錬金術師の転生無双 ~異世界で勇者になった錬金術師は【魔法錬金】で万能無双~
第5話:錬金術師は戦う
「この近くならウィーン村がありますよ! 実は私もウィーン村に戻ろうと思っていました。よければ案内しますよ!」
「それは助かるよ。お願いしようかな」
「はい!」
白黒のワンピース――もといメイド服を着せた美少女と二人きりで並んで歩くことになるなんて、夢みたいだ。
「あっ、そう言えばまだ名乗っていませんでした! 私はリーゼ・リシェールと言います。あなたのお名前は?」
「えーと、俺は佐藤俊……ファーストネームがシュンで、ファミリーネームがサトウだ」
言語の壁はクリアできたが、文化に関しては何も知らない。
シュン・サトウとでも名乗ればいいのだろうか?
「シュン・サトウ……良い響きですね!」
「そうなのか?」
ありふれた名前だと思うが、褒められて嫌な気分にはならない。
自己紹介も終わったところで、ちょっと気になっていたことを聞いてみよう。
「スライムって本当に服を溶かすの?」
リーゼの顔がカァーッと赤くなって、
「も、も、も、もしかして私が……草原に誰もいないからと全裸になって解放感を楽しむような変態で、清々しい気分になっていたところをスライムに服を奪われて青ざめていたと……ほ、ほ、ほ、本気で思っているのかしら!? そんなことあるわけがないでしょう!」
「え? ああ……そりゃそうだよな、うん」
何もここまで否定しなくても……妙に例えが具体的なのだが、想像力が豊かなんだろうな、多分。
「分かっていればいいんです。ところで、シュンは武器を持っていないように見えるのですが、この草原は凶悪な魔物が出るということをご存知ですか?」
「凶悪って……女の子の服を奪うスライムとか?」
「だ、断じてそんなスライムはいませんっ!」
冗談で言っただけなのに、面白い反応を返してくれる。とても良い子だ。
「この草原には、鉄よりも硬い最強のスライムが生息しているのです。私は剣で戦えますが、シュンは大丈夫ですか?」
「少しは魔法を使えるから大丈夫だと思う」
必要な時に必要なスキルを取ればいいし、さっき取った基本の六属性魔法だけでも逃げることは容易いはずだ。
「そうですか、ならいいのですが」
「そんなに強いの? そのスライム」
「もう、それは本当に! 滅多に姿を現しませんが、ダイヤモンドで構成された皮膚は勇者でも手を焼きます」
「ふむ、そんなに強いのか」
ならば、俺も少し対策を打っておいた方がいいかもしれんな。
俺はスキルウィンドウを出し、さっき流し読みしていた中で気になっていたスキルを取得する。
取得のためのウィンドウを開くと、これはスキルポイントを5も消費するらしい。やはり性能も段違いなのだろう。
『魔力無限』
俺の今の魔力は確認することが出来ないが、さっきファイヤーボールを撃った時の感覚からして十発ほどが限界だ。このスキルがあれば無尽蔵にスキルを使うことができる。
俺がスキルを取り終わった瞬間、五メートルほど離れた場所からガサガサと音がした。
そしてピョーンっと、白色の硬そうなスライムが飛び出してきた!
大きさは、大人の男が抱えられるくらいでそれほど大きいという印象はない。
「あ、あれがダイヤモンドスライムです……! ど、どうしよう!? 私が剣で威嚇するのでその間にシュンは逃げて!」
まさか滅多に姿を現さないスライムがこんなにすぐに出てくるとはな。
フラグを立てるとはこういうことだったのか!
リーゼが腰に固定した鞘から瞬時に剣を抜き、ダイヤモンドスライムと対峙する。
スライムが飛び出した瞬間にリーゼが剣を振り、見事にダイレクトヒット!
しかしキンッという音がしただけで、ダイヤモンドスライムはノーダメージ。
リーゼが悔しそうにスライムを睨む。
「シュンさん、どうして逃げないんですか! 私は大丈夫です。後はこの斜面を下るだけで村につきます。私のことは気にしないでください!」
そう言われても、美少女を残して自分だけ逃げるなんてできない。
俺は格好よく生きたい。異世界に来てまで逃げ腰なんてバカバカしい。俺にはスキルがある。頭を使え、頭を!
何かあるはずだ!
スライム……いや、ダイヤモンドの弱点……それは熱だ!
ダイヤモンドは約600度程度の熱があれば燃やすことができる。
ファイヤーボールの熱は俺の感覚からして、魔力を込めれば込めるほど高くすることができる。熱は高くすればするほど必要魔力が大きくなるが、無限の魔力があれば関係ない。
問題は、どうやって攻撃を当てるかだ。高熱の火球を誤射してリーゼに当ててしまうことだけは避けたい。
リーゼのおかげでダイヤモンドスライムのスピードは大体わかった。
超接近するか、視界を奪うしかない。
スライムには目があって、そこから見える情報でしか判断できない。
そうか、なら視界を奪えばいい!
とある漫画で読んだ錬金術師の戦い方をそのまま使わせてもらおう。
「これでもくらいやがれっっっ!」
俺が使ったのはサンドボール。
このスキルなら、着弾しなくてもスライムの近くで爆発させることで砂を散布し、視界を奪うことができる。
そして俺の作戦は大成功!
