初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

第23話 激突!VSシルク!(下)の話

「スラッシュ!!!!」


俺はスキルを発動させる。
しかし、シルクは大剣の一振りで相殺させる。
やはり、ステータスの差があるためか軽く流される。


「っく・・・!」
「よーくん!踏ん張りが足りないです!!」


踏ん張りってなんだよ!
俺はそのまま、第二撃の攻撃を仕掛ける。
俺は剣で突くが大剣でガードされる。


第三撃!俺は斜めに剣を振る、これもガードされる。
しかし、大剣の傷から炎が燃え上がる。
燃え上がった炎は、振り払って消す。


第四撃、俺は腰に掛けてた刀に手を掛ける。
一閃、刀と剣で同時に十字斬る。


「『黒十文字切り』」


切り札その4
ハグレからもらった刀だ。
刀の名前は黒煉丸(こくれんまる)
黒姫ノ姫ほどではないが。
月ノ城さんの妖刀を超える為に作った作品だ。
とても軽い、短剣ぐらいの重さだから使い勝手いい。
切れ味は抜群だ。


俺は大剣を十字に斬りつける。
そして、大剣の切り口から十字に燃え広がる。
その一撃で、後ろに少し下がった。
あと少しで場外だった。


「ぐ、ぐぅ・・・!?」
「まだまだぁ!!!!」


第五撃
俺は素早く、より早く、連続で斬りつける。
シルクは流石に大剣の耐久度を気にし始めたのか、徐々に受け流すようになってくる。
このままだといけない、シルクの"戦闘美学"によって慣れてしまう前に決着を決めなきゃいけない。


第六撃
スキル『加速』を発動。
斬撃は更に激しさを増した。


第七撃
スキル『剛力』を発動。
斬撃の威力をが増した。


第八撃
一歩下がって、黒煉丸を納め構える。


スキル『一刀両断』


俺は渾身の一撃をお見舞いする。
シルクの大剣は真っ二つに折れ、シルクは一歩下がって
ギリギリ避けた、スーツは胸からお仲間で敗れて、スーツの先には白い肌と桃色の下着が見えてた。


「あぁ!私の大剣が!」
「すんません!後でハグレさんに言ってください!」


ハグレ、ごめん!後でお世話になるわ!
シルクは大剣が使えなくなったのか。
腰から、筒みたいな物を取り出す。


「これだけは使いたくなかったですが・・・」


シルクは筒のボタンを押すと、緑の棒が伸びる
ビームサーベルだ。


「うーにゃん・ソード!!!」


ダサっ!?
うーにゃん・ソードってなんだよ!?
シルクは何かポーズを決めて、構えた。


第九撃
俺は再度攻撃する、激しい攻防は続く。
シルクのスーツにどんどん傷がついたり破れていく。


「く、くぅ、あつい!」
「ククク・・・・」


思わず笑ってしまった。
少し愉快になってきた。
徐々に追い詰めていく感じがたまらなくなってくる。


第十撃


俺は、黒姫ノ紅を鞘を納める。
そして、俺の最後の切り札を発動する。


黒姫『蒼炎ノ刻』


その瞬間、シルクの傷口から蒼い炎が噴き出す!
蒼い炎は徐々にシルクを拘束するように巻き付いてくる。


「な、なにこれ!?う、うごけない・・・!」
「これが俺の最後の切り札だ!」


この技は、一定の以上の攻撃を当てなきゃ発動できない。
この攻撃は、シルクさんと近接戦を行わなければ絶対発動する事はない。
今回はうまく、発動出来たようでよかった。


俺は一歩ずつ、近づくいてシルクさんの前にでる。
そして、この修業が終わろうとした。


「シルクさん、俺の勝ちだ」
「あぅ・・・」


俺はシルクさんの頭をタッチした。
俺はシルクさんの修業を無事クリアしたのだった。


「よーくん!!おめでとうございます!」
「鬼ごっこでここまで苦戦するとは…」


俺は拘束を解除した。
シルクさんはやっと解放された感じで背中を伸ばす。


「さすがに、疲れました・・・」


そう言って、変身を解除するのだが・・・


「あのー、シルクさん」
「よーくんなんでしょう?」
「すみません、ローブを渡すので隠してください。」
「へ?」


シルクは黒姫ノ炎の効果で回復効果を打ち消した為か、
服が再生されずに桃色の下着が見えてて、際どい格好になっていた。
シルク体を隠すようにしゃがみ込む。
叫びはしなかったが、顔を赤くしてすごく恥ずかしそうにしてた。
俺はローブを羽織ってあげた。
アイリスにもこれぐらい恥じらいを持ってほしいものだ。


「ありがとうございますー!」
「いや、、こちらこそ、すまない・・・」


そこで、拍手が聞こえた。
後ろを振り向くと、ハグレがいた。


「おぉー、いいもん見せてもらったわ!」
「おぉ!ハグレじゃないか!」


そう言って、俺達は拳をぶつけ合う。


「しかし、派手にやってくれたなぁ。」


周りを見ると、大剣が真っ二つだったり。
シルクの服がボロボロだったり、
地面が抉れたりしてた。
すると、シルクはしょんぼりしながら話す。


「ハグレさん、すみません…壊してしまいました。」
「おぉ、いいよいいよ!それに丁度、シルクの装備を強化しようと思ってたんだ!」
「うひゃああああ!本当ですか!」


シルクは嬉しそうに跳ねる。
ちょっと、危なそうに、もう少しで見えそうだったから。
俺は視線を外した。
すると、アイリスはじっと見つめる。
クレナも武器状態を解除して、俺をじっと見つめる。
やめろぉ!俺はそんな目でみるなぁ!


「ヨウイチ・・・、あとで話がある。」
「楊一さん、私も話があります。」
「あ、はい」


うん、逃げ道が完全になくなった。
ハグレは気の毒そうに見てくる。
ハグレ、お前もそんな目でみるな・・・。


「黒杉の武器の状態をみてやるから、その黒煉丸を渡してくれ」
「おう、サンキューな」


俺はハグレに刀を渡す。


「取り合えず、明日には直すようにするから、その時にきてくれや!」
「おう!じゃあ、また明日な!」


そう言って、俺達はシルクさんの修業を終えた。
そして、俺は強くなったのだった。


――――――――――???


俺は意識が辛うじて残ってた。


「くそっ・・・、ヨハン・・・面倒の事してくれたな。」


まぁ、油断した俺が悪いんだけどな。


体が、少しずつ蝕んでいく・・・。
きついなぁ・・・
戻るに戻れなくなってきたよ・・・


俺は手に付いている血を見る。


この手を見る度に、俺はこの手で仲間を殺した事を思い出す。
でも、心地良いんだ・・・。
生暖かい・・・あの感触が忘れない。


男は、体が蝕んでいく中


闇に消えて行ったのだった。






          

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