平凡な僕と魔法使いのビーバー

相坂舞雉

1-6 断り破りの水晶



偉そうでキメ顔が得意な1匹の魔法使いは
あの後の事を話してくれた。

賢者と獣の力が混合し放たれたその力は周りの建物を吹き飛ばすほどの被害を出したらしい。
幸い囲っていた周囲の人々は早いうちに遠くへ避難していたため人的被害は無かったようだ。

「よかった....。」

爆発の後獣は重傷を負いながらも、都市から逃げ去り森へと姿を隠したようだ。
等の上級賢者は防御が間に合わなかったらしく重傷。だが、宮殿には腕のいい治癒魔術師がいるため数日後には復活するとのこと。

「ソノアト、オマエヲイエマデモチカエッタノダ」

「あ、ありがとうございます。」
「で、でもなぜ!僕を助けて......」

先ほどまで陽気な顔をしていたビーバーは一瞬声色を変えるが
「ソリャー、メノマエデシニソウナヤツガイレバナ。ソレト........。」

ん————?

「そういえば、あの審判の時に男の人に見せていた水晶ってなんなんですか?」

ビーバーは話題が変わったと同時に陽気なそぶりを見せながら話す。

あの水晶は通常宮殿や神殿などに祀られている魔力水晶らしい。

その水晶は全ての種族に希望を与える。
その水晶が写し出す色によって効果は違うらしいが、本来は能力者特有の力を一段階引き出す物らしい。

上手くいけば

賢者は上級賢者へ

魔法使いは神官へ

神士は高みの神士へ

だが、例外もある。
それがあの男だとビーバーは言う。

本来あの場にいた男は『ノーマル』であった為『アブノーマル』や剣士と言った派生種族に移り変わるらしいのだが、アレを見たら、、、

水晶は本来の能力を引き出すことができる

つまり隠していたとしても能力や種族があらわになるとゆうことだ。


彼は獣の種族『ゲテモノ』神のイタズラによって作り出された人ならざる者だったと言うわけだ。


「なる..ほど.....」


「ソシテソノスイショウガコレダ!!」
と、言いながらビーバーの懐から例の水晶がゴロンと転がる


「ぇえええ!!!!ななななんで!?」

話を聞く限りあまり悪意は無さそうな水晶だが目の前で人を獣に変えた物、
ビビるのは当然だ。


ビーバーは笑いながら大丈夫大丈夫と促す

「サテ、ハナシモココマデニシテ、キミニヤッテモラウコトガアル。」

「へっ—————?」



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