初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

第28話 戦略的な楊一と食い意地を張るクレナの話

俺は腕に刺さったナイフを抜く、
腕は赤く染まっていた、血が付いたナイフをそこら辺に投げ捨てた。
傷は深く、自動回復で治るには時間が掛かりそうだ。


「ヨウイチ!大丈夫か!?」


クレナは短刀状態で話しかける。
クレナの声は震えていた、腕に大量の血が噴き出しているからであろうか、心配していた。
俺は心配させないために


「大丈夫だ、問題ない」


と俺はクレナに言う。
しかし、腕の痛みが酷い
ふと、自分の腕を見てみると自動回復してる様子はなかった
むしろ、出血が酷くなってる事に気が付く。


それに察したのか紅嘉は説明を始めた。


「気づいたみたいだな!オレの能力だよ」


紅嘉の能力はナイフで攻撃すると自動回復を無効化し、出血状態にする効果だと言う。
そういえば、最初に紅嘉が投げた顔の擦り傷は治るのに時間が掛かったことに気が付く。
もう少し早く、気づくべきだった。


「まぁ!気づいても遅いんだけどな!!」


再び紅嘉が動き出す。
手に持っていたナイフを地面に深く突き刺し、そのまま体ごと振り回すように剣を振る
その攻撃は最初の攻撃と違って重かった。


「っぐ!!」


俺は何とか、紅嘉の横に振った剣を防ぎ、飛ばされそうになったが持ち堪えた。
しかし、攻撃は終わらなかった。
2撃目の攻撃は横で薙ぎ払った後、ジャンプしてそのまま真正面でそのまま縦に振り下ろす。
腕にダメージ残っているのか腕に激痛がはしる。
俺は唇を噛み、腕の痛みを堪える。



「アハッ!!ずっとガードしてたんじゃ!私を倒せないよ!!」


紅嘉は笑う、それは純粋な笑顔で
しかし、その純粋な笑顔で殺されかけているのだ。
その場を凌ぐ為に『残影』を使う。


『何!?』


紅嘉は5人に増えた私に驚く、その隙に回復の丸薬を食べて、回復をする。
腕の痛みはみるみると引いていくのがわかる。
紅嘉は残影に攻撃するが、攻撃がすりに抜けることに気づく
此処で初めて、残影だと気づいた


「随分、珍しい残影を使うねぇ」


そう言うと、剣で残影で作った囮を薙ぎ払って、私に突っ込む。
俺は複数のナイフを持って、『極限投擲』を発動させる
無数の閃光を紅嘉に襲う、しかし、紅嘉はそんなのお構いなく切り伏せる。


「おいおい、マジかよ。」


俺は思わず声に出してしまった、強化されたナイフで投擲スキルを投げたのに"全て"切り伏せたのだ。
俺は常時スキルを発動させた状態で投擲をし続ける。
その度に、閃光の様に放たれる攻撃は更に細く切られるのだった。


また一歩、また一歩と近づいてくる。
紅嘉はヒャッハーと言いながら近づく
そして、俺の前まで近づいて、剣を振る。
食らうわけにいかないと思い、腰につけていた刀を取り出し剣の攻撃を防ぐ
紅嘉はもう片方の手にナイフで腕に刺そうとした。


「同じ手に、そう何度もかかると思うな!」


俺は、もう片方の手で紅嘉のナイフを持った腕を掴みスキルを発動させた。


「極限砲撃!!!」


俺は紅嘉を奥に向って投げた、紅嘉は勢いよく洞窟の壁に叩きつけられ岩に埋まった。
流石に無傷ではいかないだろう。
油断した、その瞬間に紅嘉のいた場所から埋もれていた岩が粉々になった。


「今のは流石に効いたねぇ!!まさか投擲スキルは人間まで投げれるとは思わなかったよ!」


そう言って、何事もなかったようにケラケラと笑う紅嘉だったよ。
クソ!これもダメなのか!俺は考えた、どうしたらいいのか
現状は何しても勝てないのは確定だ、なら考えるのは一つ!


