異世界呼ばれたから世界でも救ってみた

黒騎士

第4節 初めての戦闘、初めての旅

森を抜けるのは簡単だった。桐生がいた場所はあまり人が入らない場所だが、そこまで奥地では無いとの事だった。レイナは桐生を連れ来た道を案内しながら参道に出るのであった。

『一緒に旅をするにあたって何個か確認なんだけど』
『うん?』
『レイナは・・・違う世界からこの世界に呼ばれたのか?』
『うぅん?違うよ?』
『この世界じゃ・・・違う世界から誰かを呼ぶのは普通の事なのか?』
『そんなポンポン呼んでたら召喚する人の魔力無くなっちゃうよ(笑)』
『だよな・・・(じゃあなぜ俺が召喚された事にすぐ気付いた・・・?あの声の主は500年周期でモンスターが大量発生するとかなんとか言ってたが、前の大量発生した時は500年前だよな・・・?)』
『あ、でも昔からの言い伝えで500年に一度、すっごくヤバい時があるらしいよ?その時に狙って召喚される事は増えるとかあって、実はその周期がちょうど今だったりって騒いでたっけね』
『なるほど・・・(辻褄は合うな。嘘を言ってる感じでもなさそうだし、もう少し聞き出せるか?)』
『じゃあ今回俺が呼ばれたのは誰かが呼んだって事か?』
難しく考えていたが、元々頭は回る方ではない桐生は直球で確認してみた。
『うーん、それなんだけどねえ。』
『?』
『さっき話した周期?なんだけど私のクラスメイトで召喚が出来る子が居て昨日、その子が召喚するって言うから見に行ったんだけど』
『うんうん』
『失敗しちゃってね』
『?』
『あ、本来なら召喚されたら召喚陣の中に現れるはずなんだって。でも昨日はなんも現れなかった。その子も失敗かぁーって嘆いていたんだけ、街の噂で東の森に強い光の柱が見えたってもちきりでね?私がその正体を見つけに行ってたの♪』

『そしたら俺が居たからもしかしてって事か?』
『そうそう♪いやー、ビックリしたけどあの子の努力が報われて良かったよ♪』
『いや、良くはないだろ(笑)その周期だから召喚したって事はモンスターが大量発生するんだぞ??』
『そうだけど、友達の成功は祝うべきじゃない??』
『まぁ、それもそうか』
と、話を聴きながら色々と考えていた桐生だったがとりあえずその召喚したレイナの友達に詳しく話を聞くしかないと結論を出したのだった。
『じゃあまだまだ距離があるし、行こっか♪』
『あいよー』
2人はまた更に旅路を続けるのであった。

