朝の来ない異世界と七大魔法剣士(マジックナイト)

七瀬はやと

EランクからDランクへ②

再びギルドに戻ってきた俺達は、ギルドに貼ってある依頼を見た。


「レミナ、これなんか良いんじゃ無いかな?」

「ダークウルフ10匹討伐せよ!ですか....。
良いと思います!この依頼はEランクで一番難しかった気がしますよ。」


「そうなの?」

「はい!では早速依頼を受けに行きましょう!!」

受付のお姉さんの所に依頼を受けることを伝えにいった。

「あ!七大魔法剣士(マジックナイト)さんじゃないですか!」

俺はそう聞こえた瞬間後ろを向いた、けれどそれと見られる人物はいなかった。


「???」


「貴方に言ってるんですよ!!カイトさん!」


「え?俺?」

隣にいるレミナがくすくすと笑っている。

「カイトさん、あだ名を付けられちゃったんですか。」

「何で俺が七大魔法剣士(マジックナイト)なんですか!!もっと良いあだ名あったと思うんですけど.....」

「それともLV999の新生の勇者でも良いんですよ!」

やめてくれ~そんな心の声が聞こえる

「カイトさんはLV999何ですか!!?」

そうなるよな....察してはいたがやはりばれるのか...

レミナが絶望しないと良いんだけれど.....


「まぁそうだけど教えてなくてごめんね。」

「別に気にしてません!」少し大きな声でレミナが言う。あ、これは怒ってるのか?

「逆にありがたいです。私のLVは300なので、心強いです。」

え?300???予想以上に高いLVに俺は言葉を失った。

「LV300!!カイトさん以外でもLV100超えがいたんですか!!?」

「俺も今聞いたから知らないし、てか100超えって凄いんですか?」

「凄いに決まってるじゃないですか!LV100を超えている人は大体A~SSランクの人ですよ!」

そう言われると俺達のレベル的にEランクがSSランクに聞こえるんだが....


「へ、へぇー」

「...........え?知らなかったんですか?」


当たり前です。来たばかりなのですみませんって言いたい!


「すみません。少し耳にはしたことがありましたが具体的なことは知らなかったのでありがとうございます。」


「そうですか...それは良かったです。」

「所でここに用があったのではないのでしょうか?」

そうだ。話が脱線しすぎて忘れていた。


「私達はダークウルフ10匹討伐の依頼を受けに来ました。」

レミナが先に伝えてくれた。


「ダークウルフ10匹討伐ですね。はい!分かりました!ではステータスウインドウを開いて下さい。」


「え?何でですか?」


「ちゃんと討伐したか確認するためですよね?」

「正解です!カイトさん分かりましたか?」

「はい!おかげさまで」

理解も出来たことだしステータスウインドウを開く。
受付のお姉さんは開いたのを確認して俺のステータスウインドウに手をかざした。

かざした場所には、ダークウルフ討伐数と書いてある。


「これで指定していた魔物を倒すとそこに数が自動で書かれるようになっているんです。」

「なるほど....ありがとございます。では行ってきますね。」


そう言うと俺達はギルドを後にした。

外に向かいながら、さっきギルドで話してたレミナのLVが高かった件について少し気になった。

「そういやレミナは何でそんなにLVが高いんだ?」

「カイトさん.....嫌味に聞こえますよ!」

「ごめん。そんなつもりは無かったんだ。」

反省しないとな。いくらドラゴンを倒しただけでLV999になったとしてもレミナを不快にさせたのには関わりないから。

俺は少し下を向いて、そんなことを思った。

「そんな顔しないで下さい。冗談ですから。」
レミナは笑って言った。

「私も自分のLVに正直驚いてるんです。」

「何で?」

「聞いて笑わないで下さいね。薬草を採りにここから東にあるスライムの森に行ったんです。そしたら小さく赤いドラゴンがいたんです。その赤いドラゴンはこの世界で一回も私は見たことが無かったものだったのでレアなアイテムを落とすかな?って思って倒したらLV300になっていたんです。」


「本当に不思議ですよね?」


うん!そのドラゴン多分知ってる、どっかの女神様が召喚して倒したらLV999になったから、きっとその子供かな?