スライムは視界を奪われ、動きを止めた。
そこで俺は1000度まで加熱したファイヤーボールを発射し、見事に一発で当てる。
被弾したダイヤモンドスライムの身体が燃え上がり、溶けるように形を失った。
「す、すごい……! 基本スキルだけでこの草原最強のスライムを倒してしまうなんて……!!」
リーゼは激しく燃えるスライムを見て驚嘆していた。
「それは助かるよ。お願いしようかな」
「はい!」
白黒のワンピース――もといメイド服を着せた美少女と二人きりで並んで歩くことになるなんて、夢みたいだ。
「あっ、そう言えばまだ名乗っていませんでした! 私はリーゼ・リシェールと言います。あなたのお名前は?」
「えーと、俺は佐藤俊……ファーストネームがシュンで、ファミリーネームがサトウだ」
言語の壁はクリアできたが、文化に関しては何も知らない。
シュン・サトウとでも名乗ればいいのだろうか?
「シュン・サトウ……良い響きですね!」
「そうなのか?」
ありふれた名前だと思うが、褒められて嫌な気分にはならない。
自己紹介も終わったところで、ちょっと気になっていたことを聞いてみよう。
「スライムって本当に服を溶かすの?」
リーゼの顔がカァーッと赤くなって、
「も、も、も、もしかして私が……草原に誰もいないからと全裸になって解放感を楽しむような変態で、清々しい気分になっていたところをスライムに服を奪われて青ざめていたと……ほ、ほ、ほ、本気で思っているのかしら!? そんなことあるわけがないでしょう!」
「え? ああ……そりゃそうだよな、うん」
何もここまで否定しなくても……妙に例えが具体的なのだが、想像力が豊かなんだろうな、多分。
「分かっていればいいんです。ところで、シュンは武器を持っていないように見えるのですが、この草原は凶悪な魔物が出るということをご存知ですか?」
「凶悪って……女の子の服を奪うスライムとか?」
「だ、断じてそんなスライムはいませんっ!」
冗談で言っただけなのに、面白い反応を返してくれる。とても良い子だ。
「この草原には、鉄よりも硬い最強のスライムが生息しているのです。私は剣で戦えますが、シュンは大丈夫ですか?」
「少しは魔法を使えるから大丈夫だと思う」
必要な時に必要なスキルを取ればいいし、さっき取った基本の六属性魔法だけでも逃げることは容易いはずだ。
「そうですか、ならいいのですが」
「そんなに強いの? そのスライム」
「もう、それは本当に! 滅多に姿を現しませんが、ダイヤモンドで構成された皮膚は勇者でも手を焼きます」
「ふむ、そんなに強いのか」
ならば、俺も少し対策を打っておいた方がいいかもしれんな。
俺はスキルウィンドウを出し、さっき流し読みしていた中で気になっていたスキルを取得する。
取得のためのウィンドウを開くと、これはスキルポイントを5も消費するらしい。やはり性能も段違いなのだろう。
『魔力無限』
俺の今の魔力は確認することが出来ないが、さっきファイヤーボールを撃った時の感覚からして十発ほどが限界だ。このスキルがあれば無尽蔵にスキルを使うことができる。
俺がスキルを取り終わった瞬間、五メートルほど離れた場所からガサガサと音がした。
そしてピョーンっと、白色の硬そうなスライムが飛び出してきた!
大きさは、大人の男が抱えられるくらいでそれほど大きいという印象はない。
「あ、あれがダイヤモンドスライムです……! ど、どうしよう!? 私が剣で威嚇するのでその間にシュンは逃げて!」
まさか滅多に姿を現さないスライムがこんなにすぐに出てくるとはな。
フラグを立てるとはこういうことだったのか!
リーゼが腰に固定した鞘から瞬時に剣を抜き、ダイヤモンドスライムと対峙する。
スライムが飛び出した瞬間にリーゼが剣を振り、見事にダイレクトヒット!
しかしキンッという音がしただけで、ダイヤモンドスライムはノーダメージ。
リーゼが悔しそうにスライムを睨む。
「シュンさん、どうして逃げないんですか! 私は大丈夫です。後はこの斜面を下るだけで村につきます。私のことは気にしないでください!」
そう言われても、美少女を残して自分だけ逃げるなんてできない。
俺は格好よく生きたい。異世界に来てまで逃げ腰なんてバカバカしい。俺にはスキルがある。頭を使え、頭を!
何かあるはずだ!
スライム……いや、ダイヤモンドの弱点……それは熱だ!
ダイヤモンドは約600度程度の熱があれば燃やすことができる。
ファイヤーボールの熱は俺の感覚からして、魔力を込めれば込めるほど高くすることができる。熱は高くすればするほど必要魔力が大きくなるが、無限の魔力があれば関係ない。
問題は、どうやって攻撃を当てるかだ。高熱の火球を誤射してリーゼに当ててしまうことだけは避けたい。
リーゼのおかげでダイヤモンドスライムのスピードは大体わかった。
超接近するか、視界を奪うしかない。
スライムには目があって、そこから見える情報でしか判断できない。
そうか、なら視界を奪えばいい!
とある漫画で読んだ錬金術師の戦い方をそのまま使わせてもらおう。
「これでもくらいやがれっっっ!」
俺が使ったのはサンドボール。
このスキルなら、着弾しなくてもスライムの近くで爆発させることで砂を散布し、視界を奪うことができる。
そして俺の作戦は大成功!
スライムは視界を奪われ、動きを止めた。
そこで俺は1000度まで加熱したファイヤーボールを発射し、見事に一発で当てる。
被弾したダイヤモンドスライムの身体が燃え上がり、溶けるように形を失った。
「す、すごい……! 基本スキルだけでこの草原最強のスライムを倒してしまうなんて……!!」
リーゼは激しく燃えるスライムを見て驚嘆していた。
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