異世界呼ばれたから世界でも救ってみた

黒騎士

第16節 波乱(?)の訪れ

『さて・・・』
学園長は部屋に入ると自分の机に座り話を始めようとした。内容は当然、Sクラスの件だ。
『では改めて、我が学園、Sクラス編入おめでとう♪これで桐生さんは晴れて正式にクラスに編入になります♪』
『あぁ、いや、どうも・・・』
『ではSクラスの簡単な説明をさせていただきますね?・・・まず普段の学園としては授業を受け知識や実技を磨いていただきます。それに合わせて外での活動もあるので臨機応変に対応してください。内容はその時によりますが偵察や調査、あるいわ討伐から採取などなんでもあります。その点に関しては冒険者の方々と同じですね。違うのは報酬は一度学園に入ってから個人に払われる形になります』
『なるほど・・・学園としても維持する必要もあるから中継するんですね?その時の報酬によって個人に支払わられると』
『その通りです。国からの支援もありますが財源に限りがありますからその様な形を取ることになっています。・・・余談ですが冒険者の方々は全額個人に入りますよ?』
『・・・まぁでしょうねwwwでも住む所や食い物に関しては学園の方が安定してるから俺は学園の方がしょうに合ってるっすねwww』
『そうですか♪ならいいのですけど♪・・・後は・・・特にはないですけど何かあれば声をかけますので一応そのつもりで居てください』
そこまで説明すると学園長は近くに居たメイドに話しかけた。
『では説明も終わったのでSクラスの方々をここに呼んでください』
『畏まりました』
メイドは答えると扉を開け退室して行った。
『では次に桐生さんが編入するクラスメイトを紹介しましょう。お入りなさい?』
学園長がそう言うと部屋の扉が開きぞろぞろと入室してきた。桐生はその中で一人顔を知っている奴がいた事に気付いた。
『では皆さん?披露式でも見ましたが彼が桐生勇人さん。今回の召喚者です。実力は見た通りですけど、まだこの世界に不慣れな所もありますので皆さん色々と教えてあげてくださいね♪?』
クラスメイトと呼ばれた人達は軽く返事をすると自己紹介を始めた。
『初めまして、桐生勇人さん。私はSクラスの学級長をしていますリィム・バーティンと言います。分からない事などありましたら気軽に声をかけてくださいね?』
リィムと名乗る女性は眼鏡をかけた知的な印象が強い女性だった。服装は加護の先生レオンのミュゼに似たような服装をしていたが桐生は違う所に反応していた。
『あぁ、よろしく頼む・・・(れ、レイナよりもツーランク上だとっ?!こ、こいつ・・・計り知れない・・・!この世界の人間はバケモノかっwww?!)』
桐生は顔には出さないがその胸に驚いていた。その豊満な体に思わずツッコミを入れたくなったが心に止めておいた。
『私はベル・ゲーティアよ。・・・あんたの実力じゃまだ私に勝てないでしょうけど、ま、せいぜい頑張りなさい』
そう言う女性は赤い髪とマントが印象的な強気な女の子だった。だが桐生はまたしても心で違う事を考えていた。
『あぁ・・・精進するよ・・・(ツンデレっ?!こいつツンデレの匂いがするぞっ!?リアルに居るのかっ?!しかも程よい大きさでこれもまた捨てがたい・・・www)』
もはや自己紹介とは名ばかりの桐生にとっての査定になっていた。・・・決して顔には出さないが。
『ゲーティア?じゃあ学園長の・・・』
『えぇ、娘よ。それが何か?』
『いや、特に・・・』
その反応にイラついたのかベルは鼻を鳴らしそっぽを向いた。
『・・・ミント・・・召喚する・・・宜しく・・・』
次に紹介したのは聞き取れるか取れないか微妙な声で話す女の子だった。小柄だが恐らくこの子が桐生を召喚した人だろうと思った。初めてレイナに会った時にもミントと言う単語を発していたからだ。
『よろしくな?小さな召喚士さん♪』
桐生は笑顔で答えるとミントは照れたのかフードを顔まで隠した。
『ミントは恥ずかしがり屋だからあんまり喋れないの。でもいい子だから仲良くしてくださいね♪?』
と、リィムはミントに代わり紹介してくれた。
『次は俺だな♪よろしく勇人!俺はレオン。剣士だ♪まぁ仲良くしてこーぜ♪』
レオンと名乗る男は気さくに握手を求めてきた。桐生も爽やかな対応は嫌いではないのでそれに答えた。するとレオンはいきなり桐生の肩を抱き内緒話でもする様に声を潜めた。
『ヒソヒソ・・・(で、レイナ嬢とはどこまでやったんだwww?)』
『ヒソヒソ・・・(なんの事だ?)』
『ヒソヒソ・・・(とぼけるなよwwwもっぱら学園の噂になってんだぞwww?誰もが近寄れなかっなレイナ嬢にいきなり急接近した召喚者とどこまで発展してるのかってなwww)』
『ヒソヒソ・・・(急接近ってwww)』