「仕方ないな、俺のとっておきをみせてやるよ!!」


俺は構える、そして警戒する紅嘉
今度は、何してくれるか楽しそうな顔をしていた。
俺は構えて、後ろに向って"走った"
紅嘉は何が起きたのが分からなかった。
だって、黒杉が"背中"を見せて走ってるだけだった。
思考停止した紅嘉はようやく気付いた・・・。


黒杉は"逃げ出した"


「あ、てめえええええ!逃げるな!!」


後ろから紅嘉の声が聞こえてきた。
後ろを振り向くと、すごい気迫で迫ってくる紅嘉がいた。
俺は再び前を向く、そして俺は言ったのだ。


「逃げるんだヨオォォォ!!!!」


とはいってもこのまま追いつかれるのは時間の問題
そこで俺は一つのカプセルを取り出して、投げる。
そこに出てきたのはバイクだ!
初めて乗るのだが、パッシブの『千手』の効果でなんなく使いこなせた。


「あ、ずるい!オレはまだもらってないのに!!」


そりゃ!あんな小さい子供には乗せたくないもんな!!
俺はバイクに乗ってその場を逃げ出したのだった。


その遠くに響く紅嘉の声は次第に遠くになっていくのだった。


しばらくして20分経った


「風が気持ちがいいですね!!!」


クレナは後ろの後部座席にしがみつきながら乗っていた。
ヘルメットは一つしかないので、クレナに装着させておいた。
さて、逃げたのは良いがこれからどうするのか・・・
このままだと、攻撃してもダメージを与えることができない。


幸いにもここには、魔物がいる。
ならやる事は一つだった。


「LV上げかぁ・・・」


俺は現状に出来ることLV上げをする事にした。


―――――――――???



「やっと見つけた!」


セヌーア達は立ち止まる
そこには一人の影があった。
影は立ち止まる。


強い風が吹く、フードは捲れ
顔が見えたのだ・・・。


アクレアは前に出た


「ウサさん、やはり貴方だったのですね。
しかしその姿は・・・」


「うーさん・・・、その姿は!」


そこには月ノ城の姿があった。
しかし、月ノ城の顔は左の側に向って黒く浸食されたいた。
その姿は半分化け物の状態だった。
見てて、痛々しい姿はどこか苦しそうにしてた。


「あぁ、お前たちか・・・」


月ノ城は意識はあった、会話はできるようだ。
アクレア達は会話を試みる事にした。


「うーさん!その姿は何ですか!?何があったんですか!!」


その姿を見て、シルクは興奮していた。
しかし、月ノ城は刀を構える、その瞬間目の前からいなくなり、シルクの後ろにまわった。


「すまねぇな、死んでくれ」


「・・・ッ!?」


そう言って、シルクの首に向って刀を振る
しかし、シルクの首に刀に届くことはなかった。
アクレアの剣が月ノ城の攻撃を防いだのだった。


「ウサさん!本当どうしたんですか!私たちが分からないのですか!?」


「・・・」


月ノ城はアクレアの剣を振り払い、一瞬で元の位置戻った。


「あぁ、分かるとも、セヌーア、アクレア、そしてシルク」


セヌーアは月ノ城に向って話す


「何故、攻撃するんだ?」


月ノ城はため息しながら、持っていた刀をしまい話はじめる。


「ちょっとした、挨拶だろ?そんな怒るなって」


嘘だ、あれはどう見たって殺そうとしてた、だって"殺意"見えていたのだから。
シルクは涙目になっていた、無理もないだろう今まで相棒として活動していた人が
殺意を持って殺し来ていたのだから。


