初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

第15話 魔眼と墓の話

あれから5時間程経った。


黒杉は腕に魔力を込めて、石に魔力を込めると石が弾け飛んだ。
魔力を入れると、石が壊れてしまう。
魔素を取り入れれば、石が砂になっていく。
やはり、同じタイミングでやるしかなかった。


「ぐ・・・ぐあぁ!」


俺は腕の痛みを耐えるが、石を落としてしまう。
ユキは腕を抑える自分に治療し始める。


「あ、ありがとう。」
「・・・」


ユキはコクリと頷く。
ふと、アイリスを見る。
初めてやる事なのに、普通に出来てしまったのだ。
俺はアイリスに質問した。


「なぁ、アイリス。」
「ヨウイチ・・・どうした?」


アイリスはキョトンした顔してる。
急に話しかけられたから、少しびっくりしたようだ。
俺はそのまま話を続けた。


「アイリスは、どうやって魔力と魔素のコントロールをしたんだ?
初めてやる事なのに、直ぐに出来てしまうからさ気になったんだ。
何かコツ見たいなのがあるのか?」


疑問に思い聞くことにした。


「私はユキさんから"見える”魔力と魔素の流れを真似ただけですよ?」
「「はい?」」


ユキも同じ反応だった。
確かに、ユキさんが魔力が強いのは肌に感じてわかるけど。
魔力と魔素が"見える"って事はないのだ。
それこそ、月ノ城さんが洞窟で使った機械がない限りは数値化して確認ができないのだ。
考えていると、ユキが口を開く。


「・・・魔眼」


ユキはそう言ったのだった。
この世界に魔眼という物があったんだ・・・。
ちょっとかっこいいと思ってしまった。
しかし、その思いは一瞬で後悔する事になった。
ユキはアイリスの目を見て語る。


「・・・魔眼、この世界では疎まれる存在・・・。」


ユキはそう言った。
アイリスの表情が暗くなっていく。


「魔眼は効果が強すぎる故、皆・・・その力に怯える・・・
魔眼と分かれば直ぐに処刑される・・・。」
「なるほど」


俺はアイリスが何故、あの洞窟に閉じ込められていたかが少しわかった気がする。
きっと、大体の理由は魔眼を所持していたからだろう。
ただ、それだけでもないの分かる。
だが、今は分からない。


俺はアイリスを見た、少し震えている。
俺はアイリスに近づいた。


「ヨウイチっ、ちが・・・」


アイリスは怯えているようだ。
自分が魔眼を持っている、だからまた捨てられると思っているのだろうか?
俺はアイリスの頭を手に置いて、そのまま撫でた。


「ヨウイチ・・・?」
「アイリス、何を怯えてんだ?」


怯える必要なんてないんだ。


「で、でも・・・、私は魔眼を持ってて・・・」
「それがどうした?アイリスはアイリスだろ?」


そうだ、アイリスはアイリスなんだよ。
俺にとって、アイリスの存在は支えになってるんだ。
きっと、アイリスがいなければ野垂れ死んでただろう。


アイリスは目を丸くした。
その言葉を聞いて、安心したのだろうか?
少しの涙を流してた。


「俺は約束しただろ、一緒に旅をするんだろ?
俺もアイリスとこの世界をまわりたいんだ。」
「う、うん・・・!」


アイリスは抱き着く。
服に涙でくしゃくしゃになっていた。
アイリスは泣き虫だなぁと思うんだった。


「あの・・・、イチャイチャするのは構わないんだけど、修業しないの?」


ユキが話しかける。
アイリスはッハと我に戻りに顔を赤くして離れた。
取り合えず、気にしないでおこう。


俺はアイリスに魔眼で何が見えたか聞いた。


「アイリスはユキの魔力の流れをみたんだったな?」
「うん、そうだよ」


そう言って、いつものアイリスに戻り、説明を始める。


「なんて、表現したいいのかな・・・?」


どうやら、どう説明したらいいか困っているようだ。


「魔力は皮膚にくっ付くっていうより、血管の中を巡ってる感じ?
魔素は吸い込むというより、くっ付いている?」


そう説明するアイリスであった。


「ヨウイチの場合だと、無理に魔力と魔素をくっつけようとしてる感じがした。
そのせいで、魔力と魔素が反発して、暴走してる感じがする・・・。」


ユキも黙って、頷く。


「なるほど、アイリスありがとう。」


お礼を言って、もう一度やってみる。
魔力を血管を巡らせるようにイメージを
不思議な感覚だった、そして次に魔素を皮膚にくっつくイメージをした。
その瞬間、体の奥から全身から力が沸き上がってくる感覚が来る。