『ヒソヒソ・・・(あたりめーだろwww?あの病的人種、リコルを圧倒したとか、俺の嫁だ発言したとか・・・ま、まさかもう・・・っ!?)』
『しとらんわっwww!!』
桐生のツッコミで会話が終わったと思うとレオンはケラケラと笑いながら肩を叩いてきた。
『だっはっはっwwwお前おもしれー奴だなwwwよろしくな、勇人♪』
レオンは満足したのか自分の立ち位置まで戻っていった。桐生はやれやれと笑いながら肩を竦めていたが次に並んでいた男の視線に気付きそちらを見た。
『・・・』
『・・・?』
『・・・』
桐生はどこかで見たことがある様な気がする金髪の男を見ていたが思い出せないでいた。
『貴様・・・』
『ん?』
『なぜ貴様がここに居る・・・』
『は?』
男はそう言うとツカツカと近寄り桐生の胸倉を掴んだ。
『なぜここに居るのかと聞いているんだっ!』
『お前・・・説明聞いてた?』
桐生は喧嘩を売られている事を察したが相手にしなかった。男は今にも殴り掛かりそうな雰囲気を出しおり、周りの人間もどうしようか戸惑っていたが・・・
『あぁ!お前街で会ったレイナに近寄るストーカーかwww?!あまりにも雑魚だったから記憶にすら無かったわwwwすまんすまんwww』
桐生がやっと理解出来た事を話すと男ーーリコルは顔を赤くして振りかぶった。
『ん?殴るのか?なら・・・それなりに返すぞ?』
桐生は殺意を込めてリコルを直視した。その殺意を感じたのかリコルは動きを止め桐生と周りを見始めた。
『・・・っ!ふんっ!貴様なんぞ殴らなくてもすぐに追い出してやるさ!父上に頼めばそれぐらい簡単なことさ!残念だったな?お前なんかはこのクラスではいらない人間なんだよっ!』
そう言うとリコルは乱暴に桐生を離し元の場所に戻ろうと振り返った。だが桐生はその背中に追い打ちをかけた。
『自分では口でも実力でも勝てないから親頼みかwwwダサすぎじゃね?それでレイナを自分の物とかウケるwwwまぁその何でもしてくれる親に頼めばいーんじゃね?あれだけ街の人間に知れ渡った俺を辞めさせたらどうなるか考えれないおつむなら仕方ないだろうけどwwwいやー、お前最高の雑魚発言だわwww』
桐生は腹を抱えて笑い始めた。周囲の人間もどちらがまともな事を言っているか理解出来ているのかリコルを憐れむ様に見ていた。
『・・・っ!』
リコルは殺気を込めて桐生を見るが、お構い無しに桐生は笑い転げていた。すると・・・。
『おい、お前ら!僕の権力は知ってるな?!これからコイツの事は無視するんだ!出来なきゃ退学処分にする様父上に頼むからな!?』
リコルが怒りながらクラスメイトに言うのを桐生は笑いながら聞いていたがその言葉を聞くと笑うのを辞めてリコルに近寄り胸倉を逆に掴みあげた。
『おい、てめぇ』
『何をするんだ?!僕は第三王子だぞ?!こんな事をしてただで済むと・・・』
『んなもん関係ねーんだよ!てめぇ、人様の生活まで壊して何がしてーんだ?ここにいる奴はこの世界を救う為に実力を付けた仲間じゃねーのか?それをたかだか個人の意見で辞めさせるだぁ?・・・本気でその口開けないようにしてやろうか?』
桐生は本気の殺意をリコルに向け放った。リコルは小さく『ひっ!?』と悲鳴を上げるとガタガタと震えなにも喋れなくなった。
『てめぇには3つ、守ってもらう。一つ、クラスメイトに個人的な意見を押し付けるな。一つ、学園に居るなら学園のルールに従え。一つ、レイナに付きまとうな。周りも含めて今までやってきた事を全て撤回しろ。守れなかったら・・・分かるよな?』
そう言うと桐生は更に締め上げリコルを脅した。
『わ、分かった、分かった!守るから殺さないでくれっ!』
リコルは情けなく泣きながら命乞いをした。桐生が降ろすと逃げる様に部屋を出ていった。
『はぁ・・・あいつもクラスメイトかよ・・・』
桐生は大きくため息を着いて肩を落とした。
『桐生君・・・ごめんね・・・?私達がいくら言っても彼・・・言う事聞かなくて・・・』
リィムは申し訳なさそうに桐生に謝ってきた。
『んぁ?気にしなくていーぞ?あれだけやりゃ少しは応えたろうし、矛先は俺に向くから大丈夫だw』
桐生はヒラヒラと手のひらを振りながら答えた。
『じゃあ・・・最後に、私もSクラスの一人だからよろしくね♪勇人♪』
レイナは改めてよろしくと言いながら握手を求めてきた。
『あぁ、これからも一緒だな。まぁよろしく頼むよ』
桐生がレイナに答えるとレイナは小さく誰にも聞こえない声で『・・・ありがと///』と言ったのを桐生は聞こえた。何に対しての礼なのか分からなかったが桐生はこれからの生活に大きな不安と小さな喜びを胸に抱え自己紹介を聞いたのだった。ーーー

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