学生時代

Me-ya

恋と嘘と現実と 43

「…もう、話す事なんてないんだけど」

昼休み。

美術室に僕と千尋、二人きりで向かい合って弁当を広げている。

昼休みのチャイムが鳴った途端、千尋に連れられてここに来た。

千尋の取り巻きのA君(名前知らないから、もうA君でいいや)が美術部員らしく、そのA君がこの教室を千尋に提供したらしい。

…チッ、余計な事を。

…ていうか、何が悲しくて千尋と仲良く弁当を食べなきゃいけないんだ。

「隼人になくても、俺の方にはあるんだよ」

僕と千尋、二人きりの今、いつもの爽やかさはどこへやら…不機嫌そうな顔をして千尋は僕を睨んできた。

「皆の前であんな事を言うなんて、どういうつもりだ」

どうやら千尋は僕が皆の前で千尋に反抗した事が気に入らないらしい。

「…あそこで言わないと、ずっと言えなくなると思ったからな」


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