「不思議だねーいやーほんと不思議だね。」

「驚かないんですね?」


「まぁ、俺も似たようなもんだからな。」

レミナが聞こえない位小さな声で独り言を言ってしまう。



「じゃあレミナ、俺達の最初の依頼を行くとするか!」

「はい!カイトさん!頑張りましょう!」


そう言い門を出た。



「相変わらず暗いよな。」


町を出てかなり奥に見える所に夜の森と言いたくなるような位真っ暗な森が広がっている。

「仕方ありません。そういう世界にしてしまったんですから。」

まぁ、そうだよな

「レミナって風魔法使えなかったよね?」


「はい.....そうですが」



俺はレミナと俺の足にむかって魔法を唱えた。

「風よ!」


詠唱後、レミナと俺の体が中に浮いていることが分かる。

「な、何ですか?これ?体が浮いてますよ?」

かなり驚いてるなー


「風魔法を使って空を飛んでるだけだよ?」



「そんなことが出来るんですか!!!私は風魔法が使えないのでありがたいです。」

「じゃあ行こうか。」

「はい!」

ダークウルフのいる不気味かつ真っ暗な森に俺達は向かった。






着いたな

レミナが地面に足がついた事を確認して、俺は呪文を止めた。


「真っ暗だけど見える?」


「それなら任して下さい。」


「光よ集え!!」

レミナの周りに無数の光が集まる


「そして今ここに聖なる道を切り開け!」

「ホーリーロード!!」

レミナが呪文を詠唱すると俺達が立っていて光を帯びた地面が眩しい程に光っている。


「凄いな!レミナありがとう。」

「これくらいのことなら任して下さい。ちなみに動くと地面から光が出るようになっているので覚えといて下さい。」


便利な呪文だな。特にこの世界だったら俺のいた地球の何倍も有効活用出来そうだ。

「分かった。」


レミナの魔法のお陰で下手に動いても大丈夫なため、少し走ることにするかな?。


「身体能力強化!」

体がかなり軽くなるのが分かる。この感じが結構良い


「レミナは身体能力強化出来る?」


「はい!出来ます。」


「身体能力強化!」

「じゃあ、ダークウルフを探しますか!」

森の中を俺のいた世界ではあり得ないスピードで走った。


少し走っているとダークウルフがたくさんいる湖を見つける。

「レミナ!戦闘準備!」


「分かりました。では戦いましょう。」

「フレアソード生成、ライトソード生成」


左にライトソードを右にフレアソードを装備する。


「カイトさんは魔法の剣も作れるんですか?」

「うん。」


「まぁ後で話を聞かして下さいね。」

レミナは鞘から剣を出して構えた。

「炎よ!」

剣に炎が纏う


ダークウルフの数は丁度10匹位だろうか?


「じゃあレミナ行くぞ!」

「はい!」

後ろを向いているダークウルフに斬り付ける

はぁぁぁぁぁ!!!

体を真っ二つに斬ることに成功する。


不意打ちは成功したが、レミナの魔法の光と俺が斬ったダークウルフの血のにおいで俺達の気配に気付いたらしい。


レミナは俺と同じく、油断しているダークウルフに不意打ち攻撃に成功していた。



「レミナ!」

そう呼んでレミナと陣形を立て直した。

「俺は前衛をするから、レミナは後衛で呪文や援護を頼んだ!」

「分かりました。」

そう言ってダークウルフに向かって突っ込んでいった。

それを無視するわけが無く、3匹同時に襲いかかってきた。



だが遅い、身体能力強化をしているため一瞬でダークウルフの背後に回る。

「はぁぁぁっ!!」

剣がダークウルフの体を貫く、だが一匹だけレミナを狙っていたダークウルフには剣が届かなかった。

「レミナ!」

レミナの方に向かっているダークウルフに向かってレミナは剣先から魔法を唱えた。


「フレイムショット!」
剣先から火球が放たれ
火球がダークウルフを燃やし尽くした。

ナイス!レミナ!





奥にはダークウルフが5匹固まったいた。


これは呪文の方が早いかな?

「あれは任せて。」

「分かりました。頼みましたからね。」


奥に見えるダークウルフに向かって、フレアソードを地面に突き刺し魔法を唱えた。


「炎風の獄!!」


何が起こるか分からないので、この前見たアニメの真似をしてみる。

その瞬間に地面から炎を渦巻いた竜巻が発生する。

その竜巻は、怖じ気付くことなくダークウルフを燃やし尽くした。


これは、凄いな...


「レミナ終わったよ。」

「はい!凄かったです。」

「丁度10匹倒したし、ギルドに戻ろうか?」


「はい!報告に行きましょう。」

そう言って帰ろうとしたときに足音が聞こえた。

ドスン ドスン  ドスン

「レミナ聞こえるよね、この足音。」

「これは、かなり大きいと思われますよ。」

「どうしますか?」


ここで魔物を倒す練習したいけど、レミナ付き合ってくれるかな?


そう思ってレミナを見ると剣を構えて笑っていた。


怖いよレミナさん、もう倒したいって顔から伝わりますよ。


「じゃあ倒しに行くけど良い?」


「勿論です。倒しに行きましょう!」


さっきダークウルフを倒した奥の道を進むと足音の正体が分かった。



「大きいですねー。」

レミナが口にだしてしまうほど、大きなドラゴンが歩いていた。


真っ黄色で尻尾が長く、いかにも今の俺達のランクじゃ戦ってはいけない魔物な気がするのだが......



