学生時代

Me-ya

恋と嘘と現実と 26

治夫と寧音が階段を下りていく姿を見詰めた後、僕は踵を返して廊下を歩き、男子に近付く。

「…何?」

「…いや…」

すると、男子は少し困った様子で僕を見た。

……………ていうか、その前に…。

「………ごめん……誰?」

「…えええぇぇ~!?」

その驚きように、僕の方も驚いてしまう。

「…俺の名前、知らないの!?」

その質問に、頷く僕。

…何だ、こいつ…自信過剰な奴か?

「…俺、隼人と一緒のクラスなんだけど…」

…………………え?

今度は僕が絶句した。

…二年になって只今、二学期…。

「……ごめん…?」

「いやいやいや。何故に疑問形なわけ?…ていうか、本当に名前、知らないわけ?うわっ、ショック~」

「……………」

流石に悪くて言い訳もできないが…。

…でも、そういえば僕…クラスの半分以上の名前…知らない…。

二年になって…同じクラスになって…もう二学期になるというのに…。

流石に、今更ながらというか…その事実に自分で気付き、愕然とする。

どんだけ他人に興味ないんだ……僕………。


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