大罪とスキルは使いよう

貝柱

十四 再会

 .....どうする?怖くはない。今の俺のステータスなら間違いなく勝てるだろう。因みに生同、黒西、辻脇、桜田は正義とつるん...でたかな?たぶん、うん、きっとつるんでいた。姫柊は...不思議な奴だ。俺は高校に入ってからイジメを受けていた。姫柊とは中学校からの付き合いだが、その時は良く話しかけてきたし俺もイジメを受けていなかった。その頃は友達といっても誰も文句は言わなかっただろう。しかし、高校になると姫柊との関係は一切なくなった。それどころか周りからもどこか冷たい反応や仲間外れにされたりとイジメが本格的に始まったのは小田を助けた後からなんだが、その前からいろいろとされていた。その原因は勿論俺は知らないが...昔話はこれくらいにしておいて。

 実はこの店、商店街の中でもかなり有名な場所らしく店はかなり広い。あいつらは大きなゲージの中に一本一本丁寧に入っている武器をゲージから開けては雑に扱っている。位置的には店の一番奥の所だ。俺が欲しいのは日本刀のような剣だが、ロングソードのような両刃タイプでも良い。俺はすぐに剣がおいてある棚を見つけるとどれが使いやすいかレミと一緒に考えながら選ぶ。

「...ん。これがいい」
「これは...いいな」

 俺は禍々しい漆黒の剣を手にする。赤い三本の筋が中心を通る、なんとも中二病心がくすぶられる。すると、いつもの自動鑑定さんが仕事をする。


暴食剣グラトニー《封印済み》

攻撃 1000
防御 0
耐久 2000


 持った感じでこれはかなりいい奴だ。と思える剣だが、置いてあった場所は他のいろんな武器と一緒に入った樽の中。俺は不審に思いつつも早くこの店を出たかったので会計へと進む。

「会計お願いします」
「はい、それでは商品を...これは...」
「なんですか?」
「いや、そのですね、この剣...実は呪われてて。何でも昔の英雄さんが使ってた武器らしいんですが、その英雄さんが«悪食»に喰われたからというもののこれを手にした人が次々に亡くなってしまったんですよ。他じゃぁ扱えないんで家で管理してますけど本当にこれでいいんですか?」

 悪食というワードにレミが反応する。どこか懐かしいような物を見る目で剣を目に捉えている。これは買うべきだな。呪いかけられても今の俺なら死ななさそうだし。

「大丈夫です。買います。値段はいくらですか?」
「えっ!?ま、まぁ無理強いはするつもりはないのでいいですけど、教会とかにいって浄化してもらってください。あと、値段の方はこっち的にも処分するか悩んでたんで大丈夫です」

 なるほどな。だから、あんな風においていたのか。だが、無料とは嬉しい誤算だ。会計の時間が省ける。

「ありがとうございます」

 俺は受けとるとすぐに入り口のドアノブへと手をかけ押そうとする。が、その必要は無くドアが引かれた。俺は引いた人と目が合う。...はぁだから早く出たかったんだよ。フラグの回収をしたくないから出たかったんだよ!そう、目の前にいるのは委員長の藤河。俺がイジメられていると知りながらも無視しつずけた奴だ。

「あぁすいません。先にどうぞ」

 奴は俺に気づかなかった。...まてよ。俺、見た目変わってるな。髪の毛白よりのグレーだし。目の中の瞳は赤黒い...これはあんまわかんねぇな。とにかく俺は周りから見たら昔の俺とはわかんないのか。なら心配する必要もないな。

「...どうも」

 俺はすぐさま外に出ようとする。が、手を掴まれた。レミだ。なんだ?と言おうとしたがすぐに分かる。藤河がレミの細い腕を掴んでいた。

「...可愛い。....すいません。お名前を伺っても?」

 ...こいつ殺るか?レミが俺に救難信号を送ってくる。(蒼空...ヘルプ)了解

「あの、やめてくれないか?俺の連れなんだ」
「あ?あぁ貴方はどうでもいい。それよりもお名前はなんとおっしゃるんです?」
「ッ...いい加減にしろよ?俺の連れつってんだろ?」
「は?...平和的におわらせたいんですが...仕方ありません。これをみなさい」

 藤河はそういうと王族が後ろ楯にあることを証明する紋章をつきだしてきた。

「私は王族が後ろにいるんですよ?いいんですか?貴方が私にたてつくと明日には貴方の身の安全は保証できませんよ?」

 ここで俺は失敗した。俺は頭の中にプチッと何かが切れる音が聞こえた。怖くはないにしてもあいつらにされた事に対して根に持ってる自分がいるらしい。または、前の心がレミを守るだけのために生きていたか。俺は怒りに任せ藤河に言ってしまう。