「あれは、この森に住んでいる危険度がかなり高いアースドラゴンですね。」


「危険度高いって普通に言ってるけど怖くないの?」


「全然ですよ。」
声が少し高かったので足を見るとブルブル震えていた。


足は素直なんだな


「本当に大丈夫?」

「はい!もう大丈夫です。」


「じゃあ二人で攻めるよ!」

「はい!」

アースドラゴンの尻尾に向かってフレアソードとライトソードを投げる。

グサッと尻尾に刺さることが出来たが浅かったらしい。ライトソードとフレアソードがはじき飛ばされた。

痛みに気付いたアースドラゴンが尻尾を振り回している。

俺が切り込みを入れた場所をすかさずレミナが追撃する。

「ファイアーショット!!」


切れ込みを入れた場所から炎が伝わり
尻尾が真っ二つに切れ、アースドラゴンがグギャァァァと叫んでいる。


次を仕掛けようと思ったときだった。


アースドラゴンの周りに岩石が浮いていることに気が付いた。



「レミナ!逃げろ!!」


「え?」

レミナも俺の声を聞いて、アースドラゴンの周りに岩石が浮いているのに気が付いた。


急いでその場から逃げ出すが、岩石がレミナに向かって降り注がれた。
「きゃぁぁぁ」

「炎盾の守り(フレアシールド)!!」

危険を感じ、すぐさま炎盾の守り(フレアシールド)を使ってレミナに当たりそうだった岩石を防ぐ。


レミナが俺の近くまで来たことを確認した。


さてと、あのアースドラゴンは灰に決定だな。


右手をアースドラゴンに向けて、呪文を唱えた。

地獄の火炎(ヘルフレア)!!

右手の炎があらゆる方向からアースドラゴンを包み火柱を上げる、そして大爆発を起こしてアースドラゴンを灰にする事が出来た。


倒した瞬間にレミナの元へ行こうと思ったが、レミナから走ってこちらに来ることが分かったので止まって待っていた。


走る勢いは止まることなく、俺めがけてレミナが抱きついてきた。


「え?ど、どうしたのレミナ?」

「さっき助けてくれてなかったら私は死んでいました。本当にさっきは怖かったんですよ?。」

そう涙声で言った

レミナは絶対に守らないと。俺の家族みたいにはもうさせたくない。

「俺にとってもうレミナは大切な人だ!絶対に殺させないしもう怖い想いはさせたくない。
俺は何があってもレミナを守る。それだけは忘れないで欲しい。」
誰かをしっかりと守る。それが自分の一番大切な課題。

「うん。」

「大切な........人?え?えぇーー?」


「告白ですか?」

「ち、違うよレミナ、確かに大切な人とはいったけど....」

「でも私はそんな優しいカイトさんが好きです!」
「え?」


レミナが顔を赤くしながら言った。
「俺もそんな優しいレミナが好き....だよ!これからもよろしくね。」


「ふ、ふぇぇ?」

顔を真っ赤にしてレミナが倒れてしまった。

「レミナーおーい起きてー。」


これは起きそうに無いな...


そう思い、レミナを負ぶって町まで戻った。







町の中に入るとレミナが起きたのに気が付いた。


「ここは?ん?えぇーー?何でカイトさんは私を負ぶってるんですか?」

そう言って暴れる。

「ちょっ、暴れないでくれ」

「レミナが気を失ったのか分からないけど、倒れちゃったから町まで運んだんだけど嫌だった?ごめんね....」


「いえ、私が事情を知らないあまりに失礼なことをすみません。」

俺はレミナを下ろした

「レミナ!これからは敬語使わないで普通に話して良いんだよ?」

「カイトさん....カイトがそう言うならそうするね!」

「うん!ありがと!」

そんな話をした後にギルドに向かった。



すみません。ダークウルフ10匹討伐終わりました。

受付のお姉さんにそう伝える。


「カイトさんとレミナさんですね。では、ステータスウインドウを見せて下さい。」

そう言われたのでステータスウインドウを開く

「はい!ありがとございます。えーと、
えぇぇ??ダークウルフの他にアースドラゴンも倒したんですか?」


「そうですけど。」


「この魔物はSランク以上の人じゃないと倒せないと言われている魔物ですよ?」


そうなんだー知らなかった。レミナが危険度が高いとは言ってたけどそこまで高かったのか?


「では、本当はあり得ませんがカイトさんとレミナさんのランクをDランクに昇格したいと思います。」

「やったね!レミナ!」

「はい!良かったです。カイト!」

ステータスウインドウを見るとEがDに変わっていた。

「後、報酬としてダークウルフのが100ゴールド、アースドラゴンのが1万ゴールドになります。半分ずつステータスウインドウに入れて置いたので確認の方もよろしくお願いします。」


確かに5050ゴールドが増えていた。


「じゃあ次の依頼も頑張ってくださいね!」

そう言ったのをしっかりと聞いてギルドを後にした。

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • 姉川京

    ここまで一気に読みましたが、凄い面白いです!

    これからもお互い頑張りましょうね♪

    あともし宜しければ僕の作品もよろしくお願いします!

    1
コメントを書く