平凡な僕と魔法使いのビーバー

相坂舞雉

2-3 国家命令


「なるほど。君は直感が鋭いようだ」

黙っていた騎士ラウルはどうやらエルムの言う通り他の目的があったようだった

「部外者の君達に教えるのはいささか難儀ではあるが、先ほどの詫びだ」

そう言いラウルは国家命令に寄って都市の離れまで来ていたと教えた。

ラウルの目的はガーデン村周辺の視察。

エルムはそれを聞いてさらに真意迫る質問を投げかける
「村を取り返すと言うことか。」

「それもそうだが、村は国と国の境界線の役割を持っている。その為ヴェッセルへ行くには村を通るのが得策だ。」

「村を通る....?」

「いかにも。今回のは敵国からの宣戦布告だ。となればとる策は1つだけだろう。」

流石の僕でも真意がここまで明らかになれば察する。

「ラウルさん。攻め込むと言うことですか...」

騎士ラウルは僕の質問に頷いた。


「確かに下級モンスター狩りも1つの仕事だったと言うことだな。」

これで一級騎士ともあろう人間がモンスターを討伐しているのも納得がいった。

「君達はガーデン村に向かっているのだろう?良ければ私も途中までご一緒させてはくれないか。」
「なんせこの命を知っているのはごく僅かの者だけだ。知っている者達と行動を共にできたら心強い」

それに

「強力な魔術師もいるようだしね。」

エムルの事かな。

「エーデル、騎士様はこう言っているがお前はどうしたい?」

エムルはこちらを見て問いの答えを待っている。
エムルなりの優しさか、それとも....


「強い人がいてくれるなら心強いと思う!ラウルさんよろしくおねがいします!」

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