた。
知ってた、知ってたよチクショウ!


私は不服に思いながら、食堂に向った。
廊下を歩くと、なんだか色んな所から視線を感じる。
後ろをちらりと見ると、クラスメイトやお城のメイドの視線だった。


「御剣君、今日も素敵ー・・・」
「しゅきぃ・・・」
「あれが勇者様?イケメンじゃないですか、しゅきぃ・・・」


うん、突っ込まないぞ。
私は女だ、うん、イケメンなんて言われてもそこまで嬉しくないぞ・・・グスン


私は食事を済ませて、訓練所に向った。


「よく来てくれた!勇者達!今日からお主らの教官となる!アルバード=クイッカーだ!この国の兵士長をしている!」


そこには鎧に傷だらけの小太りのおじさんが大きな口を開けて笑っていた。


「なんだ、この小さいおっさんは!と思っただろう!まぁ、私はドワーフだからな!ッハッハッハ!」


おぉ!ドワーフなのか!なら納得だぁ!
デカい斧が似合うなぁ。


「さて!確かこの中に勇者がいると聞いたが!誰が勇者なんだ?」


あー、私の事なんだろうなぁ、
取り合えず、第一印象は良くしよう。


「僕は御剣 正義といいます!本日はご指導の方よろしくお願いします!」


「ふむ、中々いい面構えだ!顔もいいだけにな!ハッハッハ!」


うん、これは褒められてるのかな?
多分、褒められてるんだろうな。
アルバートは訓練用の剣を私の前に回転させながら投げて地面に綺麗に突き刺さった。


「よし!まず勇者殿に相手してもらおうか!」


その瞬間、私に向けて先ほどの優しい表情とは違って険しく顔でアルバートは"圧"を掛けてくる。
私の地面にある直ぐ様に地面に刺さった剣を抜き構えた。


「っく・・・」


私は剣道しかやったことないから、この構えしかできなかった。


「ほぉ、珍しい構えをしてるじゃないか
そうだな、ハンデとして俺は剣で戦ってやろうじゃないか」


アルバートは剣を抜く、同じ訓練用の剣なのにアルバートが構えるそれは業物に見えてくる。
様々な戦場に出た歴戦の戦士が圧が私の体中からピリピリと伝わってくる。
私はそれに飲まれないようにする為に、"殺気"を放つ。


「ふぅ...ふぅー!!、ハァア!!」


私は地面にありったけの力を踏み込み走り出す。
その瞬間、いつも以上のスピードが出た、これなら!
私は相手の頭に向って思いっきり剣を振った。
だが、アルバードは片手に持ってる剣で軽々と受け止めた。


「なるほどなぁ、たしかにステータス通り強い、しかし、戦いはまだまだ素人同然だな」


そのまま防御したまま、そのまま私の腹に向って蹴り飛ばした。


「ギャ・・!」


私はそのまま地面に転がりながら吹き飛ばされた。
その途中、クラスメイトが叫ぶ声が聞こえた。


「御剣くーん!!」
「みっちゃーん!」
「きゃー!御剣君ー!!」


このまま、一発も食らわせられないのが悔しかった。
それに・・・。
私は黒杉くんをちらりと見る。
好きな人の前で無様な恰好を見せるのが嫌だった、だから私は立ち上がった。


「っぐ...」


「やめとけ、やめとけ!今回は試しだ!勇者の坊ちゃんありがとな!」


うるせぇ!私は坊ちゃんじゃねぇ!
生憎、私は負けず嫌いだから剣を構えることにした。
だがアルバートは剣を納めて言う。


「勇者のぼっちゃん、お前はもっと強くなれる、すぐにわしを抜かせるだろうから頑張れ!」


力の差は歴然だった、アルバートが言ってる事も一理ある。
なら私のとる行動は剣を納めることだった。


「っぐ...ありがとうございました。」


私は限界だったのか、視界が揺らいでその場に倒れこんだ。


「きゅ~・・・」


情けない声をだして、そのまま気絶した。
うぅ、恥ずかしい・・・。

          

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