初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

第10話 乗り物と新しい力の話

僕達はあの洞窟を脱出してから、西に向かうのであった
あぁ!新鮮な空気だ!ふぅっふうううう!!
ここ2週間の間はずっと、洞窟の中にいたせいか。
ものすごく眩しく感じる。


「うぉっ、まぶし!」
「太陽だぁ!!」
アイリスはYの字に腕を上げて、太陽を拝んでいた。
どこかで見たことあるようなポーズだが、気にしないでおこう。


「これを見てくれ」
月ノ城はポケットの中に入っていた、地図を取り出す。
どうやら、ここの世界での世界地図らしい、
西側の方に赤い丸がついてる所に指を指す。


「ここが、俺たちの拠点だ、今からここへ向かう。
そして、俺達はここにいる。」


そう言って、月ノ城の指は北への方を指す。
結構距離があるそうだ、ここからだと2週間程かかりそうだ。


「普通なら2週間ほど掛かりそうだが、俺達には秘策がある。」
「秘策とは?」


そう言って、カプセルみたいな物を取り出した。
「それは?」
「これはだな・・・」


月ノ城はカプセルのボタンらしきものを押して、投げつける。


ドンッ!!!
煙がもくもくと立ち上がり
やがて、晴れていくとそこには・・・
漆黒の自動車が現れたのだ。
そして、俺は思うのだ・・・
これ見たことあるやつだーーー!?
ドラ〇ン・〇ールじゃねぇか!!


そして、月ノ城は決め顔でいう
「ブラック・ロータスⅡ世だ」
「ブフッ・・」


やばい、吹きそうになった。
しかも、無駄に車がかっこいいからなおさらだ。


「どうした、黒杉?」
「な、なんでもない・・・!」
「まぁ、いい・・・さぁ、乗れ」
そう言って、車のドアは縦にスライドする。


「ヨウイチ・・・これ乗っても大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ、俺の世界では当たり前の乗り物なんだ。
てか、何故この乗り物がこの世界にあるんだ?」
「まぁ、それは乗りながら説明しようか」


そう言って、全員車に乗り発進したのだった。


「月ノ城さん、この乗り物は?」
「これは俺の組織の一人の提案で作られた物だ。
そして、そいつは転生者なんだ」
「転生者・・・」
「なんでも、前の世界で記憶を引き継いで生まれ変わったらしい。」
「なるほどなぁ・・・」


転生者か・・・、この車を作ったというなら、きっと俺と同じ世界の人なのかもしれない。
そして、この世界は転生者がいる事がわかった。
召喚される、以外でこの世界でくる方法があるってことが分かった。
ただ、それを知っても、それがどうしたって話になるんだけどな。


――――1時間後


「う、うぅ・・・」
何か、後ろでうめき声が聞こえると思えばアイリスだった。
後ろを見てみると、シルクがアイリスの背中をさすっていた。
まぁ、慣れてないと、そうなるよな・・・


「ヨウイチぃ・・・・」
「あぁーはいはい・・・、もうちょい我慢してくれ・・」


そういって、涙目になりながら我慢するアイリスであった。


「あ、そうだ!!」
「どうしたんだ?シルクさん?」
「実は良いものがあるんですよ!!フッフッフ!!」
そういって、シルクは自分の鞄をガサゴソさせて、何かをとりだした。


「じゃじゃん!アメちゃんです!!アイリスさん!これをなめてください!」
そういって、アイリスを飴玉を受け取れ舐めはじめる
そして、アイリスは目を閉じて、少し落ち着いたようだ。


「後、2時間ぐらいだからガマンしてくれ。」
「わかった」


そう言って、外を眺めるのであった。
やはり、ここの世界に車は似合わんなぁって思いつつ。


「なぁ、月ノ城さん」
「なんだい?」
「俺のスキルなんだけどさ」
「ふむ?スキルかね?」


そう言って、表示されないスキルと成長スキルを見せた。
「ふむ、成長スキルか・・・、珍しいものを持ってるね」
「し、知ってるんですか!?」
「あぁ、知ってるとも」


よかった!やっとスキルを詳しく聞ける人がいた!
月ノ城は成長スキルの事を語った。


「その成長スキルは、自分の体を鍛えることによってステータスを上げることができる。」
「き、鍛える?」
「簡単に言えば筋トレだ」
「筋トレ!??」


衝撃の真実だった。
まさか、筋トレするだけでステータスが上がるなんて・・・。
「攻撃を上げるなら、岩をもったり、素早さをあげるなら重い物をもったりして走るといいぞ。
器用さが微妙に高いってことは・・・、多分モンスターを急所攻撃した、料理とかしてたら上がったんだろうな」
「なるほど」


