学生時代

Me-ya

恋と嘘と現実と 41

「昨日、治夫と仲良く手を繋いで帰ったんだって?」

朝、教室へ入るなり千尋が話しかけてきた。

皆の目があるからか、いつもの爽やかな笑顔で。

だが、目が笑っていない。

何かに怒っているらしいが…千尋が何に怒っているのかわからなくて戸惑ってしまう。

「仲直りしたんだ?」

「…仲直りもなにも…僕と治夫は喧嘩、してないから…」

「…;ふ~ん」

「……それより、話があるんだけど…」

昨日、家に帰ってからずっと考えていた。

「今日の放課後…いや、昼休みでもいい。少し時間をくれないか…二人だけで」

千尋との関係を治夫に知られた今、どうしたらいいのか。

どうするべきか。

「…俺も色々と忙しいからな~」

どうしようかな~と呟いた千尋に心の中で舌打ちする。

この分じゃ、色々と理由を付けて話を聞いてもらえないだろう。

本当は二人だけで話をしたかったが…仕方がない。

「…わかった。ここでいい。もう僕に構わないでくれないか」

僕がそう言った途端、周りがざわついた。

…あ~あ…これでまた、前みたいに…いや、前以上にクラスで孤立するだろうな…。

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