大罪とスキルは使いよう

貝柱

九 死闘

 ゴォォン 天井の破壊により石の欠片が俺の頬を掠め血が流れる。がすぐに傷は癒える。今のところ重症といえるほどの傷をお互いつけられていない。俺はダメージをくらったとしても、すぐに回復するし、ミノタウロスはその頑丈さゆえ日本刀ならぬ妖刀ならいけると思ったんだが...無理そうだ。

 持久戦になればミノタウロスよりも俺が先に潰れるだろから、避けたい。だが短期決戦に持ち込みたくても奴の急所やこの状況を打開する策がない。考えいる間にも奴は斧を投げ地面や壁を壊し俺の逃げ場をなくしてきている。バカそうな見た目なのに賢い奴だ。ドォォン!?入り口を塞がれた。これで、俺は四方を塞がれた。まずい、これは下手をすれば死ぬ。そう思ったとき、その声は俺の脳に響かせるようにして聞こえた。

 「...そいつを...こ..ろ...し....て.....」

 その声は透き通るような優しい声だが、どこか寂しそうだった。辺りを見渡すが、ミノタウロス以外誰もいない。そいつをころして?まるで俺が復讐代行人みたいだ。俺はふとあることを思い出した。俺のスキルである「創造」 これは、代償と引き換えに大抵のことをできる物だ。なら、奴を殺せるのではないか?しかし、代償をどれくらい払ったら良いのか分からない。試しに奴が投げた斧を手力で止め、「創造」と唱えて斧を代償にする。しかし、俺の奴を殺したいという願いにはまだ足りないらしい。なら、奴を殺せるような武器ではどうか?...これも無理か。足りないのか?そう思い他の落ちている斧を飛んでくる斧から避けながら回収して代償に変えていく。まだ、出来ない。

 ...何が足りない?...まてよ?この代償俺自身か?斧でダメなら他の物でも希望はないだろう。なら、俺の体の一部を代償にすればいけるのではないか?そう思い俺は口で手を噛みちぎる。血が溢れるが、すぐに回復する。...うぜぇ。何度も繰り返すが、結果すぐ元に戻る。出た血だけでも、代償に変えてみるが今度はまだ足りませんと表示された。どれくらい足りないのか教えろ!俺の思いは表示に反応することはなく、ただひたすらに苛立ちが溜まった。もう、いい。諦めた。腕ごといこう。腕まで行くとさすがに即時回復でも10秒程かかる。それでも即時か?と思うが10秒で回復する分ましだと思いつつ、どのタイミングで腕を切るか悩む。当然聞き手である右腕をやると、戦闘に支障がでる。足だとジャンプ力が低下するし、するとしたら左手だな。次に奴が斧を2つとも投げた瞬間を狙う。

 .....今っ!俺は歯を食い縛り右手に妖刀を持つと一気に左へと刃の部分を滑らせる。左手に襲いかかる痛みを嗚咽を出しながら耐える。切り離された左手を右手でもつと同時に代償に変える。今度は満足したのか俺の目の前に一本の棒が現れた?はっ?呆気にとられるが今は時間が無い。左手が半分できたと同時に奴は斧を振りかざす。右手で棒を取ると前に大きく転がる。容赦ねぇなぁ 俺のいた場所にクレーターができる。

 棒を力強く握りしめると弓のような形状が出来てきた。あれだけ堅いのに弓とか、ふざけんなよと思うが三本あるうちの一本をこちらへ向かってきた奴へ構えて打つ。幸い俺は幼少期アーチェリーの習い事をしていたので、人並みよりはできていた。扇上を描く弓が奴にあたると、まるでそこに何もないかのように貫通して穴を開けた。

 「グモォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」

 痛そうだ。奴は叫び声を上げこちらを呪い殺すような目で見てきている。次は奴の心臓を狙ってやる。二つ目の矢をセットし、狙いをすませて弓から矢を離すと同時に奴の姿も消えた。どこだ!?周りを確認するが岩しかない。と、なれば残された所はただ一つ。上か。俺は最後の一本をセットし奴が下を降りたと所を狙おうとしたとする。奴は天井のしがみついていた岩から地響きを立て降りると共にこちらへ全速力で向かってきた。バカだな。そう思うのも、つかの間。奴は自らの手で心臓を隠しこちらへと向かってきた。学習している!?まずい、俺は横へ飛び退いた。奴の突進にぶつかる。衝撃で俺は意識を手放した。


◇◇◇


 「...痛いな」思わず声がでる。蒼空の傍らにはすでに絶命したミノタウロスの姿が。何があったのか?実は蒼空は横へ飛び退くとミノタウロスの手で隠されていた心臓を手の指と指の間を狙い打ち見事当てていた。危険な賭けだか、あの状況ではこうすることしかできなかった。いまだに自分の弱さを大量のレベルアップの画面と共に感じる蒼空であった。


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