3話〜千鶴のために〜

　俺は千鶴のためになにかしてやりたい。だが、どうすればいいんだ。

　「なあ、千鶴。俺、お前のためになにかしてやりたい。なにか、お前の力になれることはないか？」

　「理人…。ありがとう。私ね、お願いがあるの。」

　理人は千鶴を真剣に見つめた。

　「私を、成仏させて欲しいの。」

　「で、でもそれって…成仏したらほんとに会えなくなるって事だよな…。」

　「そう…だね。でもね、私は私のしたかったことをしたい。理人ともっとっ！！」

　理人は千鶴の真剣な思いに応えたいと思った。

　「わかった。でも、俺は成仏して欲しくない。ずっと、ずっと千鶴の傍にいたい！！｣

　千鶴は泣きそうになりながら言った。

　「私も、ずっと一緒にいたい。でも、理人にもう二度と触れられない私の事を思い続けて人生を台無しにして欲しくないの。」

　千鶴の答えに何も言い返せなかった。