大罪とスキルは使いよう

貝柱

四 ダンジョン

  「ここが世界にある、7第ダンジョンが一つ傲慢の洞窟だ」
 そういわれてたどり着いた場所は王城から約2km程だった。一見周りに酒場や出店、冒険ギルドのような場所があるせいかとても賑やかな所だがダンジョンから放たれているオーラは只者ではない...のかも知れない。

 さすがに30人という大所帯でくれば人目につく。そう思った矢先にいかつい男や、酔った男達に睨まれた。怖っ。ダンジョンの入場口に近づくと担当者みたいな人が出てきた。

「本日はダンジョンのご利用ですか?」
「王からの命をうけ、ダンジョンに潜る勇者パーティーとその一向だ。これを証拠に手間のかかる手続きは飛ばしてもらう」
そういうと、団長さんは位が押された紙をだした。担当者さんは紙を受け取ると、納得したかのように、すぐにダンジョンへ潜る許可をくれた。

 団長さんは「感謝する」とだけ伝えると、すぐに中に入っていったので僕らも遅れないようについていった。さぁ冒険の始まりだ。この時、僕はあんな事になるとは思いもしていなかった。

 ダンジョンに入ると中は静寂に包み込まれていて、声が反響してきこえた。外の騒音はいつの間にかきえており、皆の顔にも緊張感が走っていた。暫く歩いていると顔が歪んだ気味の悪い緑色のゴブリンが現れた。僕らは事前の打ち合わせ通り敵の攻撃をかわし、隙ができたところで首を斬るという、方法で敵を倒していった。

 そうしながら倒すこと体感で1時間程、五階層まで来た僕を除く皆には敵が弱く見えていた。決まった動きしかしない。隙がありすぎる。弱すぎる。そんな風に思ってしまっていた。ここはあくまでも、ダンジョンなのだ。騎士の人のように殺しに来たりはしないし、手加減もしない。命の取引をする場所なのだ。そう考え伝えようとするも、なんせ僕には友達がいない。言ったところで嗤われて終わりだ。下手をすればまた殴られるかも知れない。イジメによる恐怖が僕には植え付けられ昔のように行動する僕はここにはいなかった。

 団長さんも皆の顔に余裕の文字が見え緊張感が無いことに気づいたのか気を引き締めるように注意したが、その声をまともに聞いたのは戦うのが嫌いな人数名と僕、委員長のようなしっかりした人以外に誰一人としていなかった。皆、興奮していたのだろう。まるで漫画のように敵を倒し自分が感じたことのないLvが上がるという感覚に。その注意の差は後に悲劇を起こすこととなる。


---25階層---

 ダンジョンには10階層ごとにボスがいるらしくどれも、強敵で倒すとかなりの経験値とレアな装備、ボスが落とすコアを貰えるらしい。僕は弱いのでボスを倒す戦闘に入れず、ボスの攻撃の流れ弾に当たって気絶していた。同じことが二回も起こり、経験値や装備などは貰えていなかった。何で僕だけがと、落ち込んでいた矢先、団長さんから皆に声がかかった。
「今日はこのくらいにして、一度城に戻る。今日戦った感覚を忘れず帰っても訓練を怠らないように」

 反対意見は多かった。だが、皆も疲れていたようで結局帰ることとなった。帰るために準備をしていると突然地響きが起こり、ダンジョンの洞窟の奥からそいつは姿を現した。

 「何故こんな浅い階層にデスキメラがいるんだ 全員死ぬ気で逃げろ!」

 その掛け声にデスキメラの大きさに思考停止していた僕達の脳が再稼働。一気に悲鳴や焦り声がきこえた。そんな事を知るかと言わんばかりにデスキメラは前衛職業であったクラスのムードメーカである森武治やお調子者の金城幸田、その他数名が食われた。僕もこれはマズイと思い必死で逃げるがステータスが離れすぎている
ため追い付けるはずもなく、どんどん差が開いている。僕は幼馴染みの西宮卓に助けを呼ぶ「雑魚なりに囮になって死ね」もう一人の幼馴染みの福宮三春に助けを呼ぶ「うざーい。私のために死んでよ。」委員長!無視。皆!無視。団長!「...すまない、蒼空君。私はここで死ぬわけにはいかないのでね。」呆れた。それでも団長か!そう思っていると、正義が近くまで来た。

「大変そうだな。俺様が助けてやろうか?」
「えっ いい「バギ」ぐぅぁぁ」

 折られた。右足の足を踏み折られた。足に痛みが走り転んだ。
「雑魚でも囮としちゃあ使えんだなw楽しませて貰ったぜ。じゃあなw」
「嫌だ。嫌だ。しにたうないよぉぉぉぉぉ」

 僕の叫びを聞くものはいなかった。我先にと逃げ今も逃げ遅れた人が喰われている音がする。次は僕の番か、そう思うと死に対しての恐怖が強くなってきた。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。

 張ってでも逃げようと手を前に出したとき背後に生暖かい息が吹いていた。もぅ無理か。だが、運命は蒼空を見捨てなかったらしい。「ゴォォォォ」 再度起こった地割れと共に蒼空はダンジョンの奥深くまでデスキメラと共に落とされていった。


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