学生時代

Me-ya

瞳の中、君に 18

-恋人には戻れない。

…といっても、恋人だった事なんてないんだけどさ…お互い擦れ違いの片想いで…。

かといって、友人にも戻る事ができない。

寧音は治夫の事が好きで、治夫に近付く為に治夫と親友である僕の告白にOKしたと聞いても、腹は立たなかった。

そうか、やっぱりな…。

と思うだけだ。

大体、僕の告白に簡単にOKするなんておかしいと思ったんだよ。

最初はマジでドッキリじゃないかと思ったもんな。

………ま、寧音らしいけど。

自分の気持ちに正直な寧音。

そういうところも好きだったんだよな。

………好きだった……。

いつの間にか、過去形になっている……。

もう、僕にとって寧音は過去になっているのか。

あんなに好きだったのに………。

今は………。

治夫が好き………?

友情がいつの間にか愛情に………?

男同士で………?

それってアリなのか………?

男女ならそれもアリだろうけど………。

治夫の事をあんなになりふり構わず好きな寧音よりも、治夫の事を好きだと言えるか……?

これは友情なのか。

愛情なのか。

寧音に胸を張って…寧音の瞳を見て…堂々と治夫を好きだと言えるだろうか………。

それに。

何より。

誰よりも僕が好きで大切だと言ってくれる治夫に正面切って好きだと言えるだろうか………?

友情と愛情の間をウロウロしている。

このまま……僕はどこにも進めない………。

……………………………………………………。

…………………………。

……………。


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