これで説明がつく、微妙にHPと器用さが高いのは
「あと、成長スキルはもう一つ能力ある」
「そ、それは?」


思わず、俺はゴクリと飲み込んだ


「それはだな、スキルを使うたびに強くなっていくんだ」
「でも、それって普通じゃないですか?」
「実はちがうんだ、通常スキルってのはステータスとパッシブで攻撃力は上がっていくんだが。
成長はそのスキル自体が成長するように強くなっていくんだ。」
「・・・・?」


ん、どういうことだ?ちょっとわからんな?
月ノ城は察したのかもう一度説明をした。
「例えば、通常だと、LVが上がればステータスがあがれば、威力は上がるだろう?」
「あぁ、そうだな」
「成長スキルはそのスキルを使い続ければ、LVが上がらなくてもスキルがどんどん強くなっていくんだ、上限はあるけど。」
「ほー!」
なるほどな、そういう効果があったことに素直に関心した。


「ケロベロスの時、物を沢山投げてただろ?あの時気づかなかったのか?どんどんスキルの威力が上がっていくのを」
「あぁ、確かにそうだったな」
実際ケロベロスの戦いを思い出すと。
投げるたびに、武器がどんどん深く刺さっていたな。
俺はまだ強くなれる可能性があるってことに少し喜びを感じた。


月ノ城は俺の表情をうかがうように話す。
「強くなりたいのか?」
「あぁ、俺はつよくならなきゃいけないんだ。」
そうだ、俺は強くなってアイツに仕返しをしなければならない。
俺は忘れない。
そう考えていると月ノ城は話す。
「もし、復讐を考えているなら考え直した方がいいぞ。」
「何故なんです?」
「・・・」
月ノ城は少しだまり、再び口を開き話す。
「それは自分で考えろ」
「なんだよそれ・・・」
「ただ、一つ言うとすれば、虚しくなるぞ」
「・・・」


俺は月ノ城さんの言葉に重みを感じた。
彼には過去に色々あったんだろうか、彼はまるで過去に懺悔するかの様に生きてるようにみえたのだった。
「まぁ、強くなりたいなら、協力はしよう」
「本当か!?」
「あぁ、ただ俺たちの仕事を手伝ってもらうが大丈夫か?」
「あぁ!もちろんさ!」
「っふ・・・、期待してるぞ。じゃあ、もう一つの表示されないスキルを見せてみろ。」
「ん?これか?」
そういって月ノ城は表示されないスキルを手をかざす。
すると・・・


バチィ!!!


「うわっ!?」
いきなりの事でびっくりしたが、月ノ城さんは何をしたんだ?
そうすると、月ノ城はかざした手をどけると、今まで表示されなかったスキルが見えるようになった。


「転職の加護・・・」
「ほぉ?」
「何か知ってるんですか?」


月ノ城は少し驚いたように話した
「そのスキルは今じゃ、失われた存在のスキルの転職の加護だ」
「そんな、すごいスキルなんですか?」
「すごいってもんじゃないさ、好きなようにクラスを変えることができるんだ」
「なんだと!?」


フッフウウ!!これで村人は卒業だぁ!!!これで初期スキルだけの生活は卒業だ!


「まぁ、その代償に初期スキルしか使えないけどな」
「そっかぁ・・・」
俺の喜びは一瞬だった・・・


「お前な、落ち込むにはまだ早いぞ、お前には成長スキルもあるんだ。」


「・・・・ッハ!?」
月ノ城さんの言葉で思い出した。
成長スキルの効果を思い出す。


「俺達がお前を強くさせてやるさ」
「月ノ城さん・・・、ありがとう・・・」
「何言ってんだ、成長してから言え」


―――――2時間後


「ついたぞ、今日からお前たちの住処だ。」
そう言って、後ろに寝てた二人を起こした。
「んー?もうついたんでふかー?」
「んー、よういちー?」


二人は寝ぼけてるようだ。
「ほら、先行っちまうぞ」
「まってぇー」


そう言って追いかける、アイリスとシルクだった。


しばらく歩くと・・・
ついた所は何もない平原と岩だけだった。
「月ノ城さん・・・?ここには何もないが」
「まぁみてなって」


月ノ城は岩にさわり、何かをしているようだ。
すると・・・


ゴゴゴゴォ・・・
岩がずれて、そこには地下への道が現れた。


「ようこそ、フヴェズルングへ、君たちを歓迎しよう。」
そう言って、俺達は地下へ降りるのであった。

          

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