「...お前は昔からそうだな藤河?女遊びもほどほどにしろよ?あぁ違うな『優秀で天才の藤河君は本当は....』だったか?相変わらず成長してねぇな。あの噂はしっかり消せたか?」
「何故貴方がそれを!?その事を知っているのは...まさか!?貴方は死んだはずじゃぁ!?」

 藤河が声を大きくしたせいで他の奴らが気づきこっちに近付いてきた。

「おぉ委員長もどってたんか。どないしたんそんな声上げて」
「そうよ藤河君らしくないわね。ところでそちらの方は?」
「皆!こいつは「...蒼空くん?」

 ...はい?姫柊は何故気づいた?待て待て待て、姫柊との距離は5メートルはあるぞ?しかも、桜田は誰?って顔してるぞ?外見違うんだぞ?何で分かるんだ?

「...祭莉ちゃん、それは無いな。だってあの雑魚死んでるやん」
「拓三の言う通りよ。雑魚は2ヶ月前に死んでるわ」
「違うんだ!皆あいつは「蒼空くんだよね?蒼空くんなんだよね?」祭莉君!」

 ヤバイっす。姫柊の目がこう、怖いっす。(蒼空、何したの?)...俺も知りたい。

「はぁ?ほんまにあの雑魚か?」

 もう隠せそうにないな。俺からバラしたようなもんだが。

「心外だな辻脇。俺は既にお前らよりも強い自信があるぞ?」
「てか、そもそも雑魚の喋り方変わってるし」
「口調を変えただけだろ?お前のしゃべり方も変えたらどうだ?」

 話を聞いていた生同が口を開けた

「お前、初対面なのに非常識だろ。謝れよ」
「俺が逆に謝って欲しいよ。お前らは俺の事をいじめていたからな。なぁ生同?」
「な...なんで俺の名前を!?」
「だから聞け!こいつは如月だ!あの時生きていたんだよ!」
「フッジー冗談キツイよー」
「...波。藤河君が嘘をついた事がある?たぶん彼の言っていることは本当ね」

 やっと分かった方向に持ち出せたか。...なんで俺こんなことしてんだろ。

「えっ!?じゃあ、あの人が雑魚ってこと!?」
「そうでしょうね。私も正直驚いてるわ」
「まじか...生きてたんか...」
「蒼空くん、私は蒼空くんが、生きていることを信じて...」
「マジかよ、でも、雑魚が生きてたんならやっとか」

 取り敢えず早く出たい。その後クエスト受けたりして、この国出たい。

「そうね、取り敢えずは助かったわ...」
「ねー本当だね」
「委員長、雑魚が連れてる娘めっちゃ可愛いじゃん」
「やめろよ?先は僕だからな?」
「正義をやっと封じ込めれんな」
「蒼空くん、もう離さないから、絶対離さないから」

 祭莉はおいといて、藤河と生同は絶対許さん。あと、正義を封じ込める?...こいつら俺の事を戻らせる気か。馬鹿だな。戻るわけないのに

「それじゃあ取り敢えず王様に報告ね」
「私もついてくー」
「俺は連れてくわ」
「僕も手伝おう」
「俺はもうちょい見とこー思うから先行っといてーな」
「蒼空くん帰ろ?私が守るから、もう大丈夫だから」

 スッゴい話が進んでるな。俺の事について話してるのに蚊帳の外みたいだ。(帰ろ?)そうするか

「何話してるのか知らんが俺はもう戻るから、他の奴にも言っとけ。二度と俺に関わってくるなってな。」
「あ?帰ろうとしてる所悪いんだが眠っとけ」

 生同が俺の腹へ殴り付けてくる。が、勿論いろんな意味で俺は勝っているので生同の手が潰れる。

「!?いってぇぇぇ!お前何したんだよ!」
「何もしてないぞ。お前の手が脆かっただけだな」

 首に藤河の手が当たるまでざっと0.3秒。気配察知のお蔭で簡単に避けることは出来るがここは工夫して...これでいい

「グフッ」

「よし、きまっ...な!」

「仲間争いか?だらしないねぇなー」

「そんなはずっ!何をした!」

「自分が手をぶつけたのも人のせいにするとは...人生やり直したらどうだ?」 

「...全員雑魚を潰そう。生きていれさえすれば構わない」

 藤河の言葉に生同以外のメンバーがうなずく。姫柊はなんか目の光が消えてずっーーと俺の事をみてる。負けることはないがこいつらを殺ったら後々めんどくさそうだ。意識狩って逃げるか。どちらにしてもめんどさいなー。

「よし、行くぞ!」

(蒼空?) 大丈夫。

「...やるか」

 今日はやっかい事が多いな。


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コメント

  • ノベルバユーザー325139

    展開が速くていいね

    0
  • ノベルバユーザー323208

    面白い!

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