初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

第22話  激突!VSシルク!(中)の話

俺はクレナを手に持ち走り出す。
黒い短剣の刃先は黒いが紅い光の線が見える。
そして、俺は黒姫ノ紅を投げる。
シルクは軽く避けるのだが。


「『黒姫ノ影』」


俺は黒姫ノ紅を投げた場所に転移する。
シルクの背中ががら空きだった。
しかし、シルクはすぐに気づき、素早く離れた。


「い、いつのまに!?」
「俺の新しい技だ!!!」


この技は残影EXを開放したことによって、覚えたスキル。
黒姫ノ紅を投げたら、黒姫ノ紅の所まで転移をする事ができる、
また、黒姫ノ紅を投げた時、直ぐに手元に戻すことが出来るようになる。


俺の切り札その"1"だ。


「行け!!黒姫ノ紅!!」


俺は再び黒姫ノ紅を投げる。
転移を警戒したのか、シルクは移動する。
俺は直ぐに、黒姫ノ紅を手に戻して投げる
現れた、シルクは黒姫ノ紅を間一髪避ける。
俺は『黒姫ノ影』を使って転移をする。


「むむ!!?」


シルクは直感で後ろに手を伸ばす、俺の手を避けた。
これが厄介だ、シルクの極限に磨かれたバトルセンスは直感もあり得ないぐらいに鋭い。
そして、シルクは後ろにさがり話す。


「僕は生まれながら、スキルが少なかったんです。
その度に、村の皆には弱いとかダメなやつーとか馬鹿にされました。」


シルクはゆっくり語る。


「だから、よーくんには親近感がありました。
そして、こんな短期間で強くなるよーくんがうらやましいです。」
「よく言いますよ、残影を見ただけで模倣的に発動させるなんて
シルクさんに言われたくないですよ。」


シルクは笑う


「むっふー!あんまり褒めないでください!照れちゃいますよ!」
「じゃあ、そのついでに捕まってください!」
「あ、それは無理ですね!」


シルクは避ける、なんだか楽しそうだ。


「それで、僕は村の人に捨てられてしまいました。」


突如の事で、驚く
シルクさんは想像以上に辛い過去があったようだ。
村の人に捨てられる。
自分はクラスメイトの一人に捨てられた事を思い出す。
普通ならあんなに笑っていわれる筈もない。


「そんな時に、私は魔物に殺されそうになった時に、うーさんに拾われました。」


なるほど、月ノ城さんらしい。


「うーさんに言われました。お前は強くなれる、こんな所で死ぬじゃないって
最初は何言ってるんだろう?私はスキルはこれ以上覚えられないのにと思いました。」


シルクは懐かしそうに語った。
しかし、シルクと俺の攻防は続く。


「うーさんと過ごしているうちに私は強くなりました。力の使い方も教えていただき
そして、今"ヒーロー"として君臨しているのです!!」


シルクはいつも通りに、「むっふー」って言いながら避け続けるのだった。


「さぁ!よーくん!まだまだ本気出してないの知ってますよ!
次は何をしてくれるんですか!」


シルクは次は何をしてくれるか楽しみしてるようだ。
ではその期待をこたえなければならないな!
俺は、黒姫ノ紅を構える。
魔力と魔素を調整する。
黒姫ノ紅の刃は赤黒く光りだす。
俺はシルクさんに向けて振る。


「『黒姫ノ刃』」


俺は3回振る、その斬撃はシルクに向かって飛んだ。
シルクは普通に避けた。


「よーくん!今の斬撃は手を抜いたんですか!!」


シルクはちょっと怒った。
怒るのにはまだ早いんですけどね。
三つの斬撃は3方向に分かれて、Uターンしてシルクに追尾し始める。
シルクはそれに気づくように
斬撃を避ける、しかし避けても追尾し続けたのだ。


「ちょちょちょちょ!?追尾とか聞いてない!?」
「だって、言ってないですし。」


俺は苦戦してる間に、霊水を飲む
黒姫ノ刃の追尾する斬撃を放つ代わりに弱点は膨大の魔力を使う事だった。
これが俺の切り札その2だ。


周りにはアイリスが"炎ノ砲"で援護射撃をし続ける。
苦戦する、シルクであった。
流石に、ここまですれば、焦りが見てくる。


「むむむ!仕方ないですね!私をここまで追い込むとは!
では私も少し本気出しましょう!」


そうすると、迫りくる斬撃に攻撃する構えをした。


「必殺パンチ!!!」


シルクのパンチは斬撃を吹き飛ばした。
次にアイリスの炎ノ砲が飛んでくる。
しかし、シルクはジャンプして、そのまま・・・


「必殺キック!!」


アイリスの炎ノ砲を粉砕した。
俺はこの光景をみて唖然とした。
俺達の攻撃がパンチとキックで全て防がれてたからだ。
そう普通ならあり得ないのだ。


「くうーー!!!流石にあの斬撃を止めるのは少し難しかったです!」


シルクは手を痛そうにしてた。
今の攻撃を痛いで済むのが改めて、人外だなぁって思うのだった。
さてこれからどうする。
手足を使い始めるってことは相当追い込まれていている証拠だと思うことにした。


「ヨウイチ・・・」


アイリスは少し落ち込んだようだ。
自分の攻撃を防がれるとは思っていなかったんだろう。


「大丈夫だ、俺にはま秘策がある。」


そうだ、秘策はまだある。
ここが正念場だ。
俺の秘策をすべて使い切るか、その前に捕まえるかだ。
俺は歩き出してシルクさんの前まで立った。


「よーくんは、次は何してくれるんですか?」


少し警戒した所で、俺は黒姫ノ紅を振る。
シルクさんは普通に避けた。
そう普通に避けたのだった。
シルクさんの被った仮面の頬の部分が斬り後がついて、斬り口から炎が爆発するかのように出てくる。


「なぁ!?」


シルクは慌てて、離れて仮面の切り口を慌てて消火する。


「いま、なにしたんですかぁ!?」
「もう一回やります?」


接近して攻撃する、シルクはさっきみたいに避けるが。
何故か"当たってしまう"、
当たった部位から炎が出てくる。


「あちちち!?」


それも手で払ってすぐに消化する。
シルクは黒杉の短剣を目を凝らして見た。


黒杉の短剣が薄くではあるが。
先ほどの黒い斬撃が剣に見たいに伸びていた。
そして、シルクは気づいた、変身スーツが再生しない。


黒杉の切り札、その3
『黒姫ノ炎』『黒姫ノ罪』
黒姫ノ罪の効果で
短剣状態から剣の状態に変形させる。
剣は半透明化されて、見えづらくなる。


黒姫ノ炎は
傷をつけた場所から炎を発生させる。
発生させた場所からは、回復を止める効果がある。


俺は剣を構え、ジリジリと近づく。
一歩、一歩と歩いた。
そして、刃を向けて宣言をする。


「シルクさん、俺はこれで決めます。」
「よーくん!いいですね!盛り上がってきました!なら私も期待に応えるしかないですね!」


そして、シルルは武器を取り出した。
それは刀身が光る大剣だった。


「さぁ!よーくん!クライマックスなのでがっかりさせないでくださいよ!!」


俺はシルクさんの得意分野の近接戦闘を持ち込んだのだった。

          

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