exploration

五月雨沙和

exploration 第2話

「梨花!聞いてよ!変な男子が来たんだって!」
「そりゃ変な奴ら沢山来るでしょ」
アイドルのSummergameとして初めての握手会を終えた後、麗亜姫はずっとそれしか言わなくなった。
「ほら、早くSNS更新しないと……」
「アイドルって大変だよね」
「話聞いて!」
私達は麗亜姫を気にせずに、SNSの更新に取り掛かった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
翌日。私達Summergameと、すたーらいと☆の3人でいつものようにexplorationに入った時だった。
「……居た。」
「わっ、本物のSummergameとすたーらいと☆だー!」
黒髪の厨二病っぽいイタい系男子と、髪型爆発してるギャルっぽい女子が待ち伏せしていた。
「蓮城寺麗亜姫。昨日はどうも。名前を言い忘れたな。僕の名前は海都紫苑。ユーザーネームは聖苑だ。」
厨二病君……紫苑君が自己紹介をする。そっか、麗亜姫が昨日言ってた人はこの人か。
「ちょっとお兄ちゃん、私は?えっとね、私の名前は海都心春!@ピンクハート♡ だよ!」
ギャル子ちゃんの名前は心春と言うらしい。
「ちょっと質問いいかね?紫苑と心春は、何故兄妹なのに髪色も目の色も違うのか?」
瑞希ちゃんが質問する。
確かに、紫苑君は髪色・目色共に黒なのに対し、心春は髪色ピンク、目が赤だ。
「それは心春が……」
「お兄ちゃん、何言おうとしてるのかなぁ?これは地毛、地目だよ?」
なるほど。心春の方が髪染め・カラコンをしているらしい。
でも、海都心春……どこかで聞いたことあるような……
「「「あーーーーー!!!!!」」」
私、早苗ちゃん、沙和ちゃんが同時に叫ぶ。
「心春……ちゃん?」
沙和ちゃんが心春を見る。
「なぁに?」
「小三まで海百合小学校だったよね?」
海百合小学校は、ごく普通の公立小学校だ。私達の出身校でもある。
「うんっ、小四で転校したけどねっ。」
その瞬間、私の中で何かが閃いた。
海都心春……1年生の時から何かと問題が多く、まわりから浮いていた存在だった。小三の二学期に色々やばいことが発覚して退学となった子だ。
「私、入学式には出なかったけど海園中入るんだ〜!よろしくね、さ、な、え、ちゃんっ☆」
「……」
早苗ちゃんは、そのまま床にしゃがみ込んだ。
「どうしたの〜?」
「やめてっ!近寄らないで!二度と私と話さないで!」
「怒ってる?」
「……」
早苗ちゃんは3年生の頃に、心春ちゃんと諸々あったらしい。それが、心春ちゃんが退学した事の70%の理由だ。
「まぁ、そりゃそっか。」
心春ちゃんはお手上げと言うことか、紫苑君の後ろに隠れる。
「ところで。五月雨沙和。」
紫苑君が沙和ちゃんを本名で呼ぶけど、本人は返事をしない。
「この名では反応しないか?@さわぁ〜すたぁ。」
「……呼んだ?」
やっと反応した。沙和ちゃんの目は、いつもより光が薄い。
「役立たずは消えろ。バカは2人も必要無い。」
紫苑が吐き捨てるように言う。
「それだけ?」
だけど、沙和ちゃんも引かない。
「必要の無い人間に何言言っても無駄だからな。」
「で、無いの?」
「今の言葉で分からないか?」
「君が質問にちゃんと答える能力があるのかないのか確かめたかっただけ」
「下らないことに労力を使うな」
紫苑と沙和ちゃんの喧嘩(?)は続きそうだ。
「あのー……私達は何を?」
痺れを切らした瑠樺が聞く。
「ちょうどいい。君達にも言いたいことが1つある。''何故態々劣等生を庇うのか?''」
沈黙が走る。これ程しーんとした雰囲気が嫌だと感じたことはこれまで無かった。
「まぁいい。君達と僕ら、どっちが正しいか決めるチャンスをやる。」
「お兄ちゃん、やっさしぃ!」
2人は、今日1番の笑顔をしていた。目以外は。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「ルールは1つ。そこのマップに入って、経験値を出来るだけ獲得した方の勝ちだ。」
紫苑が、上級者マップ「sea party」を指す。
「あれ……でも紫苑君って初心者だよね?」
麗亜姫が口出しすると、
「僕に経歴は関係無い。」
と返される。
「異論は認めない。早く行くぞ。」
「Seaparty?余裕だよぉ」
瑠樺がそう呟く。すると
「Summergameは参加しないぞ。」
「ランキング1位のグループが居たらすたーらいと☆の3人組が有利になっちゃうもんね〜☆」
と、海都兄妹に言われた。
私達は待つだけか……
仕方なく、すたーらいと☆の3人を送り出す。

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