初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

第4話 討伐の旅まで残り一週間の話

【黒杉 陽一】
職業 村人
LV5


HP 150
MP 50
SP 50


攻撃 30
防御 30
魔力 30
精神 30
素早さ 50
器用さ 30
運  15


スキル
石投げ
パッシブ
成長・Ⅰ
■■の加護


全体的なステータスは上がっているが雀の涙ほどである
相変わらず、スキルは増えないし、この表示されないスキルも相変わらず、わからない
加護とは書いてあるんだが、なんの加護かわからない
でも加護ということ何かしら強力な力でも秘めているのであろうか?
僕は少しでも淡い期待をするのであった。


一樹と美空もかなり上がったそうだ
この国の兵士のLVは平均で30ぐらいだそうだ
ステータスは全体平均が300だそうだ
僕のステータスは兵士以下となる
他の皆は1LVで平均ステータスが500ぐらいである確かに勇者って呼ばれることあって、異例な強さである。


1ヶ月も経って色々あった、まずは生徒達は誰が仕切るのか、本来は先生がやるべきだが
先生はそこまで戦闘力は高くないということでどちらかというと助言する立場になった。
肝心のリーダーだが、勇者ってのもあって皆の士気を高める為に、御剣がリーダーになった。


現在、御剣のステータスは...
御剣 正義
【御剣 正義】
職業 勇者
LV20
HP5000
MP2000
SP2500


攻撃 4500
防御 3000
魔力 3400
精神 2910
素早さ 1500
器用さ 1700
運  50


スキル
・天命剣「リミテッド・ソード」
・スラッシュ
・限突「オーバー・クロック」
・ブレイジング・ダンス
・剛力
・鉄壁
・クロス・ジャッジメント
パッシブ
・勇者の加護
・精霊の加護
・剣の加護


御剣はLVを上げる度にステータスが大幅に上がっていくそうだ
流石勇者だ。
正直、すごくうらやましい
僕にも力があったらなぁって今でも思う。


そう考えていると、アルバートが皆に声を掛ける
「皆の衆!1ヶ月の厳しい訓練を良くぞ耐えてくれた!」
アルバートはワッハッハと言って喋る


「1週間後に遠征に北にいる玄武の盗伐する為に、玄武を守っているレイドボスと盗伐しに行く!」
皆は、騒めいた
それもそうだ、初めてのボスの盗伐だ、緊張するし怖いに決まっている。
そこで、静寂を切り裂くように、御剣が前に出て言うのであった。


「皆!大丈夫だ!僕達は訓練によって更なる力を手に入れたんだ!
勝てないはずがない!だから僕は皆を守るから、皆も僕に力を貸してくれ!」
御剣は自信満々に言う。
それを聞いた、生徒たちは...
「そうだな!大丈夫だよな!」
「なーに、ボスぐらいな片手で倒せるさ」
「キャー!ミツルギクーン」


一部なんか変な人がいるが、皆の士気が高まった。
1ヶ月前は戦うことさえ、怖がる人がいなくなり
今は、皆は元の世界に戻りたいと願う物が集まり決意を固めた集団になったのだ。
やはり、御剣はこういう誰かを纏めるのに向いているんだなって思う。


残り一週間はさらに頑張れる気がした。


今日は一樹と美空と佐野で連携の練習をすることになった。
僕は後ろで指揮する事しかできないけど、それでも自分にとってできる最大限の事だった。
陣形は前衛が一樹と美空、後衛が僕と佐野になった。
一樹が前衛で戦い、ちょっと後ろに美空が前衛と後衛のカバーをする役目に
佐野が傷をうけた前衛での回復役をする。
バランスが良いパーティだと我ながら思う
肝心の僕は指揮と荷物役をすることになった。
せめて自分にできることは最大限にやりたいと思い
パーティでの負担を少しでも軽減するために、荷物を持ったりすることになった。


連携事態は問題はなく、長年の友でもあり、息はぴったりだ
一樹は案山子に攻撃をする、連打撃、獅子連打をつなげて攻撃をする。
そして、一樹は攻撃後にステップで後退をし、同時に美空が前にでて
シールドバッシュ、スラッシュの順番に攻撃をする。
案山子は後ろに吹き飛び、それを追撃するかのように一樹は閃光脚を放つ