ーー
ーーー
『ーーっ?!勇人っ!待って!』
道を進んでいると急にレイナが叫び出した。
『(フツーに女の子から名前で呼ばれた?!)』
桐生は全く違う考えで止まったが結果オーライだった様だ。レイナは右手で桐生を進ませまいと遮り、前方を凝視していた。
『何かいる。鳥達が騒いでいるし、何より気配がおかしい』
レイナはそう言うが前には何も見えない。桐生は自分のスキルの中で最適なものがあったので試しに使ってみる事にした。
『レイナ、ちょっと離れてろ』
『な、なにするの?!もしまずいのに見つかればヤバいって!!』
『大丈夫。ちょっとだけ先を見るだけだ』
そう言うと桐生は意識を集中し始めた。
『視覚広域』
そう呟くと桐生の視界が遠くまで見えるようになった。すると今いる地点から200m先に見たことも無い生物がウロウロしているのを見つけた。
『なんか変なのがウロウロしてるな』
『変なの?ってか勇人、索敵能力持ってるの?!』
『ん?あぁ。なんかこの世界に来た時に身に付いてたなw』
『うちの学園でもレンジャークラスしか持ってないスキルなのに・・・』
『そうなのか?まぁそれはおいおい聞くとして・・・ついでにもう一つスキルを使ってみるか』
その言葉で桐生は新たにスキルを重ねがけした。
『視認情報』
新たなスキルを発動すると先程見えた生物のステータスが見る事が出来た。
『ゴブリン。レベルは4。数は5匹。武器は棍棒と槍だな。おいおい、マジでファンタジーじゃねーかwww』
『え?!ちょっと待って?!勇人の世界
ゴブリンっていたの?!』
『居るわけないやろw魔法すらないのにw今見えている敵の情報を見分けるスキルと思われるのを使ってみたんだ』
『ありえない・・・そんなスキル初めて聞いた・・・』
『そうなのか?でも誰かしら持ってなきゃ敵の名前とか分からなくね??』
『うぅん。敵の情報とか名前って過去の文献に絵もついて載ってるから皆それを元に判断してたよ。勇人みたいなスキル持ってる人なんて見たことも聞いたこともないよ!!』
そう熱弁するレイナを尻目に桐生はあ、そう。と言う感情をもった。『分かっても対策うてなきゃ意味なくね?』が本音だった。
『まぁそんな事より、どうする?この道ってその学園に行く道なんだよな??』
『うん、まぁ。私一人なら倒せる相手だけど、勇人を守りながらだと大丈夫かなぁって不安なとこはある↓↓』
その言葉に桐生はチャンスと思い、言葉を続けた。
『この世界に俺が呼ばれたのはモンスターの大量発生に備えてだよな?』
『?うん、そう聞いてるけど・・・』
『じゃあそのうちモンスターと俺は戦わなきゃならないって事だ。しかもあんな数じゃなくもっと大量に』
『そうだけど・・・勇人戦闘経験ある?』
『対人なら負け無しだぞwww殺し合いではなかったけど』
『モンスターとの戦闘は殺し合いだよ。殺るか殺られるか。ギブアップとかはないし、逃げ切れるかも分からない戦い。その恐怖・・・耐えれる?』
『確かに俺はそんな戦いは無かった。しても喧嘩止まりだからそんな恐怖は味わった時はないな。でも・・・』
『・・・』
『でも、俺の恐怖のせいで例えばレイナが死んだり、これから行く学園?街?の人達が死ぬのはゴメンだ。殺らなきゃ殺られるならその恐怖は乗り越えないと行けない。』
『勇人・・・』
『俺は小さい頃から正義の味方になりたかった。悪を倒すなんてカッコよすぎだろ?ゲームやアニメ・・・って言っても分かんないか?まぁ物語みたいな娯楽の中でもその時の主人公に感情移入する程だったし、自分が夢にも見た正義の味方になれるチャンスがあるならやってみたい』
そこまで語る間レイナはずっと桐生の話を聞いていた。その言葉が真摯なものと感じて、嘘偽りなど微塵もない、真っ直ぐな心に期待と、自分が今まで感じたことの無い感情を持ったからだった。
『サポートは欲しいけどなwww』
その笑顔にレイナは張り詰めた感情を緩ませ笑顔で答えた。
『分かった。確かにこれからもっと大変になるのにあんなの相手に逃げ腰なってたら皆から笑われちゃうしねw♪』
そう言いながらレイナは腰の細剣を抜いて身構えた。
『サポートは精一杯するから、とりあえずやってみよっか。ヤバいって思ったら逃げてね?私が絶対死なせない』
レイナの強い決意を感じたのか、桐生は笑顔を捨て、構えをとった。
『じゃあいっちょやってみるか』
『うんっ!』
その言葉と同時に2人は駆け出した。先頭を桐生がその後ろにサポートとしてレイナが。距離はグングンと縮まり目指できる距離まで差し迫った。
『グ?グギャァアアア!!!』
ゴブリンの群れは自分達に詰め寄ってくる人間を見つけすぐ様戦闘体勢に入った。モンスターと言われるだけあり、その構えは堂々としていた。
『(やっぱモンスターだな。殺す気満々じゃねーか)』
そう思いながら距離を詰めていた桐生は足に更に力を加えて駆け出した。だが、それは駆けるを通り越し・・・飛んでいた。前方に向かい。一直線に。
『は、はやっ?!いや、このまま突っ込めぇぇぇ!!!』
桐生はそのままのスピードで先頭を走ってきたゴブリンに対して振り抜きざまの右ストレートを放った。
『うぅるぅあぁぁぁ!!!』
ボンッ!!ーー
その音と同時にスライディングの様に止まり殴ったゴブリンを見ると上半身が無くなっていた。二、三度痙攣を起こしてゴブリンは倒れた。近くに居たゴブリン達は何が起きたか理解出来ずただ、仲間が倒された事に騒ぎ始めた。
『グギャァアアア!!グゥアァァァ!!』
ゴブリン達は敵(桐生)を見つけると仇のように一斉に飛び掛ってきた。棍棒を爪を、槍を構え大量の殺意とともに。
『見様見真似、竜巻〇〇脚!!』
某格闘ゲームの必殺技を真似て反撃した桐生は自分の能力に驚愕した。そのゲームの通りに身体が動いたのだ。
『ガっ!?』
『グッ!?』
『グエッ!』
『ゴボッ!』
ゴブリン達はその攻撃をくらい、良くて骨折、悪くて即死していた。
『ふぅ・・・』
軽く息を吐き呼吸を整えた桐生は周囲を確認した。ゴブリンの死体は3。瀕死が2。一方桐生は無傷。魔力も減らず完全勝利と言っていいものだった。
レイナはそんな光景を見てる事しか出来なかった。サポートに入ろうとしたがその必要もなく瞬殺だったのだ。
『すご・・・い』
レイナはあまりの強さに言葉を失った。それもそのはず。彼は異世界から呼ばれ何かしらのスキルがあるにしろ初めての実戦で無傷で終わり、尚且つ敵を全滅させたのだから。
『(クラスメイトでもそこまで強い人なかなか居ないよ・・・勇人って実はめっちゃ強いの?!)』
そう考えていると最後に生き残ったゴブリンにトドメをさしながら桐生がレイナに寄ってきた。
『なんとかなったなwww』
彼はそう言いながら笑顔で何事も無かったかの様にレイナに話しかけた。ホントに、呼吸をする様に。
『・・・』
『・・・どした?』
『ゴブリンってね?街のただの人でも結構装備集めたりしなきゃ勝てないの。冒険者の駆け出しや学園の新入生なんかは最初に苦労する相手として有名なモンスターなんだけど・・・』
『?そうなのか?あっさり倒したから子供でも勝てるんじゃないかと思ったぞw?』
『それは、勇人が基準だからだよっ!!』
『お、おう?!なんだ、いきなり叫んだりして?!』
『勇人は自分の能力の高さを見誤ってるよ?!ゴブリン相手に素手だよ?!アホじゃないの?!しかもなんで殴ったのに身体無くなってんの?!アホじゃないの?!』
アホだバカだと連呼され、流石に桐生もムッとしたがこの世界の常識がまだ理解出来ていないのでなにも反論が出来ない桐生は小さく『す、すんません』と言うのが精一杯だった。ーーー

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