「・・・!!、これが魔素と魔力のコントロール・・・」


急に力がみなぎったせいか、集中力が切れた。
その瞬間、全身に激痛が走る。


「イダダダダダダ・・・!?」
「よ、よういち!?」


アイリスは慌てて駆け寄った。
ユキは呆れた様子で近づき全身に魔力と魔素の調整をする。


「ゆ、ユキさん・・・ありがとう」
「・・・アホですね。集中力が切れれば制御ができなくて暴走する・・・」
「そ、それを早く言ってほしかった。」


ユキは慣れたのか少しずつ、毒を吐くようになってきた。
これも信頼されつつあるかもしれないと。
前向きに考えるようにした。


そして時間が遅いし今日の修業はここまでにした。



――――――――――「???」


崖の上から海が見えた。
とても広く綺麗だった。


「よぉ、久しぶりだな」
崖の上には墓が立っていた。
男は花を持って、そっと墓に上に置いた。


"ミリア=ザムジード 此処に眠る"


男は月の明かりによって、照らされた。
月ノ城 羽咲だった。
月ノ城はその場に座った。


「俺はお前のおかげでこうして生きてる。」


その表情は何処か悲しげだった。


「でも、俺はお前を守れなかった・・・、ごめん。」


ただただ、懺悔する。


「お前にもう少し世界を見せたかったが、それは出来なくなった。
今できるのはこの綺麗な海を見せることだけだ。」


月ノ城は立ち上がって、手に持った聖水を墓に掛けた。
すると、後ろに気配を感じた。
すぐさまに、刀を手に掛け後ろを振り向く。
そこには、国王ヨハンの姿があった。


「ヨハン、何しに来た?」


俺は憎々しそうに睨む。
しかし、ヨハンはそれに動じず、ミリアの墓に近づいた。


「そう、警戒するな。」


ヨハンは近づいて、墓の上に花を置いた。


「今日は娘の命日だ。親が来てもおかしくないだろう?」


ヨハンは優しい口調で話す。


「俺はお前を許した覚えはない」
「あぁ、許されようとは思っていない。」


俺は拳を強く握りしめた。


「何故!あの時、ミリムを行かせたんだ!」
「・・・仕方なかったんだ」
「仕方ないだと!?ふざけんな!」


ヨハンは無表情だった、そう無表情で語る。


「お前も何故分かってて、何故魔獣と魔王を討伐するんだ!答えろヨハン!」
「分かってないのは、お主だ」
「何!?」


ヨハンは語る。


「この世界はもう腐ってるんだ、この世界は悪意に満ちている。
だから世界をリセットさせる。」


ヨハンの口調は少しずつ強くなる。


「そんな世界にもう希望が持てないんだ。」


ヨハンは聖大剣を取り出す。


「ヨハン、お前は一体何が見えているんだ?」


月ノ城は我に返り、刀に手を掛けた。
殺気を感じる。


「気にするな、時期にお前も娘の元に送ってやるさ」


ヨハンの魔力が禍々しくなる。
次第に聖大剣が黒く変色する。


「ヨハン・・・、お前・・・既に・・・」
「ククク・・・、これがかつて英雄と言われた慣れの果てだよ。」


ヨハンは不気味に笑う。


「月ノ城、神には勝てないんだよ。」
「急に何いってんだよ、やってみないとわからねぇだろ」
「いや、無理だね」


ヨハンは断言した。


「あぁ、そうかい!俺はそれでも抗って見せる!」
「では、我の力を味わうが良い。」


同時に動き出し、互いの剣撃の音が海に向って響くのだった。
最愛の人と最愛の娘の大好きな海の前で虚しく音が響くのだった。

          

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