うん、流石は美空と一樹、二人はクラスの中でも上位に入るだけもある、
その強さは、ステータスはもちろんだが、何よりもコンビネーションが完璧だった。
それだけなら、勇者の御剣と互角に渡り合えるだろう。
僕は一樹と美空に近づいた。


「二人ともお疲れ、はいこれ」
僕は二人にタオルを渡す
二人は汗を拭った


「ありがとうな!」
「今日もいい連携だったわよ」
そういって二人は休憩する。


「あれから、一ヶ月経ったんだねぇ」
「あぁ、そうだね」
美空は懐かしそうな顔で言ったのであった。


「家族の皆、元気にしてるかしら...」
「心配してるだろうなぁ、だっていきなり自分たちの家族が行方不明になってるんだし、パニックになってるだろうなぁ。」
僕の母さんと父さんが無理をしていないか、心配だ。
家族の為にも早く解決して、元の世界に戻らねば。
父さんは心配性だから、きっと色々しているだろう。


僕達は既に昔を懐かしみながら、談話していくのであった。
まだ、1ヶ月しか経っていないが、もうずっと前の事の様に思い出すように
僕達は訓練を終えて、部屋に戻る。


―――――夜
僕は廊下を歩いていた。外の空気が吸いたくて、庭まで来てしまった。
座るところがないか確認する。
丁度、近くにベンチがあったから座ることにした。
空気はすごく綺麗なおかげか、夜空の星空もより一層綺麗に見えた。
ふと、この世界でちゃんと夜空を見るの初めてだった。
この世界は月が二つあるのだ。
なんとも不思議で幻想的だった。


「あれ?楊一じゃない?」
「うん?美空じゃないか」
「貴方も、夜空を見に来たのかしら?」
美空の髪の毛はおろしてあり
月明かりに照らされて、先ほどまでお風呂に入っていたんだろうか?
髪の毛が少し濡れていたのだった。
それが、少し色っぽく見え、思春期な僕にとっては少しドキドキしたのであった。


「あら、楊一?少し顔が赤いわよ?」
「あ、うん!ちょっとさっきまで走ってたらからね!そのせいかな!」
「ふーん」
僕は咄嗟にごまかしたけど、美空はちょっと疑っているようだ。


「まぁ、いいわ。貴方が隠れて何かしてるのは昔の事だから、今更きにしないわ」
「あはは、違いないね」
「貴方は、嘘つくときには癖があるから、すぐわかるわよ」
「っえ!?」
僕は驚いた、教えてもらおうとしたが、美空は教えてくれなかった。


「何言ってんのよ、楊一は絶対直そうするから教えない」
「なんでさ?ダメなのか?」
「楊一は我慢とか無茶をしそうだから、その時に癖で見極めるの、気づかないと思ってたら大間違いよ。
それに何年幼馴染やっていると思っているの?」
「はは、違いないね」


美空は僕の頭に手を置いて、撫でてくる。
「私は、絶対に楊一を守るわ。」
「み、美空?」
「普段から、貴方には色々助けられているわ、今も昔も」
「そうかなぁ?僕は昔から気が弱かったし、美空を助けるよりも、助けられるほうが多いような気が...」
「細かい事はいいの!!」


美空は顔を赤くして、そっぽを向く
しばらく沈黙が続いた
それは何分経ったであろうか?正直わからなかった。


そして、美空が先に口を開いた。
「私は幼馴染として貴方をずっと見てきたつもりよ、だからこれからもよろしくね。」
美空は笑顔で言ったが、どこか心残りがありそうだった。
僕は深くは追及はしなかった、僕はいずれ言ってくれると信じているからだ。
美空は立ち上がって、振り向く


「さて!自分の部屋に戻りましょ!残り一週間で討伐しに行くんだからね!明日も頑張るわよ!」
「そうだね、じゃあ戻ろっか」
そして、二人は部屋に戻った。


そして、さらに一週間が経ち、僕達は北へに向かうことになったのだ。


          

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