「まぁ、なんだ、やられてしまってな」


月ノ城の話す姿は普通だった、しかし禍々しい魔力は隠しきれていなかった。
アクレアは誰にやられたのかと思い話す。


「じゃあ、いったい誰に・・・」


「それは言えないな」


「何故?」


月ノ城は罰悪そうに話す。


「この呪いのせいだ、言えば俺が死ぬ」


「なるほど、つまりあんたの呪いを解けば聞けるってことだな」


セヌーアの魔力が膨れ上がる、何倍、何百倍にも
シルクは慌てた様子でセヌーアに話しかける


「セ、セヌーアさん!?うーさんに何をするつもりですか!?
明らかに人を"殺す"ぐらいの魔力を放出してるじゃないですか!?」


「あ、あぁ、殺すぐらいじゃないと勝てないよ」


セヌーアは悟っていた、あれは今までの月ノ城じゃないということを。
普通にやってたら死ぬ、殺意の塊の相手に今の状態じゃ"殺意"だけで殺されてしまうのだから。
月ノ城は不気味に笑いだす、その笑いは高らかになっていく。


「クク・・・クハハハハ!!いいねぇ!あぁ、たまらないさ!
あの頃を思い出す!君達の暖かい血で心地よくさせてくれよ!」


月ノ城の殺意がさらに膨れ上がった。
その殺意は、周りの"魔力も魔素"殺されていた。
アクレアとシルクも武器を取り出す。


3人は気づく、浸食されてない右側の目から涙が落ちていた。
それを見たシルクは前に立つ。


「うーさん、苦しいのですね」


シルクは静かに『変身』をした。
ならシルクがやる事は一つだった。


「アーッハッハッハ!あれは誰だ?鳥か?猫か?いや私だ!」


シルクは震えを抑える


「好きな言葉は猫まっしぐら!!」


シルクの瞳はまっすぐ羽咲を見つめる。


「キャットうーにゃん惨状!!」


そして、シルクは言う


「うーさん!貴方は少々暴れすぎです!なのでこれが終わった金貨2枚を要求します!!」


「・・・」


月ノ城は微かに笑った気がした。
しかし、それは一瞬だった、殺意は再び膨れ上がる。
シルクは怯まなかったなぜなら


「僕は貴方の命の恩人です、だから次は貴方を救うヒーローなる」


シルク達は武器を構え、圧倒的な相手に立ち向かうのだった。



―――――――1ヶ月後


俺とクレナは何とか、4姉妹の3人の攻撃をから逃れながら生き延びていた。
俺はそれなりにLVが上がった。


【黒杉 陽一】
職業 村人
LV52
HP7000
MP10000
SP6500


攻撃 5000
防御 5000
魔力 10000
精神 6700
素早さ 2000
器用さ 9000
運  16


フヴェズルングの人達と比べて、ステータスは劣るが
前よりは大分マシになった。


ここの魔物は思ってた以上に強かった。
ここの環境がいいのか、ゴブリンでも強かったのだ。
ゴブリンなのに陣形が完璧だったりしてて苦戦してしまった。
他にも、オーク、オーガだったり動きが無駄がなかった。
そのおかげか、成長スキルによってステータスがどんどん上がっていくのだった。


「ふぅ、クレナ飯だぞ」


「わぁい!!」


俺はクレナと一緒に朝ごはんを食べてた。
クレナはガツガツと食べていた、うんだらしない顔して食べてんな。


「やはり、ヨウイチのごはんは美味しいな!!」


「それは良かった」


食事をしていると、どこから何かの音が聞こえた。
その音は次第に大きくなっていく


「ギャオオオオオオオオオ!!」


ドラゴンだ、あれ?こっちに向って・・・
ドラゴンがこっちに向って来るのだ


「おいいいいい!クレナこい!」


「え、ごはんが・・・」


「いいから!!」


俺達はその場から逃げ出す。
その瞬間、ドラゴンが俺達のご飯食べたたころに降りた
クンクンと匂いを嗅いで、食べ始める。


「ああああああ!私のご飯がああああ!!」


クレナのアホ!!大声出すな!!
ドラゴンは俺達の声が聞こえたのかこっちに振り向く
その瞬間、咆哮を放つ!
すごい威圧だ。


そうして俺達は翼が蒼く燃える黒い竜とクレナの食い意地のせいで戦うことになってしまった。

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